【日記】父が亡くなって思い出す「その日のまえに」

父が亡くなった

亡くなってから葬儀まで

臨終には間に合わなかった。祖母や祖父の時もそうだった。病院に着くと、医師の「○時○分心肺停止」が聞こえた。
病室では童謡が流れていた。「ふるさと」だったかな。
死化粧は看護師と二人で施した。明るめのBBクリームを塗ってファンデーションで軽く押さえる。カサカサした肌だったのに自分よりすべすべに。施す前よりも生きた表情に見えた。よく「今にも起き上がってきそうでした」「眠っているよう」まさにそう。
葬儀所へ向かう途中のカーラジオではカーペンターズとルイアームストロングが流れていた。こんな終わり方を父が望んだかどうか、近年は言葉を発することができなかったのでわからない。

Carpenters - I Need To Be In Love

Louis Armstrong - What a wonderful world ( 1967 )

寺とのやり取りは電話で。いや～苦手なんできょうだいにやってもらった。（病院から葬儀店への連絡、死亡届の記入は自分がやった。本籍地を記入する欄があるが「〇〇市」までわかればよい）宗派は本当にうちでいいのかなど細かく聞かれるので若干時間がかかる。亡くなった当日は枕経（まくらぎょう、まくらきょう）がある。※宗派による。流れとしてはこんな感じ
枕経とは : お葬式なるほどチャンネル

当然ながら病室の荷物は全て引き取って実家に運び込んだ。不覚にも笑ってしまった。父の遺影を置くであろう場所に、嵐の写真を飾っていた。まってくれかあちゃん。いくら独居老人は寂しいからって、なぜでかでかと嵐を飾る。5人は生きている。

家に帰っていつもの癖でテレビをつけたら、水ダウやっててやおら堤下が滝に打たれていた。そしてあの「ゆんゆんゆんゆん　だんだんだん」だ。勘弁してくれ。いや、こんな時にテレビなんで不謹慎もいいところ。でも爺ちゃんが死んだ時にも従兄弟がごっつええ感じつけてしもて親戚中えらいことになったっけ。ここは不謹慎の家系かよ。ほんま笑ってはいけない。いや笑うぞ。結局眠れずにねほりんぱほりん、かりそめ天国までリアタイで見た。

とりま葬儀の準備、各所連絡。終わったら役所に。多分終わってからのほうがもっと忙しい。
少しずつ情報は読んでたはずなのに全然頭に入ってない。やっぱりバタバタしてしまう。あと泣けないなんでだ。
母の写真は大量にあるのに父のがない。昔たけしが「おやじ（菊次郎）の写真がなくて窓から顔出したの使った」と言ってたっけ※個人の記憶なのであいまい
爺ちゃんの時も必死で探し回った挙句、集合写真でなぜかシャッターの瞬間うつむいたやつしかなかったのでそれを使った。長門裕之の遺影すごいよな。ところで父の写真どうしようホンマにないねん。撮っとけよ、その日のまえに。
先日亡くなられた長門裕之さんの遺影がｍ9というのは本当ですか？ - 画像でご... - Yahoo!知恵袋

その日のまえに

重松清

祖母が亡くなった２年後、はじめて読んだ。いま「ヒア・カムズ・ザ・サン」を読むと、なぜか元DeNAの白根くんを思い出す。2018年お母さんが亡くなり、戦力外になった。

その日のまえに (文春文庫)

ラジオドラマは別所哲也、映画はナンチャン（賛否両論あり/峰岸徹にとっては最後の出演作）、ドラマは佐々木蔵之介。朗読劇でも。うーん....脳内再生の世界と映像として突きつけられるのとは大きな隔たりを感じる。泣けるでしょ？という見せ方はなぁちょっとなぁ泣くもんかって身構える。先に原作を読んだせいかもしれない。

葬儀場の都合で日にちが空いたので記録として書き残すことにした。葬儀屋さんは坂上忍に似ていた。しーちゃん。
火葬場の人は市職員なのでいわゆる「心付け」を渡してはいけない。贈賄罪になる。※市町村による

別館.net.amigo

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