シュレ猫
シュレディンガーの猫
思考実験をしたんですね。実際の実験ではなく頭で考えた実験なんだけど。結構猫は物理学の世界では有名なんですよ
世界は、認識の仕方で変わる。一匹の猫が生きていても死んでいても、不思議ではない。シュレディンガー以来、量子力学のパラドックスが語られるとき、主役は、いつも猫。
科学を知っている人が書けるって思うかもしれないけど、そうじゃないんですね。表現の世界。伝える事実は確かにある。なんだけど、表現が大切なんです。我々作家としてプロだし。だけどサイエンスとしては、一種、アマチュアサイエンス。化学者としての本を書くとき、一般の本を書くときとは逆で、化学者としてはプロなんです。でもサイエンスライティングとしてはアマチュアなんです。だから、論文と同じに書いちゃう先生、結構多いですね。それはやっぱりアマチュアだと僕は思うんで。そこはお互いプロの領域であった上でやってる感じではありますね。
We are シュレ猫
にゃあにゃぁ、オイラの名前はシュレ猫。元々、えらぁい科学者の論文に出てくる、お猫様だ。確率的に半分生きてて半分死んでる状態なのだそうだが、まぁ、頭が痛くなっちゃうので、とりあえずとらえどころがなく、不可思議な猫のことだと思ってくださいにゃ。
シュレ猫は変幻自在。毛色だって、グレーかと思えば白黒だし、ちょっと時間が経つとトラや錆色になったりする。眼の色もくるくる変わる。性別も年齢も変わるよ。
おいらはサイエンス作家の竹内薫と同居してる。この男、自分のことをベストセラー作家だと吹聴してるけど、ここ十年で一回しかベストセラーを出したことがない。作家ってのは、傍から見るより儲からないようで、年中ヒィヒィ言いながら原稿を書いてる。先週なんか、夜中に寝床からがばっと飛び起きて叫んだかと思ったら、またコテンと寝ちまった。どうやら悪い夢を見たらしい。
....薫の他に、奥さんと娘が同居してる。オイラのお気に入りは奥さんだ。薫は、猫トイレの掃除ぐらいしか役に立たないけれど、奥さんは、毛もすいてくれるし、汚れたお尻を、ティッシュで拭いてくれるんだ。......第二次産業革命とやらのせいで、サイエンス作家は、絶滅危惧種なんだって。だから、人前に出る仕事で頑張るしかない。でも猫と戯れている時は、リラックスできるって。失礼しちゃうわ。少しは猫にも気を使いなさいよ....

- 作者:竹内 薫
- 発売日: 2011/04/16
- メディア: 単行本

- 作者:竹内 薫
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: 新書
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