かいけつゾロリ
ギネス記録
同一作者によって物語とイラストが執筆された、単一児童書シリーズの最多巻数。2023年1月現在72巻、累計発行部数3500万部以上。
誕生秘話
中山 ギネスおめでとうございます。うちにも何冊もある。かいけつゾロリは必ず子供たちは通ってきたんですね
原 自分ではピンと来てないですね。いま73巻を書かなくてはいけなくて
中山 もう己との戦いですね
中山 主人公のゾロリは、正義の味方ではないですよね?
原 ほうれんそうマンという、ぶたの正義の仲間がいたんです。
中山 ストーリーは違う話になるんですか
原 みづしまさんが書かれた、わたしは絵描きだった。7作目ぐらいで本が売れ始めた。で「いいな~ヒットの兆しがある」と。でもくたびれちゃって、新人の方で、ちょっとおやすみしたいという話になった時に、ポプラ社も私もあわてたわけです。
中山 これからという時に。
原 敵役を(中心に)お話に出して、それでつないで、書けるようになったらまた戻ってくればいいじゃないかと考えたわけです
中山 今でいうスピンオフ的なことでしょうけど
原 そうです。ただ悪者ですから。悪者が主人公の本を学校の図書館に置くのは変な話ですよね。そういう意味で、子どもが安心して読める童話でなくてはいけない。じゃどうしたらいいか。「悪いことをしても全部うまくいかない、だからやめようよね」という逆説的なお話として書けるとは思ったんですよね。
中山 結局罰は当たるんだよというストーリーになると
原 戦わないがコンセプト。僕らも月光仮面だなんだのってあったけど、戦いものが多すぎて、これじゃ戦争終わらないなと。だからオナラとおやじギャグで戦うことになるんです
中山 身一つで(笑)
原 オナラとウンチ、そこは通らなくちゃいけない。ピストルで撃つよりも、おならでくさいから戦意喪失のほうがいいじゃないですか。
愛の不時着 シナリオ構築法
原 白紙の原稿用紙がドカッときて「私は何をしたらいいんだ」誰にも文句付けれないじゃないですか。映画が好きで、映画監督になりたかったんです。かけれなかったけど、映画も落語も好きだし見てたから。苦肉の策で、好きな映画や落語を2,3本まとめて子供の話にできないのかなと。今はネタが尽きてるので、本を書き終わったら必死に映画見て芝居見て、本読んで
中山 常に吸収をしながら。噂で聞いたんですけど先生「愛の不時着」にかなり興味をお持ちに?
原 あのね、あれはすごく好きで。ご覧になりました?
中山 観ました
原 映画いっぱい見てるから、もうだいたいこんな話だろうとか分かっちゃうじゃないですか。それなのに涙したり、次どうなるんだろう?とわくわくしちゃった。なぜ私はワクワクさせられたんだろうと悔しい思いがある。それでちょっと分析をして。ビデオ止めながら。16本の各分数、こういう事件が起こったという。何分で事件が起こったかと表にして、どう事件が絡まってくるのかというところを整理するんですよね。
中山 これ先生手書きですね。熱狂的ななファンでもここまで書き起こしてる人はいないと思うんですけど
原 お話を書くことを勉強してないから、プロとしていかがなものかと思い始めて。ハリウッドのシナリオの書き方の勉強を読んでいって。ハリウッドの映画は台本1枚が1分ていうシステムなんですよね。だいたい15分で事件が起きる。かいけつゾロリは103ページ。1ページを1分と見立てると、15ページまでに事件が起きんないと、ダレる。
中山 確かにテレビもそうですね。15分何もなかったら見ないですもんね
原 世界中誰が見ても面白いように、ハリウッド映画は作られているんですね。
中山 ゾロリにこれだけ展開の思いがあったとは。もう1回子どもに読み直させます(笑)
『シューイチ』という番組を見ていたら【世界記録!35周年かいけつゾロリの秘密】というインタビューが放送されていた。
— ISAO.I (@ISAOI9) January 15, 2023
お名前は知っていたが「かいけつゾロリ」は読んだ事が無く色々と作品作りの経緯を話しをされていたが、やっぱり凄い方なんだと改めて思った🙂 pic.twitter.com/gwTsHACz1k
初期「かいけつゾロリのドラゴンたいじ」大きなおにぎりに追われる場面は「インディジョーンズ」パロディ。大かいじゅうはゴジラをモチーフ
秘訣
原 子供のあるあるをどう見つけるか。私意外と子どもの頃の嫌なことって覚えてる。ガムの当たりを引くとき、真剣じゃないですか。お金もらって買いにいって、ギャンブルですよ。チョコレートじょうの時、ブルルっていう悪賢いのが絶対当たらないチョコを作ったんですよ。三層のチョコの真ん中の白いのが当たり。これはいちばん上のチョコをきれいに舐めないと当たりが出てこない。でもふつうぱりぱり食べちゃうじゃないですか。すべて当たるけど絶対に当たらないチョコ。を作ったんですよ。それをゾロリは「いやしんぼなめ」と呼んで、いやしくも毎日楽しみたいから上だけぺろぺろ舐めて。子どもがみんなまねして親に文句言われた
中山 僕のマネージャーが、心に残ってるシリーズがそこなんですよ。30歳なんですけど今でも覚えてる
原 子どもの気持ちってそう変わってないというか。
中山 72冊って言うと、100冊までは
原 うーん、どこまで書けるのかとか、やっぱり全部面白かったねと思われたい。本が好きな人にとっては、違う世界に連れてってくれるから。一つの娯楽じゃないですか。ちょっと本が面白いとか、文章が読みたいなと思ってる、ほんのひとかけらのきっかけになってくれたらすごくうれしいな
【お知らせ】
— かいけつゾロリ ポプラ社公式 (@zororizz) January 12, 2023
1/15(日)朝7:30~10:25日テレ系にて放送予定『#シューイチ』にゾロリシリーズ作者・原ゆたか先生がご出演!☝
番組内コーナー「中山のイチバン」にて、作品づくりの裏側について深堀りしていただきました。
収録は大盛り上がり👏
どんな秘話が飛び出すのか…ぜひご覧ください🦊 pic.twitter.com/A4NHEzQ08U