【あさイチ】【抜粋】プレミアムトーク　渡辺和子　置かれた場所で咲きなさい

「印税は？」とのイノッチの質問に
「よく聞かれる人の一人です（笑）奨学金にしております。貸与ではなく、あげる方」

置かれた場所で咲きなさい

昭和１１年、２．２６事件で軍人だった父（渡辺錠太郎）を目の前で殺害される。
１回の和室で寝ていたら青年将校たちが自宅に押しかけてきた。
父は渡辺さんを座卓に隠し、自らは銃殺される。
※壮絶な記憶なのに淡々と語ってて逆に怖い。
　しかも実際の座卓で事細かに「撃って刺して、とどめを刺して」
　「軍人の娘は涙を見せない」「４３発、弾を受けて包帯でぐるぐる巻きにされて」などと。
　再現ドラマで見せる手法よりも迫ってくる。
　「今のお子さんはデリケートだと思います」

母は敵国の宗教だと反対したが、１８歳で洗礼。
２９歳で修道院へ。
「アメリカ兵の中で働いておりまして、そういう（結婚）の話もありましたが
一つの家庭を営むよりも自分の国を捨てて働く姿を見て
そういう世界で働きたいと。」

３６歳で学長に抜擢されるも、周囲と折り合いが合わずやめようと考えたことも。
初代２代がアメリカ人だったので、学生は喜びました。
お姉さんみたいだと。葛藤がございましたね。
上智大学国際学部で７年間ほど仕事をしていたので、そこの神父さんに
「こんなはずではなかった」と言ったら
「どこへ行ってもまずあなたが変わらなければだめだよ」
目が覚めまして、岡山に戻りまして。

３０代の頃ベルギー人の神父から言われた言葉。

置かれた場所で咲きなさい。
咲くということは
しかたがないとあきらめることではありません。
それは自分も笑顔で生き
周囲の人々も幸せにすることなのです。

周りから頂いた場所であっても。

５０代でうつ病、６０代で膠原病。
自らの命を絶とうと思ったこともあった。

キレませんけど、キレそうになることはあります。
人様からあらぬ中傷を受けたりすると心穏やかではありません。
そうでないと学生たちと話ができません。
ときには腹が立ったり
人に意地悪な気持ちを持つことは、他の方を理解するためにはありがたいなと思います。

神様に愚痴を言うこともありますよ。

JRの込む中をかき分けて「ただいま」と言ったのに返してくれない時とか。
聞こえているはずのシスターが「おかえりなさい」と言ってくれない。
戻ってきたらせめてお帰りなさいぐらい言ってもいいんじゃないか、と
神様に「理不尽だ」と愚痴ったり。
でも神様はお返事がないから、そういうものかと。
もしかするとあたしも人様が「ただいま」と言った時に
自分のことにかまけてお返事をしないときもあるかもしれない。
わたしも許してもらえないかもしれないし。
こんだあの人が帰っても「おかえりなさい」と言わなくてもいいんじゃないかって。

テレビで放送されても恥ずかしいんですけど。
この間言ってくださらなかった方も、もう一度ぐらいなら言わなくてもいいんじゃないかって。

１９８１年でしたか、ヨハネパウロ２世が広島にいらしたんですね。

「許しなさい。赦さないと、あなたは自由になれない」

許さないと相手の支配下にいつも置かれる。
１日中その人のことばかり考えてると不自由になりますね。
闘うことが大事だと思うんですよ。
学生たちもどっかで反映してくれる。綺麗事じゃなくて。

イノッチ：仕返しをしないで許したほうがいいと思うんですけど、しちゃった場合は？

「ごめんなさい」ですね。
相手のレベルまで下がることが大事。