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SWITCHインタビュー達人達 中井貴一×甲斐よしひろ 着崩しとサラメシ

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中井貴一

役者には正解がない

甲斐:「記憶にございません」観た時驚いたんですよ。この年齢でキャリアハイなんだって。ここで最高の演技が来るんだと思って。

中井:結構マニアですよ(笑)見ていただいてるなあと思って非常にうれしく思っております

甲斐:自分が出た作品って、向き合ってどんな風に

中井:役者やって40年経つんですけど、まだ初日の前って眠れないんです。何が一番眠れないってことの緊張に起因しているのかっていうと、その日の第一声で映画一本の声のトーンが決まるからなんです。ですからセリフのトーンだったり、話し方だったり。僕たちの仕事って正解がないので、ギリギリまで迷うんですね。一番どこかで恐怖感を覚えるのが第一声なのかもしれないですね。役者さんにもいろんなパターンがいて、自分の出たものに自信が持てる人と、自信が持てない人。僕はどちらかというと自信が持てないタイプ。正解がないてので、頭に描いていた3パターンの芝居が残っている。チョイスの1パターンで撮って、監督がOKを出してくださっているんですけど「あっちのパターンでやってたら違ってたかもしれない」っていう風に見てしまう。だからぼくは、絶対に公開日を過ぎたら、自分で映画館に観に行く。それまでは(試写で)見ないことをつらぬいてるんですね。なぜかっていうと、僕たちはキャンペーンがあるんですね。宣伝期間があって。皆さんに見てくださいって。頭の中でそういうパターンで見ちゃってるから「見てください」って言えなくなっちゃう(笑)結果こっちのほうがよかったのにな、見てくださいって言ってごめんなさい、ってなっちゃう。見ないと無責任でいられるんですよね。だから、いかに自分が無責任でいられるかって時間を、キャンペーンの時間に充てたいので、公開初日までは見ないってことにしてる。

着崩しとサラメシ

中井:「着崩し」は楽にする方法なんですけど、きちっとした着方を知ってるから着崩しになる。ただだらしなくなるっていうのが自分の中にあって。きちっと着る方法を自分の中で定義として持とうというのは持っているんです。世の中の流れに乗っている人たちに安心感を覚えるんですけど、僕はそれが昔っから好きじゃなくて、じゃない方にいる。それがサラメシのナレーションとか、結構ずらしてく。最初にもらった原稿よりもずらしてく。残さなきゃいけないもの、ここを削ったらだらしなくなるみたいなことは避けよう。

甲斐:型破り理論みたいなものですね。型を知っていないと破ることもできない

中井:そうですね。だからどっちかっていうと俺は破るほうに動いている。本人は正統派ではないと思っていて。もともとサラメシっていうのは、サラリーマンたちが家に帰ってきて、パチッとテレビをつけたときに「次の日の昼」をやっていて、なにかこう「明日も」と思えることをやってて。今から11年前なんですけど、5パターンぐらいの読み方を考えたんです。夜中だったので夜バージョン、それよりもちょっと明るいバージョン。待てよ、それよりも皆さんを明るい昼バージョンに戻すというトーンでやってみたらどうかなあと思って、ブースに入って「夜中を昼に戻す」パターンで読んだんですよ。そしたら「それでいきましょう」ずーっと11年それになって、午前中撮影してんですけど、つらいつらい(笑)朝からあのトーンって、舞台やってたり、わりと重い撮影もあるんで、あのトーンに一回するのがとっても大変。歌を歌ってらっしゃる...最初から高音のキーにしなきゃいけないんで

甲斐:そんな最初っから張れないですよね

中井:3日前に原稿もらうんですよ。まず下読みして、映像見さしていただいて、映像に最初合わせて、変えるところは全部変えて、次の日声撮りするんですよ。

甲斐:ぼくらライブじゃないですか。一発勝負じゃないですか。こういうトーンで行く感じだけ決めるんですよ。どの声でいくんだというのは、恐怖感ありますよね。話聞いて「え、そんな緻密な話なんだ」僕にはすごく緻密な話にしか聞こえない。すごいなあって。

甲斐よしひろ

バンドが続く鍵

甲斐:僕がリーダーだし、メインボーカル。だから、コンサート一本やるときはどういう方向でどういうトーンでその一本を初めて終わらせるかってことしかない。完全に背中を見せるしかないですよね。その代わり、間奏になった瞬間、バーンとリードギターが出てってうまくいく。引っ込みながら動き回るみたいな

中井:でもそのリーダーに優しさがないと。ずーっと自分が前に出てる人もいるわけだから

甲斐:いるでしょ。いますよね。2,3人とっさに浮かびました。

中井:い、いや言わなくていいです

※福岡出身よね?ヒント:同郷