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すべらない話 三谷幸喜「海水浴」粗品「父ちゃんのボケ」R-指定「韻」(抜粋)

三谷幸喜

海水浴

僕が中学生の頃の、ちょっと甘酸っぱい体験なんですけど。親戚が九州にいまして、遊びにおいでって言われたんで、家族で東京から、行ったんですね。長崎の平戸。す~ごく海の綺麗なところなんですよ。海水浴場て感じじゃないんですけど。岩場になってて、入江みたいなところがいくつかある。水がホントに綺麗で誰にも見られないで一人で泳ぐことが出来るところがある。その日僕は、家族とも離れて、ひとり入江みたいなところで泳いでたんです。ものすごい気持ちよくて、いい天気で、陽は燦々とさして、水も冷たくて、解放された気分になって。

もっと解放された気持ちを味わいたいと思って海水パンツを脱いでみたんです。手に持って浮かんでみたんです。生まれてからこんなに気持ちいいこと無いって。

浮かんでたら、突然体に電気が走ったというか、ムズムズっとなって。で、気が付いたら射精してたんです...生まれて初めて。医学用語で「精通」精子の精に通じる。

松本:失禁じゃなくてですか?

精通です(笑)すぐわかった。うわっ、なんでこのタイミングで!と思うじゃないですか。怖くなって、帰ろうと思って、海水パンツはいて、泳いでったんですけども、ふと見たら、僕が放ったものがついてきてる。ずーっとついてくる。

松本:分かります。粘りがあるから

どうしよう、と思って、怖くなって、ちょっとあっち行ってくれ!子供たちごめんねって、かき混ぜて(笑)で、なんとか逃げ切ったんです。

家族の元に戻って、東京に帰ってきたんですけども、それからすごく不安になって。

なんでかっていうと、海って神秘の世界じゃないですか。何があるかわからない。もしあの日、魚が体外受精をしていたとして、別の魚が受精卵を出して、オスの魚がそこに精子を与えて....そういう映像見たことがある。もしそこに、僕が放った子供たちがいたら、行ってしまったら、受精卵とくっついたら、どうなっちゃうんだと。とんでもないことになっちゃうんじゃないかと。

中学生だからとても怖くて、新聞ひらくたんびに「長崎で不思議な魚見つかる」(爆笑)記事があるんじゃないかとずーっと怖くて。写真とか出たら、顔は僕じゃないですか。それか下半身が僕か、どっちかじゃないですか。で、もし捕獲されてたとしたら、やっぱ引き取りに行かなきゃいけないじゃないですか。僕の子供ですから。ほんと怖くて、その夏ずーっとそのことばっかり考えて。不安で不安でたまらなかった

松本:ホント面白いんですけど、4つ目ぐらいにする話....お風呂でも、後で姉ちゃんが入るとき怖かったりしますよね

粗品

父ちゃんのボケ

3人家族なんですけど、ぼく一人っ子で。父ちゃんが明るい男やったんです。 これはちょっと珍しいんかな思うのが、ボケる人やったんですよ。子供の前で。会話の流れで気の利いた面白いことを言うんではなく、結構振りかぶってボケる人やったんです。小さい時に公園行って、父ちゃんとキャッチボールやるんですけど、毎回1球目、グローブ投げるんですよ。ボールじゃなくてね。 僕もちっちゃいから「逆やろ」とか言えなくて。USJ行った時も、平気でチケット売り場の姉ちゃんに「子供3枚で」言うんです。僕も「いやいや大人やんけ!」とか言えないんで。でもちょっとこのくらいから怖くなりだして「もしかして、俺の父ちゃんボケ弱い?」思いだしたんです。父ちゃんがボケ弱いの嫌じゃないですか。よう行ってたプールあったんです、宝塚に。 そこでフランクフルト1本買ってきて「2本買ってきたわ」言うんです。「え、1本やん」「いやいやいや」そのフランクフルト股間に当てて「ほら!!」 ボケ弱いな、どうしよう思ったんです。授業参観でもし父ちゃん来て「お前の父ちゃんボケ弱いな」言われたらどうしようってめっちゃ思ってたんです。

