2か月前にオファー
なぜ私はNoと言えなかったのか。
ヨシタケ 2か月前にお話いただいたんですけど、普段僕ちょっとこういうの苦手なんですけども。1ヶ月に1回、5分間ぐらいポジティブになる瞬間がある。たまたまこのお話いただいたときにですね、その5分間だったみたいで。いけると思っちゃったんですよね(笑)そっから2ヶ月、ずーっと下向いてましたね
大吉 今日が終われば、全てが終わりますので。8割型ネガティブ。悪循環加速機。きっとダメだから始まって、やっぱりダメだ、もうダメだ。ずっとグリグリ...
華丸 救いがないじゃないですか
ヨシタケ よくこんな肝っ玉でやってこれたなっていう(笑)自分でもびっくりしてます
華丸 意思決定までのプロセスが
ヨシタケ どうすれば人に怒られないようになるか。最終的に誰かのせいに出来るっていう確信を経た上で(笑)最終決定に至るっていう
華丸 でも作品に関しては前向きに取れるんですけどね
ヨシタケ 僕自身がネガティブな物の考え方をするので、逆にどうすればポジティブになれるんだろうってことを必死に考えなきゃいけないんですね。スケッチだとか絵本だとか見てくださった方が「楽しいことばかり考えて日々生活して、楽しいんじゃないですか?」て言われるんですけど、逆で。必死で楽しいことを自分で、世の中捨てたもんじゃないよねって言い聞かせ続けないと。
スケッチファイルが時系列に80冊並ぶ。満ち足りてる時は描かない。あす締切なのに何もできないとか、奥さんに怒られた時にたくさん描く。現実から逃れるために一生懸命おもしろい事を考える。たくさん描く日は辛い日なんですね(笑)
欲が出ました
スケッチについて
「思わず考えちゃう」が思いのほか読んで頂けて。出版社編集者の方に欲が出たみたいで(笑)第2弾いけるんじゃないかと。スケッチについて僕が普段何を思っているのかとかが一冊にまとまった本。
解説
サァ!今日も元気に顔色をうかがっていこー!
ヨシタケ 自分に影響力がある、決定権を持つ人が、今日機嫌がいいかどうかということだと思う。今日もちゃんと顔色を伺っていけば平和に過ごせるんじゃないか。僕も日々考えているので
大吉 思ってはいても口に出さなかったことを宣言していこうと
華丸 ごきげんようの原点みたいなもの
ボクはこの世に100年ぐらいしかいないんだ。期間限定なんだヨ!
ヨシタケ 普段何気なく過ごしてるけど、実はカウントダウンしながら生きてることを思いついて
大吉 寿命よりも期間限定って言ったほうが前向きになれる
ヨシタケ 言い方ひとつだなあって
情報がいい感じに抜け落ちたモノに気持ちが高ぶる。想像力をかきたてられるものが好き。考え始めると仕事が手につかない。
絵本について
自分にとって面白いことをやる
絵本はお子さんが読むんですが、レジに持っていくのはお父さんお母さん。同じものをお子さんも楽しめるし、読んであげるお父さんお母さんおじいちゃんおばあちゃんも一緒に楽しい方がいい。それぞれの年代に楽しいものが入ってたほうが、商品としてお得じゃないかな。なるべくいろんな世代が喜んでくれる可能性のあるテーマを選びたいなと思ってる。どの絵本にも言えることなんですけど、人が何考えてるかとか何が好きか、結局その人にしかわからない。自分にとって興味のある、面白いことをやるしかない。僕が子供の頃読んでて「これつまんねーな」と思ったようなものは作りたくない。小さい頃の自分を喜ばす、小さい頃知りたかったことに答えになっているかどうか。わかるわかるって思ってもらえるような。
「せなかってかゆいのにてがとどかないよね」「手ってぶつけると痛いよね」「おかあさんにぎゅってされるとうれしいよね」人の体から出てくる気持ちが絵本の中に入ってたら、大人でも子供でも、外国の方でも昔の人でもみんな同じように思ってくれるはず。体が嬉しかったり気持ちよかったりしたことを大事に、作ってます。
絵本ってすごく表現の幅の広いメディア。ちっちゃい子が読んで、ある程度意味の分かるものだったら、いろんなことやっていいし。オチがあるものだとか、あってないような絵本とかいっぱいあるんですよ。でも大人って納得しないと買ってくれないけど「意味わかんないけど面白い」ってのが子供にはあるんですね。大人は起承転結がはっきりしてないとつまんないってなっちゃう。お子さんは「なんかわかんないけどまた読みたい」「難しいんだけど絵が可愛いからまた見ちゃう」すごく自由。売れてるからとか大御所だからって理由抜きに、自分が面白いと思うものは最後まで読む。どんなに素晴らしい絵本でも、自分がつまんないと思ったらすぐ閉じちゃうんですよね。一番飽きっぽい方々
お気に入りの本
やっぱりおおかみ/佐々木マキ
ほんとうは1ぴきだけいきのこっていたのです。どこかにだれかいないかな。なかまがほしいなあ.....け!
最後のページの意味がわからなかった。大学生の時に「すげえ!」と思って。いつ読むかで本から受け取るものが変わる。それぞれ違うものが得られる。
はなのあなのはなし/やぎゅうげんいちろう
はなのあなは おおきさやかたちが いろいろある
すごく語り口が優しい。子どもの側に降りてきてくれる。信用できる大人のイメージ。読んでて気持ちいい。このおじさんの言うことだったら次のページめくってあげてもいいなって。知識を与えるよりは、踏み込みすぎないバランス。子供の目線でモノを見てるっていうのが、子供にも敏感に分かる。
おすすめ
いしいひさいち選集
※あさイチでは1巻「存在」を紹介。
中学生の時に読み、笑いのところで影響を受けた。毒も出し方による。
冬のUFO 夏の怪獣/クリハラタカシ
すごい好き。センスと世界観。クリハラさんになりたい。ちっちゃい頃読まなくてよかったな。この本の面白さがわかる人と友達になれる。理屈じゃない表現。発見がたくさん散りばめられている。