マカロニ刑事
岡田晋吉・梅浦洋一
当初は企画書のタイトルは「明日に燃えろ!」若手刑事の成長物語、青春アクション。その頃の役者は皆芝居を勉強してくる人たちなので自然に動かない。エネルギーみたいなものがない。エネルギーを持った人がないか探していた。渡辺プロに「沢田研二を主役に使いたい」とお願いしたがジュリーは多忙を極めていた。若手刑事はまるっぽ体が空いてないとできない条件があり、同プロからショーケンを紹介された。映画「約束」を見て、現代の若者っていうこと、ナーバスなところ強がるところが素晴らしく起用を決めた。
ショーケンは「自分が納得する役じゃないとやりたくない」と難色を示した。最初のあだ名が「坊や」本来の自分とかけ離れていた。
マカロニに変更してもクランクインの前まで悩んでいた。「あなたが、なりふり構わず真剣にやらなきゃいけないキャラクターになるから大丈夫だ」と言って走る刑事が生まれた。走る姿に嘘はない。これはお前が走りまくるドラマだ。ショーケン、山手線の乗客を見て演技を磨いたのか冗談じゃねえよ、やってられるか!
殿下
小野寺昭
興奮しましたよ。みんな大先輩だし、それぞれの分野で活躍している人。石原さんはずっと子供の頃から憧れていた大スターだし。うれしくてしょうがなかった。僕はあまり個性を全面に出さずに、逆に無個性みたいな。薄い人が印象に残るんじゃないかという考えがあった。1年目は無個性で透明感がある役だったけど、2年目は自分の思うことを表現するようになった。なんといってもマカロニさんがすごかった。かたやぶりですよ。すごい刺激になりました。
72年7月からの放送だったため、急ごしらえで作られたキャスティングだった。竜雷太は夏木陽介の相棒役、露口茂はトップじゃなく実力勝負。下川辰平は新劇...地味だった。
※麻薬中毒になった回は再放送でも見た。子供心に怖かった。余談だがEP「白いページ」LPまで出し、数年経って「毎度おさわがせします」な。
白いページ_小野寺 昭
テキサス刑事
勝野洋
ゴリさんが兄弟のように可愛がったのはテキサス。
勝野:熊本弁で。芝居できませんよといったんだけど。すごい変化で。ゴリさんに言われましたよ。お前な、絶対に1年後、いや半年後に変わってるからな。周りの反応が。お前自身も変わるからな。初心忘れるなよ」
君塚良一
君塚良一は大学時代「太陽にほえろ!」脚本に関わっていた。偶然手に取った雑誌にプロット募集が載っていた。高校生が自殺した親友に代わって復讐するストーリー。ところが「君のは独りよがりだ。視聴者は刑事を通して犯人を見る」と、不採用が続く。第423話「心優しき戦士たち」でデビュー。ところが一言もセリフが残らなかった。17年後「踊る大捜査線」が。「太陽にほえろ」でやったことはすべて禁じ手にしたが、ひとつだけ使ったのは殉職。
「太陽にほえろ!の呪縛から逃れられていない。印象に残っている回はやはり殉職」