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【ETV特集】五味太郎はいかが? インタビュー「人生は冗談 」違和感こそ個人

人生は冗談

成し遂げるとか、価値ある人生みたいな感じを思い過ぎてるんじゃないの?責任感とか。わりと無意味な設定をあんまりしちゃったもんだから、なんだか暗くなっちゃったねえ、っていうのが人の歴史という気がする...そんなの無いような気がするんだよね。

人生って冗談だと思うよ、やっぱり。冗談を言いに生まれてきたんだと思う。

コロナのことでゲットしたのは、うがいの仕方。やっとわかったの、おれ。うがいの水をいっぱい入れすぎてたの。

かっこよく言えば批判精神。あるいは、文句つけるクセ。そういうのがおれであることは間違いないんだよ。ただ、批判感嘆(※批判過多?)は芸としてつまんない。俺のスタイルには成り得ない。

メッセージ発したくないもん。もう一回丁寧に喋ってもいいけれど、おれ、テーマを持って仕事してないのね。根本的な話かも知れない。
おれは、テーマを持って絵本を描く作業してないのね。嫌なのね。逆に言えば、ある作業した時に「このテーマなんなんだろう」探るのが好きなのね。
だからもし、おれがドキュメンタリー作っても、なんのドキュメンタリーだろ?っていうのを作りたい。テレビだったら。最後まで出てこなかったらボツにする。

実際やってて、予定調和じゃないやつのほうが全然面白いよ、ってのを体験してるから。まさに予定調和で作ってくやつの苦しさを感じちゃうんだろうな。それが悪いって話じゃないけど、やっぱり、面白くねえよな。結論が先にあるやつ。

きょう、5対0で負けるんですって決まってる野球は、面白くないよね。勝つにしても負けるにしても。テニスもどっちが勝つかわかんないところが面白いわけじゃない?ライブだよね。ところが、ライブっぽいことがじつはライブじゃないみたいなのがあまりにも多い。悪いわけじゃないけどおれがわざわざ参加しなくて済むんだから、参加してないだけの話。

かえるくんにきをつけて

かえるくんにきをつけて

きんぎょがにげた

あんまり思い出さないんだけど、深くはなかったよ。簡単にできたよ。
絵本の原則論だけど、よいこのためによいえほん、って、決まったのないからね。子供たちに良い絵本を提供したいという思いが、いっこもない。
これ書いた時も、結果、子供たちが反応するやつが多かった。

おれが書いたんだけど、よく知らないのね、こいつ。ふざけてんじゃないよ。きんぎょだし、きんぎょかどうかもよくわかんない。あ、そうですかって言ってる感じがこっちにはある。この関係性が面白いね。きんぎょをつくったのによく気持ちがわからない。ある状況の中で、こいつが、意思に近いものを持って動いているのが、明らかに分かるわけ。だから、次どこ行こうか、作者ときんぎょ、ふたりでやってる。どこ行きましょうか、ドアから出ますか、みたいな。もう少し隠れ方凝りましょうか、やりとりしながら作ってる。いまもいっしょ。探し出すのがおもしろい。どんなとらえかたでもいい、けなしかたでもOK。これは内容がないって言った人、うん、ないかもしれないし。歌つけてずっとライブやってた女の子いたけど。自分探しだって言ってたよ。ともだちがいないからさがしにいった、っていうのは、おとなが多かった。一匹=孤独。

きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)

きんぎょが にげた (幼児絵本シリーズ)

  • 作者:五味 太郎
  • 発売日: 1982/08/31
  • メディア: ハードカバー
The Goldfish Got Away (英語でたのしむ 福音館の絵本)

The Goldfish Got Away (英語でたのしむ 福音館の絵本)

  • 作者:Gomi Taro
  • 発売日: 2020/10/13
  • メディア: 単行本

絵本とか表現のルールとしては、それは読み手個人がやる仕事。つまり、51%のイニシアチブがあって、出版てのをやる。49%は読み手の仕事なんだ、よろしくお願いしますって感じはすごく持ってる。いちばん気楽に「あったりめぇじゃねえか!」ってひきうけるのが、ガキどもだよ。つまり彼らは社会的なテクニックで寄り添うなんてことしてないから。自分の読み方で入ってくるよね。自分なりの解釈するよね。だから、すばらしい読者だよね。そのへんの微妙な感じがたまんないよね。

声渋い。ミュージシャンのインタビューみたい。75歳(2021年現在)

まだまだ まだまだ

かけっこはじまりますよ、よーいどん。ゴールする。1番2番決まって、男の子だけ「きみ、5番だよ」って言ってんだけど「ぼくはまだまだ駆けたいなあ」がイントロ。それで、街ん中も駆けていく。どんどん駆けていきます。ぼくのかけっこはおわりません。あとはその勢いで画面がどんどん引っ張られていく。

まだまだ まだまだ

まだまだ まだまだ

  • 作者:五味太郎
  • 発売日: 2021/02/17
  • メディア: 大型本

おれもどんどん描いて。途中で、おれん中では、白内障の手術をしたもんだから、目がとても良く見えてだんだん楽しくなってきて...

違和感こそ個人

ガキの頃から違和感のたたかいだったような。

小学校なんか違和感の巣窟だよな。なんでみんな机に座ってるんだ?なんでみんな並んでるんだろうか?なんであのひとがこっちに向かって、これ覚えろとか言ってんだろうな、とか、なにしてんだろ?とすごく思ってた。

違和感ていうの、ちょっと今、マイナーな言葉で使われているけども、おれは「違和感こそ個人だ」って感じもあってね。個人。自分があって、周りに対する違和感の調整なり、理解なり、あるいは距離感なりがその人の生き方なんじゃないかな。スタミナなんだよな。心のスタミナ。この違和感はなんだろうと楽しんでるよ(笑)しんどいこともあるけど、あるところまで行ったら逃げちゃえばいいから。

教室の中で「こんないい天気の時に何してんだろ?」って違和感があるわけじゃない?逃げちゃえばいいんだよな、教室から。
絵本という手段の中で検討できるよね、違和感についてストーリーメイクして、そういうことなんだと気がついたりすることいっぱいあるし。おれにとって絵本はすごくありがたいよね。

初等教育をまじめに受けてると、ダメになっちゃうんじゃないかなあ人間。やっぱり初等教育ってとんでもないなあって。いま75歳やってるけど、100%思います。多くのやつは、初等教育の中で判断基準を失ってるよね。自分の正義なんだよね、だいじなのは。

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