唇よ、熱く君を語れ(1980)渡辺真知子
カネボウ レディ80
マキタ:いい曲だねぇ。歌唱力、声とか張りとかすごい。
スージー:作曲も渡辺真知子さん。歌謡曲とニューミュージックのちょうど間ぐらいなんですよね。
マキタ:いみじくも広告とか、ちょっとバブリーな感じがするじゃないですか。そういったものと結びついてるのも面白いですね
スージー:70年代若者のフォーク、ロック、ニューミュージックていうのは「反商業主義」そういうのと手を組まないって感じ。あの矢沢永吉がCMとタイアップして、資本主義経済と手を組んだ。それがなんか80年代っぽい感じですよね。当時はニューミュージック系は歌番組には出ない。でもCMでガンガン流れてる(笑)
マキタ:ホントだよ。コマーシャリズムと結びついて爆発的な大ヒット。我々は実際にCMで聞いて「なんてキャッチーないい曲なんだ」思うからね。
スージー:あともう一つはレディ80。80年代=女性の時代という空気がありまして。前年には沢田研二の「Oh!ギャル」。「唇よ、熱く君を語れ」は「女性も黙ってないで発信を」というメッセージが込められている。
マキタ:なるほど。
松原千明のCM※2022年死去
1980 カネボウ レディ80 口紅
2020.1.6 40年ぶりに流れてる。誰が歌ってるんだ。
2020.2.13「+布施明」で入ってくる人が多い。CM放送後は特にアクセスが倍増。コーラスアレンジであって布施明じゃない。布施さんは後述「君は薔薇より美しい」ぐるナイゴチ見てただろみんな。ピタリ賞2人とかノブとか珍しや
https://twitter.com/kaneboofficial/status/1212697545870319616
不思議なピーチパイ(1980)竹内まりや
資生堂ベネフィークグレイシィ
スージー:これまた売れまして39.2万枚(「唇よ~」は46万枚)ピーチパイがキャッチコピー。だから化粧品タイアップソングの妙味は、キャッチコピーが割と無理矢理な形で曲に入っている。その無理矢理感を楽しむ。前年のカネボウは「セクシャルバイオレットNo.1」新進気鋭の作詞家松本隆がね。キャッチコピーが決まってるわけですよ。「セクシャルバイオレットNO1」の歌詞を書いてくれと。めんどくさい書いちゃえってことで、連呼(笑)松本隆初のオリコン第1位。こういうもんなんだっていう。
マキタ:竹内まりやさんのこの感じ。アメリカンポップスのいいところを継承している
スージー:この声ですよね。カレン・カーペンターと言いましょうか。リンダ・ロンシュタットと言いましょうか。当然ソングライターとしても優れてるんだけど、やっぱり僕は、竹内まりやはシンガーだと思ってる。渡辺真知子はニューミュージックと歌謡曲の中間と言いましたが、それに近いものがあって、綺麗だったんだけどアイドルっぽい扱い方をされてね。
マキタ:天賦の才。慶應大学でね、容姿も端麗で。歌もうまくて。本人は消したい過去かもしれませんが、スター運動会みたいなやつに出てた。うっかり僕見たことありますけどね。当時、昭和は結構むちゃくちゃです。まだ整頓されてないんで、タバコのポイ捨て当たり前の時代だった(笑)区切られてないですから色々。
※余談。サワコの朝で野口五郎が売れない頃キャバレー周りをしてて、客に「帰れ!」とタバコを投げつけられたって言ってた。
マリアン(当時はメアリー岩本)。中学生になる前、EP盤買いに行った。懐かしい思い出。
Shiseido 1980 CM
大運動会、ラジオでご本人が言及。
竹内まりやがテレビに出るのをやめたきっかけは?坂崎幸之助のものまねを数々披露
浅野ゆう子はともかく、志穂美悦子を出場させるの反則だと思う。だって他の歌手と4階級ぐらい差がある。ネリじゃん。
オールスター紅白大運動会(1970~80年代)
第18回オールスター紅白大運動会 倉まり 編
君は薔薇より美しい(1979)布施明
カネボウ イフG
スージー:ゴダイゴというニューミュージックの雄とコラボレーションしたらこういう楽曲が生まれる。
マキタ:強い曲だなこれ。
スージー:ミッキー吉野。すごく複雑なコードを忍ばせて。歌謡曲なんだけどちょっとハイカラな感じ。ザッツ・ミッキー吉野って感じの。「息をき~らし~」の後の和音、ジャン♪これはdim(ディミニッシュ...ルートから二音飛ばしの四音で構成)
マキタ:でも別に変には聞こえていない。若干の引っ掛かりがある。最近のdimは星野源とかですね。あの当時の歌謡曲で分からない程度にうまく使っているのはミッキー吉野さん。
スージー:79年はゴダイゴ全盛時代で、dimとか転調とかメジャーセブンスを、バークリー音大持込のほんとにハイカラなコード進行を使いまくって、ミッキー吉野が時代の寵児になるというね。だからすごい新しい響きだったんですけど。これが布施明というザ・歌謡曲のめっちゃうまい歌で。最後の「あ~」の音、出ないですよね?
