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SWITCHインタビュー達人達 ヒゲダン 藤原聡X脚本家 古沢良太 リーガルハイ「民意とは」

古沢良太

魅力的な人物設定

藤原 主人公の設定、人となりが好きで。必ずほかのキャストのことをすごく好きになってしまう。そのキャラたちがしゃべっているのを見たくなるんですよ。

古沢 やっぱりドラマって、そのキャラクター、人物だけを好きになってその人たちに会いたいから毎週みようって思うのが一番強い動機だと思う。やっぱり人物を魅力的にして好きになってもらうことさえクリアできれば、ほぼほぼそれで満足。
脚本書くときに、スケッチしたりメモしたり、構成書いたりするの全部取ってあるんで。聡さんって呼んでいいかい?ネタ帳的なものって

藤原 あるんですよ
古沢 プリンセス編考えてる時のスケッチ。ダイジェスト版みたいなのを自分の中で考えて、気の向くままスケッチしてそこからいろいろ組み立てていく。

リーガルハイ「民意とは」

藤原「民意とは」のシーンが好き。ドーンときたところの一つで。 
古沢 意図的にやってたことは「正しいとされてることが本当に正しいのか」人間関係でも、あるいは生き方でも、こういう生き方は正しいとか、家族とはこうあるべきだ、夫婦はこうあるべき、とか、幸せのカタチが決められていて、そこから外れると不幸だ、あのひとはかわいそうだ。かわいそう、ってすごい嫌な言葉だなと思うんですけど。いかにも幸せであること、不幸であることを提示しながら、それを全部壊す、解放という気持ちかな

藤原 当たり前っていうか、人が決めた幸せや不幸を解放していく発想にたどり着くきっかけになったことってありますか

古沢 子供の頃からそういう性格だと思いますね(笑)なんか、先生が言ったことがいちいち気になるんですよね。たとえば髪を染めてはいけないとか。なんでいけないのかって誰かが訊いたら「似合わないからだ」といったんですよ先生が。めちゃくちゃだなと思ったわけ、子供心に。でも怖い先生だったからそこでは僕は絶対に言わないんだけど、心の中で徹底的に論破する(笑)そういう子だった。相手がどう返していくか、全部自分の中でシミュレーションして、完膚なきまで叩きのめす議論を自分の中に構築するのが好き。制服が似合わなければ着てはいけないということになりますよね。

藤原 今のは古美門弁護士が言っててもおかしくないセリフ
古沢 そういう性分なんですよね...

原点は藤子不二雄まんが道

古沢 学校から帰って、新聞とかに挟まってるチラシ、裏が真っ白なやつ全部取っといて、何枚か絵を描く。なんとなく物語作るのが好きなんだろうなと思ってたのは、アニメとか特撮モノ見てても、ここでこうなったら面白いのにと思い始めるわけですよ。ここで誰々が出てきて、とか思い始めると、目では見てるんだけど頭の中では違う話を自分の中で作ってて。大人になって「あの回面白かったよね」って話が人と全然違う(笑)そんなシーンないけど、みたいなことがよくある。人と違うものを見てたような。よくあります。

藤原 例えば作品の中で、こういうことを伝えたいというメッセージがあったとして、ストーリーファースト?メッセージが先にある?
古沢 一番先に(メッセージが)あることはほぼない。考えていく中でそれを明確に掴めるかどうか。お客さんに届けたいテーマが自分の中で明確に見えてきて、ちゃんと届くクライマックスになるかを考えて作ってると思います

藤原 僕にとって、伝えたいことが最初にある作り方が苦手。こういう歌詞にしなきゃ、って書くとたいていうまくいかない。伝えたいことに着地できるかどうか。狙い撃ちにできることではない。
古沢 テーマから作るのが苦手っていうのは、僕も共感。「このテーマを伝えよう」から始めると説教臭くなる。面白くならない。こんなやり取りをしたら面白いとか、そんなところから発想しながら、途中からテーマを考える。

藤原 説教くさいのを作ってた時期があって。ボブ・ディランの話とか。こういうご時世だからメッセージを話さなきゃいけないとか、ミュージシャンたるもの、とか思ってた時期も自分の中にあって。ただ、音楽は何かを教わりたくて聴くわけじゃなくて、単純に音楽を聴くのが楽しいし、気づいたら隣にいるような感覚だなと思って。こうあるべきだ、という音楽を作るのがつまらなくなってしまって。

古沢 一つの感情に染まることはなくて、辛い悲しい時でも笑っちゃったりするし。本当の自分の気持ちが、実は自分でもわかっていないこともあるじゃないですか。僕はスランプなんて上等なもの、無くて。最初から行き詰まってる。僕の仕事は、そもそも何もない原野を「こっちだろう」と決めて切り開いていく、自分で道を作っていく仕事なんですよ。一歩進むごとにこっちじゃなかったんじゃないかと思いながら、やり直して。何回も繰り返して出来上がる。スムーズに作れたことは一度もない。/作り話作ってるだけの仕事ですから。せめて人に楽しんでもらえるものを作ろうという気持ちなんで。いつも楽しいんですよね

藤原 インタビューでも「産みの苦しみってありますよね」って質問がある。越えた先に納得いくものができるとか、考えてる時に五感が広がっていく感覚
古沢 新境地になかなか行けないじゃないですか。僕未だに昨日の自分がクソだと思ってる(笑)読みかえすのホント嫌で。それはおごりで、自分はもっとましだと思いたい。
藤原 落ち込んではいますけどね。なんて下手くそなんだ、って

藤原聡

Pritender

古沢 髪に触れたことを「痛い」と表現した人が、未だかつていただろうか。どうしたらそんな発想が出るのか。それをまたすぐいやいやと否定し、甘いなもまずいなと。自分の感情を自分でどんどん否定していく歌詞が切ない、すごい。
藤原 ありがとうございます。
古沢 やっぱりスキャットから考えるってのがあるから。多分言葉だけで考えてたら、そういう発想までたどり着けないと思う

藤原 これはメロディーとスキャットが連れてきてくれた言葉だったのかな
古沢 それができるから、歌を作る人は羨ましいな。

音楽との出会い

藤原 一番最初に触れた楽器はピアノ。ごく自然とピアノ教室に通わせてもらって。クラシックを弾くんですけどそこまでハマらなくて。当時ウルトラマンが大好きで。ティガですね。V6。もうとにかく弾いて。すごく上手で。ほかの曲全然弾けないのにティガだけ絶対うまい。


それこそボクらの時代でやればいいのに。フジなにやってんだいつも。

リーガルハイ【脚本】 (コルク)

リーガルハイ【脚本】 (コルク)