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【抜粋・感想】SWITCHインタビュー達人達 糸井重里×中井貴一 ボーイズトーク

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中井貴一から見た糸井重里の印象

うつけ者

中井:何者ですかねえ、しっかりした「うつけ者」でしょうね。何が出るかわからないおもちゃ箱みたいな。 自分のポリシーがしっかりなければ、ああいう人生は歩めない。これは面白そうと思うことはできるけど、意外と一歩踏み出せない。糸井さんは簡単に一歩を踏み出せる人。羨ましいというか憧れ。
糸井:そう見えるだろうな...人から見ると、遊びを仕事にしていると思っているのでしょうね。ねらいは、見えている通り。自分としては「それはそれでなかなかね」と言いたいところなんですけど。そっか・・OK!(笑)

うつけとは 元々「からっぽ」という意味。転じてぼんやりとした人物や暗愚な人物。常識に外れた人物。奇矯な振る舞いにより「うつけ」と呼ばれるだけで、実際は暗愚ではない。織田信長は「うつけ」と呼ばれた。

ほぼ日の現場が登場。サラメシに糸井さんが登場した時のVTRや、ジャムおじさんの試作会議とかも。部署ってくじ引きで決めるの??固まらせないためだって??

中井:一番すごいと思ったのは、社員との垣根が低い。社員がみんな糸井さんを好きに見えた。実際わかんないけど。僕はサラリーマンになったことはないですけど。彼らがすごく仕事を面白がってる。それが羨ましくって。
糸井:たぶん、自由の問題のような気がするんですよ。楽しいオフィスを作って「さあ楽しめ!」と言ってるわけじゃない。切り株一つあった時に、そこに座ろうがちゃぶ台にしようが「俺が決めた」ということは楽しい。赤ん坊から動物からおじいさんから、そうやってる時はみんな生き生きしてる。「これちゃぶ台なんだから座っちゃダメだよ」と言われた時、もし腰を下ろしていたら辛くなりますよね。辛くなるのは、ない方がその人らしく生きられる。
中井:会社をやる上での心得は?
糸井:特に決めてやってることじゃないけど「こういうのはあったら嫌」ってのはある。「上司がいておびえているような会社」があったら嫌ですよね。もしかしたらドラマ書く人、脚本家が「会社ってこういうもんだ」て思ってドラマ書いてんじゃないですかね。
中井:汚染されてるんだ。
糸井:そう。実際社長やってる人達が、社長だからってみんないうこときいてくれてる訳じゃない。
中井:そんな、そっくり返ってるわけじゃない人もいるし。僕のスポンサーになってる人はそんな人いないです。 
糸井:居心地悪いでしょう。ふんぞり返ってる方が演じてるみたいになっちゃうから。多分フリーの時の方が、多少いばんなきゃならない場面があった。
中井:イトイさん、自分、何者だと思いますか?
糸井:難しいですね
中井:埋蔵金をお探しになってた時期が・・埋蔵金=糸井さんというイメージがあって。「日本の政府も、糸井さんが探してる埋蔵金を勘定に入れてるんだ」ずっと思ってた時期が(笑)どこのプロジェクトで穴を掘ってんだろうと。
糸井:それは貢献しましたね。世の中を面白くしましたね。ああいうことはやりたいと思ってやったわけじゃない。「面白そうですよ」と誘いをあった時に引き受けたりしてた。あまり面白くない奴は途中でやめるけど、最初「ここまでは確か」っていうのが出てこなかったんですよ。

「便利になる」ということ

中井:トイレ入るじゃないですか。内側の壁にね「流れませんので後ろの・・(レバー)を押してください」と書いてあるわけ。それ読むたびに、世も末だなと思う(笑)だってさ、トイレなんてさ、流すのが当たり前なわけでしょ?それをさ、全部自動化することによって進化してるのかなと思うと、確実に人間自体は退化していると思う。
糸井:便利っていうのは「グラマラスな女体」とか「口元がアヒル口で可愛い」とか、そういうのと同じようなもの。その..おもしろがればいいんじゃないかな(笑)ほとんど縁がないじゃないですか。流れるということと俺との関係ってあまりない。そこは「流れるよ」っていう・・
中井:そっちに感動したほうがいいわけよ。
糸井:面白がってて、みんな飽きて無くなった時「無くなったな~」
中井:ふと思ったのが、扉に書く書き方。「流れませんので押してください」と言われると、退化しか考えない。「ちょっと後ろを振り向いて。そこには何が見えます?」とかなんか書いてくれると「流れるんだ」っていう・・

あなたにとって人生とは

中井:僕は人生ってユーモアだと。
糸井:まえ、詩人の会にゲストで行ったとき、ふと 「この人たちから税金の督促状が来たら嫌だな」と思ったんですよ
中井:なんでそんなことを思うかわからん(笑)
糸井:味もそっけもない文章のおかげで、成立しているものが世の中にはある。決まり文句中の決まり文句で書いてあるから、払わなきゃなと思う。
中井:バカじゃないの(笑)それが、督促状が詩的な文章で来たら嫌だということでしょ?
糸井:「流れません」も餅は餅屋っていうか、つまんなく書かないといけない場所っていうのがあるんです、多分。

中井:韻を踏んでる督促状が嫌なんでしょ?
糸井:それとか、読んでるうちにいい気持ちになって「人間愛を感じる」督促状が来たら嫌だと思う。「嫌だけど守りましょうね」というルールを書いてあるんで、その場合には一番つまんない文章がいいんでしょうね。つまんない物ってつまんないよね。

伝えたいこと

糸井:あるひとが「60過ぎてモテた時は、それは同情だ」名言だなと思う。どっかで「私 何かを飲み込んであなたのそばにいるのよ」って感じがするんでしょうね。  今の中井さんだったら、そばに26歳のひとがいても同情じゃなく、好きなんです。60になると、同情なんです。で、60になったけど、あんまりピンと来なかった。65になったら「あ、60代になった」と気がついたんです。いつもそうなんですけど、1970年代は75年に来る。80年代は85年に来るんですよ。真ん中になって「この年代はさぁ・・」ってなる。5年の蓄積があってその10年間が語れるわけ。中井さんは今53だから、50代をわかってないわけ。
中井:伝えていく姿勢に入ったじゃないですか。何を伝えたいですか?
糸井:やさしくありたいんだな、と。言葉としてすごく恥ずかしい。「愛を持って」と同じぐらい。色々な人に問いかけたら、必ず、やっぱり優しくされると嬉しいんです。 ただ「やさしく」と言っといて、力にならないと困る。「やさしく」に対して「つよく」が要るんじゃないか。「やさしくよわく」でもろとも倒れちゃったらおしまい。「つよく」実行力。言った以上やる。つよくは必要。ずっと景色が同じだったらつまらない。「おもしろく」うちの社は僕が死んでから生徒手帳みたいなものが配られて
やさしく つよく おもしろく 
と書いてある。そういう会社であればいいのかな。僕がいなくなったら、優しくないこともあると思う。そういうときに開いて「やさしくだよ」「そうすると”つよく”に関わっちゃうんだけど」「そういう時は”やさしく”が上だよ」って誰かが言う。「そうか、わかりました。ちょっと弱くなるけど利益も出ません。」みんなで笑っておもしろくする。クジラに潮を吹かせるよりは、サンマをクジラの大きさまでにするとか、口からでまかせでもいいんですけど、そういうアイディアが稼ぎ場所。

   
多分カットになった箇所があると思うので、全部イトイさんのほぼ日で披露していただいてほしい・・