別館.net.amigo

別館.net.amigo

メモ代わり。ジャンルも気まぐれ

【Eテレ】SWITCH インタビュー 達人達 椎名林檎×西加奈子 物語の音色 音楽の文体。(抜粋) 

一生に一度、お目にかかりたい。目撃したい。

椎名林檎:どうしても、一生に一度はお目にかかりたい。
     人物の奥深い本人ですら、自覚しづらい部分の吐露
     1回赤い魂のこもった吐露。
     肉体も精神も頭脳も 全部裸にした状態の。
     ああいうのをどんな状態でお書きになっているのか。
     お目にかかったら少しはピンとくるのかな、と思って。

西加奈子:とにかく「林檎エキスポ」が素晴らしかった。
     本当スターですよね。
     お会いしたいっていうよりは、目撃したい。
       間近で目撃したい。

前半は西の自宅兼仕事場。

椎名:職権乱用してお目にかかれるのは、この番組かなと。
西:めちゃくちゃ光栄です。夢みたいな。
椎名:こんな整然としたところで、あんなぐちゃぐちゃな心情を
   本当にお書きになっているのか、疑ってしまうんですけど。
西:書いてる時はすぐ立ち上がってどっか行ったり
  たとえば、書いてて興奮したりしますよね
  そういう時は、地味にパッて 窓開けて
  バッて閉めてまた書く。
椎名:必ず主人公だけじゃなくて、出てくる人がみんな変わっていくでしょ
   最初は「こうだ!」って決めて断言してても
   短い物語も長編小説も、必ず変わっていってくれる。
   時間の経過も感じさせてくれる。

   なんて緻密な、なんてすごいと思ってしまいます。

「舞台」「場面」

「初日で盗難(笑)。」
そう、笑われるに違いない。
なんて間抜けな奴なんだと、非難されるに違いない。
もっと悪いのは、
哀れみの目で見られることだった。
それは避けたかった。絶対に避けたかった。
・・・<< 
手元に残ったのは現金12ドルとスマートフォン、1冊の本だけ。
マンハッタンをさまよううちに葉太の自意識が変化していく。

舞台

舞台

西:修学旅行でおらんかった?
  財布なくしてテンション下がる奴(笑)

  あ~なんか見てられへんわって。思い出して書いた。
  自分の作品、最初と最後で
  「自分の内なる目」自分がどうやって世界を見るか
  視点を変えるだけでものすごい希望になる。
  「自分の気持ち次第やで」

椎名:ある程度「ここを描きたい」と見当をつけて取り組まれるんですか?
西:書き方として一番多いのは「場面」
  おかっぱの女の子と三つ編みの女の子が
  自分の新しい何かに向かって走っているところが浮かんで。
  場面をつなげていった。
椎名:ハイライトになるところが最初にあって?
西:そういうのもあるし、ハイライトじゃなくても
  何か場面が浮かぶことが多いのでそこからつなげていく。

「サラバ!」

西:今までで初めて文字が浮かんだ。
  小説家やから、いつか文字で浮かびたいなと思ってた。
  言葉が浮かんでそれを書き出したら、すごく素敵やのにとおもってたら
  一番最初の文章が「僕はこの世界に左足から登場した」
  文字で浮かんで
  「キタ~ッ!」「やっと来たでー!!」
  「文字で浮かんだ!」「やっと浮かんだで!」
  テーマは「信じるものを自分で決めよう」という話。
  今まで正しいとされていること、
  それを決められるんじゃなくて、自分で決めたいという。
  自分で自分の好きな 顔・価値観・美を決めたい。  

サラバ! 上

サラバ! 上

椎名:インタビューを受けられるとき
   「えっ?そんな読み方?」と思ったりされない?
西:小説は出した瞬間から読者のものと思ってる。
読者の感想で多いのが「全部に理由がある」と考える人。
「これ西さんのことですか?」
「美醜として書くということは何かそういう出来事があったんですか?」とか
全部理由があるみたいにするのが怖い。

経歴として「イラン生まれ」とかは、キャッチー。
椎名:見出し探ししてるのかな。
   音楽も歌詞カードがついてたりして、それがあるとそれの事しか聞かれない。
   「この歌い出しですけど」とか文字だけの話になっちゃう。
   思ったことを、映像の人はパッと見のことで全部終わっちゃうでしょ。
西:音楽って「えっ今なんでこの音出したの?」って聞く人はそんなにいないと思う。
椎名:でも美醜、価値をすごくはっきり書いておられますよね。スカッとする。
西:おかしいけど、作家になって、今まで無視してきたことを書いている。
  それこそ学校の先生に、理不尽なことを言われたりする時は「腹立つわ~」で終わってて
  「なんで先生ってそもそも」とか考えもしなかった。
  疑問もたへんほうが楽に生きてこられた。
  作家になったからには無視したらあかんなと思って、ここぞとばかりに書く。
  「サラバ!」はここ10年の自分が全部出てる。
  見えてる文字だけじゃない、気配があると思って。
  「これは何でですか?」っていう読み方って文字しか追ってない。
  なんで気配を信じてくれないんだろうとすごく思う。
椎名:音楽よりも文字のほうが自由度が高い。
   音楽は具体的になっちゃうし固定されちゃう。
   相手の時間も制限しちゃう。

西:小説って長いの。人に会って嬉しかった気持ち、誰かを好きって気持ち
   自分が作った紙の上で世界を回りたいけど
   小説はその言葉に行くまでにいろんな回り道をしなきゃいけない。
   純度がなくなって行く気がする。重みや切実さがなくなっていく。