そんな父ちゃんが、僕が高校生の時にめちゃくちゃ病気なったんですよ。もともと僕が小さい時から体悪かったんです。高3の冬前に余命宣告されたんです。お医者さんに、あと1年です言われて。 ホンマに父ちゃんが明るい人でよかったな思ったんですけど、余命宣告を受けた家族会議みたいのがあったんです。病室でベッド囲んで3人でやるんですけど、悲しんでもしゃあないと父ちゃんが言うんです。1年で死ぬのは決まっとるんやから、楽しい思い出を作る1年にしようと言い出した。 なかなかそれ、言えないじゃないですか。悲しまんとこうと。楽しい思い出を作って、それを俺の手向けにしてくれやという話をして。めっちゃ勇気出たんですよ。「あったかくなったら、また久しぶりに公園でキャッチボールでもしよう」僕も「夏なったらまたプール行って、泳いだりまたみんなでしたいわ。秋はUSJでもまた行きたいわ」「乗り物はちょっと難しいかもしれんから、ショーとかパレードとか見よう」3人で泣きながらワーッと喋る一夜やったんです。

ほな、その次の月に死んだんです、父ちゃんが。いや、ボケ強すぎるやろ、えぐいて。体張りすぎやろ。1年て聞いてたけど。 高校生やから「ボケ強すぎるやろ」言いましたけど。

R-指定

韻(抜粋)

先輩のラッパーでみなさんも知ってるZeebraさん。よくご飯連れてってもらって。 フリースタイルダンジョンっていう、MCバトルの番組をやってて、僕も出てて。飲み会連れてってもらったんですけど、韻踏合組合のERONEさん、Zeebraさん、僕の3人で飲みに行かしてもらって。最初はお寿司をZeebraさんに奢ってもらったんです。二軒目、バーに行こうって、みんなで飲んでたら、フリースタイルで名古屋のラッパーが出てきたからって名古屋の話になって。 おもむろに酔っ払ったERONEさんが「名古屋っつったら、3日ぶりに俺ひつまぶし食いたくなってきたわ」言い出して Zeebraさんがすかさず「3日ぶりより5日ぶりの方が綺麗やぞ」 これわかりますか?実は、韻を踏んでるんですね

みっかぶり MI  tsu KA BU RI いつかぶり  I TSU KA BU RI 

ひつまぶし HI TSU MA BU SHI

音で言うと「イ・ウ・ア・ウ・イ」でも3日ぶりのちっちゃい「ッ」が邪魔やと。だから5日ぶりに修正したんです。

僕も後輩として負けてられへんと。ラッパーが集まるとたまにこういう遊びをしてたんです、僕も地元仲間と。芸人さんが大喜利始めるみたいに。だから僕も後輩として飛び込まなあかんと、でもERONEさんが「すぐ修正するとこ、Zeebra節ですね」言い出して。 韻がずーっと飛び交ってる。僕も「さっきZeebraさんに奢ってもらった高級寿司いいですけども、あえてこのメンバーでリーズナブルなきずな寿司とか行って、イクラウニとか注文したいですね」

きずなすし いくらウニ

2個放り込んでテキーラ飲んだら「マダカスカル」って出てきた。僕もZeebraさんも目合わせて「あれやな、あれ思い浮かんだけどやったらあかんわな」 ゴー✩ジャスさんの「まだ助かるマダカスカル」ってのが多分同時に頭に浮かんだけど、プロのラッパーとして芸人さんのは暗黙の了解でやらないと。そしたらZeERONさんが「あの韻を使ったら、見てる人が俺たちのことプロやのにってからかうはずやで。そんなことしたら」って返してきた

マダカスカル からかうはずやで

Zeebraさんも「そうだよね、そしたら俺たちの持ってる宝腐るよね」って

たからくさる

さすがやでこのひとたち、って。僕も「これ考えるの頭使うっすね」あたまつかう。 Zeebraさんが「今やったな。コイツ、ステルスで韻を放り込んでくる」 締めにしようって言ったんだけど、飲みすぎてテキーラが店になかった。出てきたイエガーでお開きにしましょうと....

