アレックス・ラミレス
生い立ち
寺島:外国人選手の中で一番明るいな、って思っていて(笑)カメラの前でパフォーマンスしてくださって。とっても親近感がわいて。だから人気の秘訣もそこにあるのかな。どんな子どもだったのかな、って思って
ラミレス:good boy(※以下日本語訳テロップ文字起こし→)いい子でしたよ。他の人はそう思ってないかもしれないけど。算数だけは得意でした。他はダメだったけど。
寺島:いつ野球に出会ったんですか?
ラミレス:6歳の時路上で野球を始めました。誰もグローブを持ってなくて、牛乳パックを切ってグローブ代わりにして。ほうきをバット代わりに、ボールは靴下を丸めてテープで固定。”ストリート”が野球場でした。
(16歳の頃)プロチームと契約すればボーナスがもらえ、家計を助けることができました。お母さんは(契約時)泣いていましたけど
「応援するけど、やるなら全力でやりなさい」それで野球に集中し、2年後プロになれました。
メジャーリーグと日本の野球の違い
ラミレス:日本に来た当初は、1年間だけお金を十分稼いで、アメリカに帰ろうと思っていました。メジャーリーグからくる選手は無意識に、日本の野球を見下していることがあります。メジャーリーグ以上のものはない、でも私は来日して、日本の野球はレベルが高いとすぐに気づきました「お前らに教えてやるぞ」でなく「日本の野球を学ぶんだ」と考えを変えねば、ね?
寺島:メジャーとの違いは
ラミレス:いろいろ違うけど、まずは日本の文化、Japanese's bunkaと同じようにあまり変化がないことです。メジャーリーグは毎年トレンドが変わります。
外国人選手にしてみたら「なんで初回からバントしなきゃいけないのか、何で日本はこうなのか」ばっかりです。メジャーリーグではこんなことしないよ!ただ日本でプレーしてるんだから、日本の野球を理解しないといけない。
日本の野球は基礎レベルがとても高い。みんなすごく練習する。それがすごくユニークですね。メジャーリーグの練習は3~4時間。その後はゴルフに行っちゃう(笑)メジャーから来る外国人選手の多くは、2~3ヶ月トレーニングせずに来日する。開幕まであと2ヶ月あるから大丈夫だと思ってる。
日本で学んだ3つの精神とは
”ショウガナイ”シチュエーション
寺島:That's Japan 日本的よね
ラミレス:旦那さんには「しょうがない」って言わないでしょ
ハイ!ワカリマシタ、ガンバリマス
ラミレス:外国人にとってこの3つに対応するのは簡単ではありません。旦那さんも同じだと思いますよ。でも私たちは日本に住んでるんだし、日本で成功したいと思うんだったら、自分が日本にアジャストしないと、日本が自分にアジャストしてくれませんから。メジャーでは私はレギュラーじゃなかったんですね。日本に残ると決めてから状況はよくなりました。より日本の野球に合わせるようになったので。
※アジャストとは
目的や状況に合わせて少し変える
adjustの意味・使い方・読み方|英辞郎 on the WEB
自分でさえ忘れてしまったパフォーマンスをいまだにおぼえているファンもいて、そういう愛情があったので、これだけ長く日本にいられたのだと思います。
監督采配について
ラミレス:監督として大事にしていたのは数字(データ)です。自分は分析監督です。判断の基準は80%がデータ、20%が感覚によるものです。多くの人から「ラミチャン監督の采配は理解できない、突拍子もない」と言われましたが、デモソンナコトナイ。データをしっかり分析すれば、私の采配理由がわかるはずです。監督の時は毎日15ページ分の統計資料を読んでいました。
寺島:データってだいたい当たるんですか
ラミレス:いやいや違いますね。だからこそ80%なんですよ。選手への接し方には注意が必要です。教えるというのは上から指示することではなく、まず選手に考えさせて、それから問題を修正していくのです。
調子の悪い選手を起用し続ける時、我慢する理由をコーチやスタッフに説明しなくてはなりません。監督として最も難しいことですね。選手には「必ずチャンスが来るから準備しておいてくれ。大丈夫。今日は休みじゃないぞ、準備だ」と伝えます。