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100分de名著 三木清 人生論ノート #3 孤独や虚無と向き合う

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虚無=人間の条件

どんな方法でも良い。自己を集中しようとすればするほど、私は自己が何かの上に浮いているように感じる。いったい何の上にであろうか。虚無の上にというのほかない。
事故は虚無の中の一つの点である。この点は限りなく縮小することができるのである。

生命は虚無でなく 虚無はむしろ人間の条件である。

(中略)
それなしでは人間では考えられないものである

海と泡にたとえている。さらに、人間には形成力が必要であると考えた。

虚無からの形成力

伊集院:番組始まって以来の難解なくだり。
岸見:人間は泡や波のような存在で、非常にちっぽけなんですね。それに対して、あまりに海が広大すぎて、生きていくことに絶望するような徒労感・無意味感に襲われる。でも生まれてしまっているという事実もあるんですね。我々はもはや「存在する」という事実から逃れることはできない。だったらな何とかして、生きていく意味を作っていかなければならない。それが「虚無からの形成力」なんですね

人生は形成である。たとえ無意味な人生であっても、自分で形成していくしかない。同時に、社会の変容で形成が難しくなったとも述べている。現代は無限定な世界に住んでいる。個性を形作る関係が無数にあり、アノニム(匿名)な存在になっていく。

確かに書籍としては古いけど、現代にも通じる新しい考え方。

混合の弁証法

形のないものからいかにして形を作るか。秩序を持って適切に位置づけると、虚無から脱出できる。
対立や矛盾を抱え込んだまま混合していく方法。異質的な考えを排除せず受け入れていくことが本質


どのような外的秩序も、心の秩序に合致しない限り真の秩序ではない。

秩序は生命あらしめる原理である。そこには常に温かさがなければならぬ

秩序は上から押し付けたり、型にはめるものではない。人格も自由も秩序。

価値多元主義の危うさ。ヘイトスピーチではなく、土台になるべき価値、価値体系の大切さ。何も価値観がないところに新しく、強力な価値観を植え付けるのは簡単だが
根源には「人間の尊厳」を認めるという価値体系が必要である。

人生論ノート (新潮文庫)

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三木 清『人生論ノート』 2017年4月 (100分 de 名著)

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希望について: 続・三木清『人生論ノート』を読む

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