イエガーマイスター

テレビで見てた大スター

田中卓志の歯の矯正、松ちゃんのおぼんこぼんも面白かった。

清塚信也

紅白歌合戦で演奏

島津亜矢さんと一緒に「糸」をやらしていただきました。「糸」って聞いた時にね、糸でしょ、あの中島みゆきさんの。だったら私らの世代は生まれてこの方ずーっとどっかで鳴ってる歌。楽譜くれるって言うけど「いいや、要らないです」絶対音感もあるし、聞けば弾ける。もうそんなのは頭の中にダウンロードとインストールしてありますみたいな、それぐらいの勢いで大丈夫だろうと。

でも紅白って、リハーサルを何日もやるんですね。こんなにいらないのに。島津さんもすごいし大丈夫ですって思ったんだけど一応やるかって思ったら、ちょっと様子が違う。2日目以降のリハーサルで、私らの後ろでストップウオッチで測ってる。 「演奏は素晴らしかったんですが、昨日のリハより5秒長いです」 「5秒ダメ?」って言ったら「紅白は長い生放送なので、できればリハーサル通り1秒の狂いもなく演奏してください」無理無理無理無理、にんげんだもの、絶対無理。

そりゃ10秒20秒の誤差、盛り上がってんだもの、1分ぐらい出てきますよ音楽なんだから。 要は音楽のテンポを決めるの私なんですよ。完全に。私が決めたテンポで島津さんが気持ちよく歌うという構図なので、私が弾き始めるテンポで時間かかってる。だからもう上手く弾けばいいだけなら楽勝だったんですけど、時間通り弾くのやったことない。結局そこから1週間猶予があったんですけど、本番まで。もうずーっと変なプレッシャーに追いかけられて。 いまスマホメトロノームダウンロードできる。それにイヤホンつないで、何やるときもメトロノーム聞きながら。歩く速さも。それぐらい叩き込んで。

当日、もう1回メトロノーム聞いて。そしたら1秒の狂いもなく出来たんですね。やっぱできんだ、こういうことできるんだ自分って。

本番待ってたらスタッフが来て「島津さんがお呼びです」急いで行ってみたら、歌怪獣なんていわれてんですけどすごい緊張して、目がうるうるして。ほっぺなんかチーク塗ったみたいに。それは塗ってたんですけど(笑)弱々しくなって、助けてあげたくなって。 「直前にごめんなさい、あの、ご相談なんだけど、横の糸は私、の後にら~り~り~ら~り~の、り~の音を伸ばしたいの....」 正直島津さんはいいよね、時間関係なく延ばしても(笑)気持ちよく歌ってりゃいい。私は釘刺されてんの、時間守ってって。伸ばすなんてダメですって言おうとしたらうるうるしちゃって「ダメですか」そういう目を見ると男は馬鹿ですね「やりましょう」言っちゃった。 結局やることになって。一人スタッフを捕まえて 「すみません、今しがた島津さんからご相談を受けまして。のばしたいっておっしゃる。でもそんな大げさなことじゃない、いったって1秒行くかどうか。ちょっとのばす。音楽的にもセンスがいい。一応お話しておこうかなと思って」「いえそれは、立派な変更です。それは総合演出の許可がいります」 インカムで連絡できるようになってるからスタッフが「すみません、糸を清塚さんが伸ばしたいとおっしゃって」いや俺じゃない俺じゃない(笑) だからピアニストが紅白出るの嫌だった。初出場でめんどくさいアーティストだと思われたくないし...

3~4人ぐらいのスタッフがわーっと走ってきて「変更、ダメ、ゼッタイ」ダメ、ゼッタイなんていじめのポスターでしか聞いたことない(笑) 島津さんに伝えなきゃいけない「ダメって言われました」すっごい落胆して「残念だわ、じゃよろしく」なんで俺がこんな思いしなきゃいけないんだ。 でも前向きに考えれば元に戻って良かったと。

※このあと舞台裏でプラマイゼロの提案を島津亜矢がしてくる....w本番は島津亜矢ガン見しながら弾いたのね。1秒の狂いもなく。楽屋までスキップ。 LINEに「最後カメラ目線で変だったよ。出しゃばりのピアニストみたいだったよ」

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