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【抜粋】SWITCHインタビュー達人達 ブレイディみかこ×鴻上尚史 多様性 実行可能なアドバイス 

今の日本

社会に対する信頼が足りない

鴻上 今回の本を読んで面白いと思ったのは、多様性は受け入れなきゃいけないんだけど、それがどんだけ難しいか、具体的なことがいっぱい説明してる。日本も実はそういうふうになってきてるんだけど、未だに日本はみんな仲良くとか、お友達同士団結しましょうとか絆とかね。

みかこ やっぱりびっくりしたのは、23年向こうに住んでるじゃないですか。23年てすごい長いですよ。日本て、帰ってきてもあんまり変わった感じがしない。これがすごく珍しいっていうか。経済も。だいたい23年間て物価とかすごい上がるのに賃金もあがってないし。竜宮城の浦島太郎(笑)

鴻上 怖いんだと思いますね。つまり、どこに変わっていっていいかわかんない。変わらなきゃいけないとはなんとなく思ってるけど何処に向かっていいかわからないから、とりあえず今守っとこうか。

みかこ 台風が来たじゃないですか。避難所で断られたホームレス。実はイギリスでもニュースになった。BBCかな。うちの息子が言ったのは「日本の人は社会に対する信頼が足りないんじゃないか」
鴻上 いい言葉だ

みかこ もし自分がここで「嫌です、入れられません」言った場合に、ホームレスの方はそれからどうなるんだろうて考えた場合に嫌じゃないですか。嵐の中でその方どんな目に遭われるかわからない、もしかしたら命を落とされるかもしれないと思ったら、それって、個人が背負っていくにはすごく重い。本当に自分の事を考えるなら「いいですよ」って入れちゃったほうが楽。でも入れられなかったのは避難所に来てらっしゃる方とか、あるいは自分が所属している組織の人たちは入れないほうがいいだろうと思ったから言う訳で。個人として考えたら、誰かの命として責任を負うことはしないはずだと、息子は言うんですよ。
鴻上 賢い息子さんですね

みかこ 周りの人が嫌だっていうのに違いないっていうのは、あまりにも社会への信頼が足りない。

鴻上 ブレイディさんの本が売れてるのは、すごい希望だと思う。どうしたって多様性に進むのは止められない。その時にどうやって関係をつないでいったらいいんだろうっていうのは、みんな探してると思うんですよ。

エンパシーとアビリティ

2019本屋大賞ノンフィクション部門。46万部。
【エンパシー】
対象に制限はない。自分と同意見であろうとそうでなくとも、その人の立場なら自分はどうかと想像してみる能力のこと。
【アビリティ】物事が上手にできる能力

エンパシーとは - コトバンク
https://biz.trans-suite.jp/9638 

鴻上 見ている方向とか、目指しているビジョンが近しい。

なぜ保育士になったのか

みかこ 子供ができるまでは嫌いだったんですよ。でもできると、人間は環境の動物っていうけど、本当に環境次第なんですよね。私たちって、自分でなんでもできるようになった気がするけど、大人になったら。本当に教えてくれないと、誰かが見ててくれないとトイレだってできない。これはすごいなと思ったんですよ。この時に大人が果たす影響力は大きいなと思って。こんなことほかにないんじゃないかと思いましたね。

鴻上 なってみたら面白かったわけですか
みかこ こんなに面白いことはない。資格を取って保育士になって。普通の保育所じゃなくて無料の託児所だったんですよ。貧困地域にあって。ソーシャルワーカーとか絡んでるような家庭、ちょっと問題のある家庭の子供もたくさん来ていました。そういうとこで働いてくうちに「保育士になって未来の子供たちを育てている、小さな範囲かもしれないけど社会を変えることだよね」と思ったんですよ。

鴻上 一番の問題は貧困ですか。多様な人種がいて差別があるとかってことでは
みかこ 託児所も変わったのは、資格を取った頃は英国人の貧しい方々が子供とともにこられてたんですけど、だんだん移民の方が増えていくと、なにか軋轢が生じて。移民の方が多くなったりとか。黒人の方がだんだん来なくなったり。顔ぶれがだんだん変わってきましたよね

ワイルドサイドをほっつき歩け --ハマータウンのおっさんたち

ワイルドサイドをほっつき歩け --ハマータウンのおっさんたち

劇団の運営

具体的で実行可能なアドバイス

みかこ「がんばれ」多いですよね

鴻上 頑張れるなら相談しないだろ(笑)だから頑張れとか気にするなとか、気合を入れろとかね、そういう精神的なことじゃなくて、実行可能な、でもすごく具体的なことを、ちゃんと伝えられたらいいなと。40年ぐらいやってて、よく演劇をドラマにしたり漫画になったりすると、だいたいみなさん、稽古でいろんなことがあったんだけど初日で仲直りしたとか、幕が開いたでエンドマークなんですよ。だけど演劇やってる人間からするとそっから30ステージぐらいあるわけですよ。結局いろんなことがあって初日に仲直りして握手したけど、10ステージ目ぐらいにやっぱりあいつ嫌だとか、やっぱり許せねえとかが起こってくるんですよ。僕はだいたい全部のステージにいるんですけど「鴻上さんちょっと話がある」あ、きた!とか思うわけ。夜飲みに行きますか、あまり人がいないところでみたいな話になって。あの人とはやってけないとか無理です我慢できない、限界ですってなって。でもあと15ステージぐらい残ってるわけで「ま、気の持ちようですから」とか「気にしないで」なんて抽象的なこと言ってもしょうがないので「じゃああの人はうなぎが好きとか言ってたから、明日3人でうなぎでも食いに行きますか」要は具体的で実行可能なアドバイスするしかなかったんですよ。

みかこ(笑)みんな鴻上さんに聞いてもらいたいんじゃないですか
鴻上 言うだけでホッとしたりしますからね