徹子の部屋 2024.6.18放送
やさしいお菓子づくり
50年前ですね。無名で本当に、ただ、頼まれてまとめたんです。若い方が喜んで、パーっと広がったんです。non・noができた頃で。出したお菓子がチーズケーキだったんですよ。外国で学んできたものの一つだったんですけど。それがたちまち、全国チーズケーキだらけになった。
編集長がほめてくださったんだけど「わたくしの発想ではなくてね、ヨーロッパに長く伝わる伝統のものなんです」
と言ったら
「伝統は永遠の流行なんだよ」
とおっしゃったんです。その言葉がね、私にはずーっと支えで。
新しいものは変わっていっても、伝統を大事にしながら、育てながら守るということが分かったんです。
アフタヌーンティーの歴史
今になってみると、アフタヌーンティーが流行ってるじゃないですか。
19世紀のイギリスで、ベッドフォード家という貴族のお宅がありまして、そこが発祥でアフタヌーンティーが流行ったとありまして、そこを訪ねたんです。狭いから三段にしたんですね。いまはみんな三段。夫の悪口を聞いてくれる集まりだったらしいんです(笑)そういう時代から、夫の愚痴を。政略結婚ですから、ああいう世界ですから、悪口を言った後はニコニコなさるんだと思って。いまの時代、もっと厳しい時代ですからね。生きてらっしゃればいろんなことありますからね。それで安心してアフタヌーンティーを楽しんでらっしゃるのではないですか。
母の言葉とヨーロッパ行き
徹子:今田先生は、大学卒業後、22歳で割と早く結婚なさって。はじめ、専業主婦でいらしたのね
今田:そうです。二人の息子と娘、小学生ですね。その時に外国から初めてスイスとかね、外国の菓子専門学校や、業界の団体があるって聞いたんです。母に1ヶ月間、たのんだんです。
そしたら「子供の面倒は見るけど、そういうことを許してくれない夫だったら、いざこざに関わるのはまっぴらだから」と言われたんです。それは夫にも聞こえるんですね。
なにしろ行ってみたい、もう大昔ですよ。ちょうど36歳で、1971年ですから。行かせてもらうのに、明治生まれの強ーい両親ですから
「自分たちの時代はとてもできないし言えないことをするんですから。これからの時代は、洋風の生活。お菓子なんてみーんな好きなんだから、少しでも覚えてきてみなさんに知らせるような人になりなさい」って言ったんです
湯河原から遠くのあこがれのヨーロッパへ行くんですから。ただ行ってみたいだけなんで、ただ、はい、はいと頷いて行ったんです
ドイツの国立の専門学校、スイスにも行きました。オーストリア...いちばんびっくりしたのは、小さなマドレーヌ、チョコレートボンボン。どこの国にも、有名なものを持ってるんです。お菓子屋さんを育成するのが国立の学校。伝統の同じ形、同じ名前で普及してるんです。お菓子は文化だと思って。おやつではないということに気が付いたんです
いろんなところにいくとね、お菓子じゃなくて「どうしてこんなに元気なんですか」と聞かれる。年齢のことを皆さんお聞きになるんですよ。
許してくれた優しい夫も、7年前にあの世に行きました。ですからひとりになると、朝食を大事にする。まずしっかりはやく、6時ごろ起きて。朝食は一人でも十分なごちそう。手をかけるんじゃなくね、野菜をとるんです...
徹子:だけどやっぱりくよくよしたりしない?
今田:世界中誰だって悩みは山ほどあると思うんですね。その日に整理整頓しといて、忘れることですね。
幼少期に熱射病になったエピソードも
湯河原の別荘はイギリスのジョサイア・コンドルが建てた東京帝室博物館(現・東京国立博物館)移築の一部。現在は有形文化財になっている。
今田美奈子先生 pic.twitter.com/T34Lp8PD3y
— ぶんこ「レトロ菓子本はお好きですか?」資料性8/10 コミケ8/12 (@bunkoayako) June 18, 2024
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74年、フランスのブーブレ・ド・シャンプロよりシュバリエの称号を受ける