マキタ:変わった~~~~♪(笑)変わったっていうのをあんなに高らかに...
オリビア・ハッセーは布施明と結婚(のち離婚)
1979年CM カネボウ イフG 君はバラより美しい オリビア・ハッセー
ハルニアイマショウ。
1979 カネボウ オリビア来日予告
2023.1.8追記 タビ好キで流れてた前川清バージョン
君は薔薇より美しい - YouTube
資生堂&カネボウ 埋もれてる名曲 B面
う、ふ、ふ、ふ、(1983)EPO
※埋もれてるかな?そうかい?高校入学当時、かなり聞いたぞひょうきん族とか
資生堂フェアネス。アンジェラ・ハリー。
資生堂 フェアネス
スージー:(広告コピーに)「、」が多い。「不思議、大好き。」とか。点とか丸が多いと情感が多いってことなんですかね。
マキタ:ああ、その発想も面白いですね。EPOさんは僕も声の人って感じがしますね。EPOさんの声って一聴したらわかりますよね。
スージー:今でも声を保ってますよね。う、ふ、ふ、ふの後の変な転調ね。
マキタ:平行に移動する調となんか違うんですよね。調がないところに飛ぶから違和感はあるんだけど。全然変なところはない
スージー:悪魔したくなる、自分の中に流行りを持つのが今のおしゃれなの(〃▽〃)
マキタ:勝手に照れてますけど(笑)悪魔したくなるという言い方とか、いかにも80年代っぽい。おじさん勝手に照れゾーンに入りますけど。
スージー:時間よとまれ、君の瞳は10000ボルト、唇よ熱く君を語れとか、どんなキャンペーンが始まるのかみんな気にしてて、曲も売れたっていう。でもこの辺になるとタイアップもちょっと食傷気味になって、軽さも出てきて、80年代のハロウイン精神を僕らもちょっと斜めに見てる感じ。
浮気な、パレットキャット(1982)ハウンドドッグ
スージー:おそらくみんなも忘れてて、多分本人たちも記憶から消し去りたい曲(笑)作詞作曲NOBODY、編曲後藤次利。パレットの先駆的な商品。メイクパレットを売りたかったんですよ。キャットが付いてる(笑)なんといっても大友康平ね。以降暑苦しくて、軽くて
マキタ:(モノマネを聞いて)ほとんどトシちゃんだったと思うんだよ
スージー:そんなつもりはございません。80年代前半のロックンロールリバイバルみたいなものを、一気に縮小。NOBODY。
マキタ:確かに、軽快なナンバー。忘れ去られてますよね。キャッチーで、最初この曲誰だかわかんなかった。大友康平さんはラジオか何かで、結構軽いノリでおしゃべりができる人だってうちの兄貴から聞いてたんですよ。ハウンドドッグも東北出身のって感じがあって、あの曲そろそろベストテンとかで見てぇなと思ったら出てきた。これ売れんのかなと思ったら全然出てこなかった。しばらく経って「愛が~♪」って出てきて(笑)「あれ?パレットキャットは?」って。どこ行っちゃったの?もう一度メンバー集めてこの曲聞かせて。
マイピュアレディ(1977)尾崎亜美
スージー:荒井由実&尾崎亜美。PUFFYに隠れたアミユミ(笑)今まで日本人が聴いたことのないコード。7(-9)っていうね。松任谷由実、尾崎亜美、矢野顕子、大貫妙子。顔立ちや容姿は割と意見が分かれる(笑)
マキタ:ビジュアルを見て目の保養になるのとはちょっと違う。良質な音楽を作る。
スージー:(見解)歌謡曲っていうのは男前や美女。ニューミュージックはそうじゃない人たちの音楽。
マキタ:個人的な意見ですよ
スージー:そういう方々の切ない思いや経験が逆に人々を泣かせると。
※セブンスマイナスナインス。7に短9度を足したコード
資生堂クリスタルデュウ。小林麻美。
資生堂 クリスタルデュウ CM(1977年) マイピュアレディ 小林麻美