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【感想有り】ネコメンタリー 猫も、杓子も。保坂和志とシロちゃん

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15年間触ったことがない

カレンダーにはシロちゃんに餌をあげた時間を細かく記入。かつて18年8ヶ月、ハナちゃんを飼っていた。それまでにもたくさんの猫と暮らした。

15年もやってたら触らせたりできるはずでしょ。いくら時間が経っても距離が縮まらない。わかりやすく言うと、心の中にいるのかもしれないけど。もう少しわかりにくく言うと、本当にいるのかもしれないから......

シロちゃん

朗読は東出昌大

ハナちゃんが去年の10月に旅立ち、とうとう家の中に猫がいなくなった。
それでも僕が泣き崩れなかったのは、外にシロちゃんがいるからだった。
シロちゃんはもうすぐ15歳になる。最大11匹いた外猫ファミリー、最後の一人だ。子供の時は一番無邪気だった。仲良しのまあちゃんと一日中走り回って、うちの庭は草一本無い、つんつるてんになった。本当に姿が見えれば、必ず二人で遊んでいた。それが一人、また一人といなくなって、一昨年にはシロちゃん一人になった。
シロちゃんは寂しくて甘える?とんでもない。15年の付き合いになるのに、シロちゃんは未だに、僕にも妻にもさわらせない。シロちゃんは、塀の上でご飯の催促をする。去年の暮れには、僕が作ったハウスに入るようになった、というか、ほとんど一日ハウスの中。なのに、触らせない。最近は、手のひらに乗せたご飯を食べることもある。ただし、よっぽど安心している時だけ。

2001年ぐらいから清書も完全に手書きにした。そうすると楽しいんだよね。キーボードだと作業になっちゃうんだよ。手書きはフィールドスポーツ、サッカーみたいな感じ。本来人間が使ってきた思考のあり方と、猫、鳥の思考のあり方...それを思考と思ってなかったわけ。小説が思考の形態なんだ。「脈絡は無いけど、脈はある。ずっと猫の世話に明け暮れてましたんで、何故か今回、受賞作に猫は出てこないんですよね」

猫がこなくなった

猫がこなくなった

感想

「小説家は座業。体力を使う。だから走っている」8月5日のラジオで村上春樹が言ってた。70年代のドラマのようなBGM。うちの実家はもう10年以上猫を飼っていない。父の事でそれどころではなくなった。一昨年亡くなった叔父が、同じようにダンボールハウスを作り、猫のアジトになっていた。50年近く猫の絶えない家だったが、叔父が亡くなる前日、すべての猫が姿を消した。以来、なぜか法事の時だけやって来る。猫も悟るのだろうか。
またあれ(風邪)になっちったね、困ったな...そんなにオイチイ?

猫に対して赤ちゃん言葉を使うの、なんででちゅかね。猫カフェやねこ展で、自分ちのペットの名前で話しかけるん、どちてなんでちゅか。たぶん、多くの人は、犬に対してはきっぱりとした標準語なんじゃなかろうか。
なんでそこまで猫に入れ込むんですか、というわけじゃん。それおかしいじゃん。なんで猫だとそれ聞いてくるの?高校生に「なんでそんなに野球してるの?」誰も聞かないじゃん。高校球児に。みんな”どうして”を考えすぎなんだよ。ずっとやってるからしょうがいんだよ。←いいぞもっと言え、いや、言ってください。
猫に入れ込むのに理由なんてない。気がついたら、そこにいたんだ。野球だって、やりたいからやってるわけじゃん。ねえ坊主。
世界を説明するための入口が、おれにとって猫だから。