「こうあるべき」への嫌悪感

椎名:自分が女性であることへの嫌悪を、抱かれたことがありますか。
   そういう場面がよく出てくる。
西:「北斗の拳」好きな兄ちゃんがいて、リンとバットっているじゃない?
椎名:ひでぶしか思い出せない・・今となっては・・ごめんなさい(笑)

西:バットになりたくて。なりたいものが割と男の子で。
  兄ちゃんのお古をずっと着ていた。
  急に「女の子市場」に放り込まれるじゃないですか。小4までエジプトにいて
  小5で日本に帰ってきたら、一緒にトイレ行くとか、ようわからん世界で。
  2番目って上を見てるから「こういうときにこれいったらあかんな」と
  うまいことやれてる自分を恥じたことがあった。
椎名:私はずっと日本の転勤族で、県庁所在地だから
   近所のおっさんが変な目で見るとか気持ち悪くて、はっきり言ってた。


西:もっとスイッチしたいの
椎名:女の人は難しいじゃないですか、笑いを書くのって。
西:男の子の一人称で書くの、すごい好き。
  ドメスティックなことを書けば書くほど共通項がある。みんな子供時代があるし共感される。
  なんで自分が生まれてきたんだろうって。
椎名:女の子にとって不都合にするのもズバズバ書かれるし。
西:特定の人、編集の方ではなくて読者の方でもない
  創作の神様みたいな存在がいて、その人に書くつもりで書いてる。
  書いたとたん消えたりもする。

後半はレコーディング現場

発想と違うものが出てきたとき、それを良しとするか
イメージと違うから全部拒否するか

SWITCH Vol.32 No.11 ◆ 椎名林檎[音楽家の逆襲]

SWITCH Vol.32 No.11 ◆ 椎名林檎[音楽家の逆襲]

西:1曲1曲、誰かに向けてっていうことはある?
椎名:はっきりしてる時もあるし、誰々ちゃんとか誰々くんが
   こういうのを聞いてスカッとしてくれたらいいな、とか
   具体的に聞いた話を詰め込んだつもりっていうのもあります。
西:リミットがあるからできることがありますか?
椎名:そうだと思います。
   なかったら永遠に提出しない、売らないんじゃないかな。

西:自分の中の完成形みたいなものがある?
椎名:そこに到達して発表したことが1回もない。
   やめられない理由の一つが、まだ完成できたことがないから。
   あんまりオタマジャクシ(♪)を思い浮かべないようにしよう、とか
   もっと漠然とした景色、気分を思い浮かべよう
   算数みたいな世界だから。

西:林檎さんは職人みたいやな。すごいシャイ。
  表に出たくて出てるタイプじゃない。何万人に一斉に発信する気持ちは?
椎名:J-POP職人って自分で思ってるから
   すっごい好きな音楽ってこういう音楽じゃない。
  剥離しちゃってて音楽って思わない。
  わ~って歌が入ってたりするものって
  ポップだって思うけど、どっちかって言うと広告みたいなもの
  急にあるとき「この商売やりませんか」ってもらったから
  CD何万曲も聴かされて「こういった類のものを混ぜ合わせて作ってください」と
  高校生の時に大人に言われて作り始めた。
  まず歌は要らない。歌が入ると風俗になる。 
  料理に置き換えると丼物になっちゃう。
  いまとなっては面白いと思ってやるけど。
  大好きだったらちょっと難しそう。人生と切り離されたって認識。
  すごいたくさん聴いてる人が、私の人生を想像できるだろうか。
  想像してもらえるとは思えない。
西:こうであってほしい、って、林檎さんに背負わせる人はいるだろうね。
椎名:「林檎」は筆名で。17ぐらいの時に(本名は由美子)
   「少女A」みたいな名前だから、実際に何言われても平気。
椎名:SNSはご覧になれますか。評判とか
西:占いと一緒で、いいことしか見れへん脳になってる。
  いい感想しか残れない。

「カリスメ乙女」

椎名:こんなこと一番やっちゃいけない大人がやってる感じ
西:最後に消えていくの、たまらんねん。
椎名:裏方向きなんですよね全然。
   そっちのほうが好き、そっちのほうで悦はある。
   バーンと全部のタイミングが合って「よし」
西:やるときは「ギター壊します」思ってるんやろな
椎名:思わず、とか多分なれないな一生。

Ringo EXPO 08 [Blu-ray]

Ringo EXPO 08 [Blu-ray]

孤独のあかつき

最初のデモテープは英語バージョン。

椎名:歌心、ポップス書くときに日本語を前提に書こうとすると
   カクカクしちゃう。ポップスは欧米の言葉の方が耳慣れている。
   メロディーが奔放に変換できるように
   借りてきた言葉が持つ爆発によって
   歌い回しが面白くなったり、そういう力を借りてる。
   日本語って平坦でしょう。
   今話してるのはお互いリズミカルなのに。
   気持ちいいはまり方をするのは時間がかかる。イントネーションとか。
西:楽曲提供の方が楽しい?
椎名:もちろん。それをいつ本業にできるかって最初から思ってた。

西:かわいそうやけど絶対裏方になれない。羽交い絞めで止められる。
椎名:でもさ、そろそろいいと思う。
西:嫌や嫌や嫌や!!見たいもんみんな
椎名:ロリコン文化じゃないですか、日本って。
   いい加減もう36だし、40ぐらいになったら・・

西:ずっと出て行かなあかん人やと思う。

いやもう、多分全部書き起こしたら八千字超えると思う。
だいたいこんな感じ。神回。
でも記事にまとめたら見出し探しみたいになっちゃって悪いな・・


「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」(「サラバ!」より)


【感想】オダサクさん、こんにちは~生誕100年 織田作之助と「夫婦善哉」~ 西加奈子 町田康 - 別館.net.amigo


      

広告を非表示にする