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【まとめ】本当にすごい漫画2022 村田雄介が選ぶ「ピンポン」、魔夜峰央「怪盗こうもり男爵」「影狩り」

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村田雄介

松本大洋/ピンポン

映画的な画面作り

聞き手:東京ホテイソン

卓球って、ネタだけ聞くと画的な派手さが出しにくそうなんですけど、魚眼レンズみたいな。動きや物の大きさを誇張する見せ方。レンズを意識した絵を描くのがすごく新しかったんですよ。奥に球が飛んでってるシーンなんですけど、銃弾みたい。この勢いと手前の手の大きさで迫力マシマシ。

たける:今にも攻撃するぞ感がすごい見えますね。平面で描くのと全然違います

間の取り方のカッコよさ

ドラマ的に物悲しいシーンがあっると、そのコマの後に寂しく鳥が鳴いてるコマが入ったり。そのテンポの取り方、間の作り方が独特でかっこいいんですよね。アクマ(ライバルキャラ)途中でスマイルに完敗して挫折しちゃう。才能のなさを嘆いて「飛べねえ鳥もいる」淋しくつぶやいた後「キィッ」鳥が鳴く。このシーンの間の作り方が独特。すごい新鮮でかっこよかった。これでこの話はおしまい。ここで終わらせるって、連載漫画としてすごい勇気がいる。確かにこれが入ってると寂しい

たける:納得しちゃいました
ショーゴ:締まるよね

アイシールド21の立体感

ショーゴ:どこまで村田先生が携わるんですか。

村田:稲垣先生の時点でネーム。コマ割りもして、セリフの指定もあって、そこまでデザインされてるんです。僕が手を入れて「、打ち合わせの段階で「このキャラのここが大事とかの勘所も指導されて。僕はずぶの素人だったので、1から稲垣先生に教えてもらって育てていただいたんです

ショーゴ:シールドから見る目線がすごいんですけど、レンズを意識してるんですか
村田:そうですね
ショーゴ:立体的になってる感じがすごいある
村田:臨場感を出すために「シールド通してこう見えるだろうな、映り込むだろうな」意識して(ピンポンの)影響は受けてます
ショーゴ:レンズから見る発想がないから

鳥山明/ドラゴンボール

一番特筆すべきなのは、どんなに入り組んだバトルになっても位置関係が混乱しない空間性・奥行きがある。バトルの背景はだいたい荒野とか田舎。バトルの最中カメラが切り替わると「あれ、コイツの後ろには何かある?」物がはっきり描かれてないと、位置関係が混乱するはずじゃないですか。街の中で戦ってるならいいんすよ。建物とか基準になるものがあるので混乱しないはずなんですけど。ナメック星とか行くと、どこに行っても背景が一緒のはずなのに、どんなにバトルが激しくなっても混乱しないんです。だいたい岩と水の背景の連続なんで「フリーザを倒したぞ!」ていうのは、見てるメンバーの後ろからフリーザが登場して、バトルが展開していくんですけど、位置関係が混乱しないんです

たける:東京で戦ってるんだったら、東京タワーを目印にカット割りしていく。なんもないところなのに、しっかりわかるように描いてる。村田さん的に、それは何でと思いますか

読者の視線の流れ、目の動きも計算した上で描かれているからだと思うんです。順番があると思う。

※かめはめ波も、視線を誘導する方向に描いている

たける:真似しようと思ったらできます?
村田:それを今チャレンジしてますね。鳥山先生だけ違う次元で戦ってる(笑)いまだに鳥山先生レベルの才能の持ち主、出てきてないんじゃないか。

曽山一寿

吉もと誠/ウソツキ!ゴクオーくん

聞き手:なすなかにし

20年間すべてのコロコロコミックの中で一番面白い。ウソツキを噓で倒す。ゴクオーくんの正体はエンマ大王。ウソツキたちの下を抜いていく。抜かれた人は本当のことしか言えない。僕が好きなのは、うそをつけなくなって、本音しか言えなくなった人たちの人間臭いところ。人の本音はきれいごとじゃなく、自分勝手なところ。

身に覚えがある。

クラス対抗縄跳び記録会。雨地くんが飛べなくて、クラスの足を引っ張ってしまう。仮病で「僕抜きでやってよ」てんけー的な逃げ癖のウソだな、嫌なことからどんどん逃げる。中学になっても大人になっても老人になっても。ゴクオーくんが「なんて未完成で、計画性もなく自分に都合のいい、害にしかならねぇ噓だ」雨地くんの舌を抜くと「ぼくだってみんなといっしょに1位を取りたい」うそを全部取っ払った時に本音が出てくる。別のクラスからは罵声、自分のクラスからは歓声。結果は2位。もしあんたが悪口のほうを選んだら、その先の人生は...

