父の詫び状
海苔巻きの端っこにはかんぴょうが多い。
向田さんは端っこが好きだった。
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/20
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向田邦子は昭和4年世田谷生まれ。
父は頑固一徹、母は夫の陰で家を切り盛り。
4人兄弟の長女で運動神経がよく、明るく活発な一面と
夏目漱石全集を好む読書好きな一面があった。
実践女子専門学校では国語科を専攻。
進学する人が少ない時代「国語の先生になる」と親を説得したため。
専攻は国文学だったが
友人たちが同人雑誌のと騒いでいる時も、
私はバレーとアルバイトで、顔を真黒にしていた。
物を書いて暮しをたてようなど、考えたこともなかった。
「わたしと職業」より
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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仕事の出発点は教育映画を作る会社の社長秘書。
社員10人ほどの小さな会社で、人間関係にも恵まれていたが
心の中は生きることの悩みに満ちていた。
手袋をさがす
私は毎日が本当に楽しくありませんでした。
私は何がしたいのか、私は何に向いているのか。
それさえもはっきりしないままにただ漠然と、
今のままではいやだ、
何かしっくりしない、と
身に過ぎる見果てぬ夢と、爪先立ちしてもなお
手の届かない現実に腹を立てていたのです。
「手袋をさがす」
- 作者: 向田邦子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1984/01/09
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ある日残業で出前をとってくれた上司が
「君のいまやっていることは、
ひょっとしたら手袋だけの問題ではないかもしれないねえ。
男ならいい。だが女はいけない。
そんなことでは女の幸せを取り逃がすよ。
今のうちに直さないと一生後悔するんじゃないのかな」
不平不満を内に秘め頑なな態度をとっていると
男たちから疎まれ、結婚の機会をなくしてしまうぞという言葉。
ほどほどのところにつとめ、相手を選び、
上を見る代わりに下と前を見て歩き出せば
私にもきっとほどほどの幸せは来るに違いないと思いました。
そうすることが長女である私の結婚を待っている両親にも
親孝行というものです。
※60年前も今も、未婚女性を取り巻く価値観があまり変わってない気がする。
結局のところ私は、このままゆこう、そう決めたのです。
今ここで妥協をして
手頃な手袋で我慢をしたところで
結局は気に入らなければ
はめないのです。
雄鶏社に再就職。映画雑誌担当に。
筒井ともみ - Wikipedia
(脚本家。00年「あ、うん」、03年「センセイの鞄」、映画「阿修羅のごとく」、
「おじゃまんが山田くん」「さすがの猿飛」「ロボット8ちゃん」など多数)
プロデューサーとご飯を食べていたら向田さんが入ってきた。
「紹介してあげようか」と言われ、とんでもありません、と断った。
紹介されても話すことがないしねぇ、結構です、と。
トイレ行きたくなって立ち上がったら向田さんも立ち上がって
本当に目が合ったのね。その時の目の強さといったら。
なんて眼力の強い人だろうと思って。
1秒か2秒、3秒か4秒だったか。私も目を浮かせない方なので
目が合ったままビビビビビッと。本当にビームみたいに。
動けなくて。「どうぞ」って言われたので・・
手袋は向田さん自身。まだ見ぬ自分。そこで満足しちゃわない。
諏訪貴子 - Wikipedia
アナウンサーになりたかったんですね実は。
ただ理系で工学部だったので、資料請求したら技術系しか送られてこなくって。
いざ就職しようとした時にバブル崩壊で一気に就職難。
行き場所がなくなっちゃった。
父に相談したら秘書の仕事って言われて面接に受かって
渡されたのが作業着だったんですよ。
女性エンジニアだって騙されたんです。
工場で働いたのが私の最初。いつも辞めたいと思ってました。
・・小さな勇気と行動力が自分を変える。
昨年「クロ現」でも取り上げていた。
クローズアップ現代 33年目の向田邦子 人生あざなえる縄のごとし。 - 別館.net.amigo
ちえいずの何が楽しいって、はしゃぐ井上二郎アナを見ること。
アナタが店主なら毎日でも通いまっせ。
「女子会は女子限定」「ほんものの女子が参りました」とはるな愛に言い。
そのはるな愛
「若いときの手袋の探し方って、ぴったりって たぶんない」
離婚は、一旦はめた手袋を捨てること。
家庭内別居は手袋を外してそこらへんにほったらかすこと。
結婚生活は外したくても外せない、或いは外したくない手袋のようなもの。