キネマの神様
父を語る
ギャンブルが好きで、家族に迷惑をかけるやんちゃな父だったんですけど、同時に映画がすごく好きで、時間があればすぐサボって映画館に駆け込んで。帰ってくると意気揚々と「今日見た映画は面白かった」映画評論家が話すよりも、私には面白かった。映画を薦めるのもうまいし。セールスマンやってたからトークも上手くて。娘に先回りしてあれやれこれやれ、言うような父で。私が大学の時にはアルバイトも見つけてきた。切符のもぎり。頼みもしないのにと思ったんですけど「タダで映画が見れるじゃないか、俺が行ったらちょっと入れてくれ」(笑)本もすごく好きで、官能シーンのあるページをわざと開いてたり。頭ごなしに本を読めというんじゃなくて、さりげなく提示するのが上手い人だった。
フーテンのマハ
エッセイ集の命名をしたのも父です。ニューヨークに長期で出かけることがあって。駅まで送ってくれたんですけど、餞別みたいなのを渡してくれたんですね。手紙が入ってて「お前は世界中を駆け回る、翔んでる女だ」
旅屋おかえり
素晴らしいドラマになった
書くにあたって取材をして回った旅先でいろんなんことを引き寄せちゃう。出会ったことがそのまま小説になった。安藤サクラさんが、私がいったところに全部行ってるのは不思議な感覚。来し方をもう一度見せてくれる感じ。
旅友がいまして、一度行ったところにまた行って。今回ドラマでもう一回行ってくれて
おすすめの本
美術の物語
大学入学のために勉強した。洞くつ壁画から現代アートまで、美術史の本。序章がお気に入り。本編は待ったなしで四千年の歴史が始まるので。置いてるだけで歴史の勉強した気分。図版もたくさんある。
東山魁夷/風景との対話
終戦間際に熊本に召集されて。爆弾抱えて突っ込んでいく練習を何度もさせられた。その時の上司と見た、なんてことない風景がパーっと胸に迫って来る。その時彼は生と死のギリギリのところに生きていた。もし命があって必ず帰れるなら風景を描こうと。
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44歳で作家に転身「アートは順調だったけど、本当にやりたいことがまだやれてない。アートを小説にしたい、漫画になるかわからないけど自分の創作の中に取り込もう」
SWITCHインタビュー達人達 指揮者大野和士×原田マハ 美術館の学芸員、アンリ・ルソー、楽園のカンヴァス - 別館.net.amigo