芸人の方でも「みんなの笑顔が見たいから俺はお笑いをやってる」でもほんとは自分がちやほやされたい

北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝

大前提なんですけど(原作の)北斗の拳は絶対に読んでください(笑)
TVドラマがオリジナルの設定。数々の名シーンがどうやって生まれたか。こんな漫画の作り方があるんだ
北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝 3巻 (ゼノンコミックス)

小山宙哉

井上雄彦/スラムダンク

聞き手:サンシャイン池崎(ねこおじさん)宇宙兄弟大好き

小山:キャラクターの魅力。カッコ悪いところもちゃんと描いてる。表紙はかっこいいのに「ズッコーン!!」一番情けない顔から描いてる。信頼できる

池崎:感情移入しやすいですよね

小山:シリアスとギャグのバランス。ケンカのシーン。ヤンキーまんがみたいな。流川が反撃したり、相手を倒したりできるじゃないですか。宮城の緊張感があるシーンの時、花道が「のりおくれた...」

池崎:こういう一コマがあるとホッとしますよね

CoMax/SUGAR

親父のような人、口癖が「別な話」ふとしたセリフに同じ口癖が出てくる。尊敬してるからこそ口癖をまねてしまう。それによって尊敬してることが伝わる。それを漫画で描いている

春場ねぎ

血の轍

聞き手:高城れに

ゆがんだ愛。息子と母親の話。読んでる側からしたら他人事。むしろ美人な母親でうらやましいと思いながら読んでたんですけど、3巻あたり、息子の中で母親への違和感が大きくなる。母親を家の外から見るシーン。今まで美人でやさしい母親だと思ってたんだけど、全然知らないおばさんみたいな描かれ方をする読んでるこちら側も当事者にさせられた。今まで読んできた母親は、息子と同じフィルターで見るようになる。めちゃめちゃ白い。インクが使われない話もあれば、真っ黒な話もある。その時の主人公の心情によってここまでグロく描けるのか

Dr.STONE

五等分の花嫁に影響を与えた。全人類が石となった世界。毎週必ず読みたくなるストーリー構成。目指すべきところ。マンガ読んでて、読まなくなっちゃうことがあるじゃないですか。話進んでないなとか。距離置いちゃうけど、これは毎回何かしら発明してる。※花火のシーンを参考にしてる

つくしあきひと

神々の山嶺

全部読み終わるころには映画の大長編を見たような。こういうのが描きたくて描いてる

金剛寺さんは面倒臭い

思わず笑っちゃうぐらい自由すぎる。ナレーションがめちゃくちゃうるさい。とげとげしゃべってる。マンガの持ってる可能性とか可能性を信じてる

メイドインアビス

聞き手:渡邊美穂「ミーティーのシーンは何度見ても泣く」
つくし:Amazonレビュー、★1で「3巻のナナチとミーティーの話を忘れられるなら、私は5万円までなら払う」

魔夜峰央

聞き手:井上裕介
魔夜:昔所沢に住んでました。ですからね、所沢はいい思い出ではあるんですけど、非常につらい思い出もあり(笑

井上:そういう窮屈な思いも含めて「翔んで埼玉」ができた

魔夜:はい、うっぷんが詰まっています(笑

「怪盗こうもり男爵」飛鳥幸子

魔夜:私が中学生のころじゃないですかね。
井上:ジャンルで言うと少女漫画

魔夜:とにかくおしゃれ。当時としては信じられないくらいオシャレ。その頃の少女漫画って割と暗い話。お涙頂戴物も多かった。母子ものとか。その中で洋風な世界観を打ち出してきた。花を前面に描くのもこの時代から。それまでの少女漫画にはなかったと思う(さよならすべてぼくがあいしたもの、というコマで)こんなところで花が出てくるわけない(笑)

井上:もしこの作品に出あってなければ「パタリロ!」また違った作品になったんですか

魔夜:漫画を描いてたかどうかわからない

第一次世界大戦当時。悪人から物を盗み貧しい人に与える、正体不明正義の怪盗こうもり男爵。

「マリイ・ルウ」西谷祥子

魔夜:絵をとにかくマネしたいと思って、寸法測ったんですよ
井上:定規で
魔夜:目と目の距離、鼻まで...なんとなくきれいな絵が描けるようになったのはそのおかげ

井上:なんで少年漫画じゃなく、少女漫画を描こうと思ったんですか

魔夜:このころからもうちょっと後の少年漫画って、めっちゃくちゃ汚かったんですよ(笑)絵がガッチャガチャ(笑)
少年漫画のあまりの汚さに目が受け付けなくて、余計に少女漫画にひかれた。汚い男なんか見たくない(爆笑)

「影狩り」「無用ノ介」さいとう・たかを

魔夜:自分より下手な人の漫画は読もうと思わない。自分よりうまい人のまんがは、腹が立つからなおさら読まない。降参するしかない。一匹狼(無用ノ介)、3人組(影狩り)。両方とも別のカッコよさ、迫力がある。

井上:すごさはどこですか

魔夜:全部でしょう。絵がかっこいい。ものすごくレベルが高い作品。絵、ストーリー、全部含めてすごい。あのねぇ、荒っぽいようで、汚くない。上品。男らしい迫力がありながら上品。このレベルには到底たどり着けない。降参するしかない。あこがれてます。このレベルに達してみたい。ゴルゴだったら、洋服のしわの描き方。さいとう先生の影響を受けてる。型のしわの線はなかなかきれいに描けない。女性がスーツを描くとそこがネックになる

井上:最近のまんがは読まない?
魔夜:この10年ほど全く読んでません。自分より下手な人のまんがは読もうと思わない。

井上:やめようとは思いませんか
魔夜:辞めようとは思いません。普通に息するのといっしょ。真っ白い原稿に血ィ吐いて死ねたら最高
井上:編集者迷惑ですよ
魔夜:まぁ、みんな迷惑する(笑
※映画は石原裕次郎版、仲代達矢版あり

このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 (Konomanga ga Sugoi!COMICS)

パタリロ! 104 (花とゆめコミックス)