自転車泥棒
大林:これはね、ハッピーにもなんにもなんないのよ。このあと、お父さんまた自転車盗まれて。不幸なまま続いちゃう。今でもその事は、イタリア全体の問題だけじゃなくて、日本にもある「リアリティ」の問題なんです。ドラマってなんだろうって考えたら、作るのは僕たち人間だ。だから僕の願いがまず映るよね。映画ってのは記録装置だから、その時代が映ってしまう。それが「リアリティ」ドラマってのは嘘っぱちなんだけど 絵空事が、何か真(まこと)のように感じられる。ドラマは人間の縁(えにし)だと思いますよ。アメリカでワークショップをすると「あなたの戦争体験を教えてください」これが必ず最初。なぜかっていうと、第一次世界大戦ね。戦火から逃れてきた人が「アメリカに行けば自由がある、アイランドがある」彼らの自由な精神をあらわすのがハリウッド。
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地獄の黙示録
岩井:僕らにとっての戦後は、第二次世界大戦後以降。他の国は、そこが戦争してたら戦後ではないわけで。そういうところから見るとアメリカには戦後がない。 ベトナム戦争の頃からくるアメリカの映画は、暗い、辛いものが多く「地獄の黙示録」「ディア・ハンター」などが、次々日本に来るというか。もちろん重たいんですけど、なんだろこの忘れがたい記憶はって映画になってる。今振り返ると。気がついたら自分の体験のような記憶になってる。
大林:映画界を変えたのは「リアル」なんですよ。ハリウッドが作った戦争映画は、リアルというよりは、どこかエンターティメントとしてよく出来ていた。大河ドラマを見ているような感じでね。
岩井:「ハートオブダークネス」っていう地獄の黙示録のドキュメンタリーがあって。エレノア・コッポラ。奥さん。
大林:すごい映画だ。コッポラはせっかく「ゴッドファーザー」で稼いだ金をこれで全部失う。最初の封切りは編集でまとまらないから、結末が二つあったよね。コッポラも混乱したまま。作者も戦争映画を撮るというよりは、戦争に巻き込まれて。戦争をリアルに再現する。リアルな恐怖を撒き散らした。
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ディア・ハンター
岩井:今見ても泣けてくる。主題歌が泣かせる。
大林:思い出の映画。戦争行って死ぬか生きるかってのをピストルに持ち込んで。戦争を描かなくても戦争が描ける。
常盤貴子:映画っていうストーリーの中で私達はそれを疑似体験することができるのが重要。直接的に描くと辛すぎるところを、映画のストーリーで学べる。
大林:映画は記録装置。ただ何故か僕たちは記録は風化するけど記憶は風化しない。記録を記憶にしようとするところから、フィクションは生まれてきたと思うんだ。フィクションは嘘だよね。でもあえて嘘にすることで、記録では描けない人の真実、まことが記録されるんじゃないだろうか。ドラマ、劇という虚構を使って記憶させようと。
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タクシードライバー、プラトーン。
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岩井:日本で大きな戦争が仮にあった場合、あれだけ沢山の戦争映画は作られないだろう。戦争っていう嫌な体験があったにもかかわらず、20年ぐらいジャンルとして作られてましたよね。
大林:反戦のつもりで作られても、戦闘シーンで観客席は被害を被らないから「もっとやれ」になっちゃって。娯楽になってる。映画は科学文明の発明品なんだけれども、悲しいことに「戦争の機械」として開発されてきた。僕たちが使ってるカラーフィルム。第2次大戦の時に敵がどこにいるかを探す。モノクロームじゃわからないので、偵察機に乗っけられる小型のカラーフィルムを発明しなさいと。それがカラーフィルムなのよ。つまり僕たちは人を殺す兵器を使って、平和の映画を作らなければならない。「だから特攻隊になります」と言ってもかっこいいなあ、今度戦争が起きたら僕がなろうってなったら、反戦どころか戦意高揚映画になっちゃうもんな。その表現の恐ろしさも、僕たちは知らなきゃいけない。
最後のテーマが一番重い。
一番好きだったのは特撮編。
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