武豊
パドック
武:調教でその馬に乗っている場合もあれば、レース当日に初めて乗るケースも。ここで乗って20分後にはスタート。
郷:割と間髪入れずに行くんですね。初めて乗る馬は、いったいどういう馬なんだろうとか、どういう性格かなとかいろいろ探ったり
武:そうですね。どれぐらいの反応がある馬なんだろう(馬には)ブレーキ、ハンドル、アクセルがあって無いようななので、それをなんとなく探っている時間ですね
検量室
武:控室(検量室)ですね。準備したり、レース後もここに帰ってきて。我々は体重を常に量らなきゃいけない。軽い方が速く走れるので、みんな平等にが基本。決められた体重、例えば55キロなら55キロに合わせて。レース帰ってきたらまたチェック...
郷:じゃ、太れないってこと?
武:そうですね(笑)
郷:厳しいですね
ロッカールーム
武:レースとレースの合間待ってたり。1日何回も出るので。多いときは10回ぐらいレースに出る
郷:1日何レースぐらいあるんですか
武:多いときは12レースぐらいあって。決められてるのは、騎手の体と鞍とかも含まれた重さ。鞍が重いと体を軽くしないといけない。(ムチは)合図。馬に痛い思いをさせるんではなくて、ゴーサインです「全力で走っていいよ」っていう
郷:解き放つ感じなんでしょうね。落とすってことはないんですか?
武:ありますけど(笑)もう手で行きます(笑)
休日、体重制限
郷:実は馬が大好きなんです。馬がジャンプしますよね、それをやった経験があるんですよ
武:そうですか。なかなか障害飛越は、かなり何回も乗らないとできないと思います
郷:今までにどれぐらいの試合をされてるんでしたっけ
武:正確な数字はわからないですけど、2万レース以上は乗ってきたと思います。土日がレースなので、毎週出てます。
郷:毎週ですか、それはすごいな。お休みはないんですか
武:ま、月曜日が基本オフ、休日なんですけど。火曜日からは調教、運動ですね
郷:体重をずっと維持してないといけない。食べるものとかは制限あるんですか、
武:個人個人で。僕は慣れですけど、なんとなく、体重のことを全く気にせずずっと好きなものを食べることは、今まで一回も経験したことがない。
郷:ご自分で自動的に制御されてしまうんですか
武:これ以上食べないほうがいいかなぁとか、何か決めてるわけではないですけど、なんかそんな気がするな、とか。ま、だいたい51キロから53キロぐらいなんですけど。手首とかで大体何キロ、ちょっと重いなとか
郷:わかるんですか
武:わかるようにいつの間にかなってますね(笑)腕時計のゆるみで「ちょっと重いな」
郷:でもその違いも多分何百グラム
武:100g、200gぐらい。51.6ぐらいかなと思って体重計に乗ったりというのを毎日のようにやってたら、だいたいわかるようになってくるんですよね。
郷:でも僕たちが聞いてるとすごく大変だなと思いますよ。
落馬事故
武:レース中、落馬事故は時々ありますし、僕自身も何度か今まであります。骨折は6回ぐらいですけど。よくないんですけど、騎手だとケガに麻痺してしまう。たとえば誰かが転倒して「鎖骨で済んだ」「肋骨3本だけだった」みたいな。もうだいぶ慣れましたけど。
郷:いや、そんなことに慣れてもねぇ(笑)ちょっと。やっぱ恐怖心はないんですけねぇ
武:乗りたくなるんですよね。レースに出ないと何もできない、レースに出たいとなるので。多いときは20万人が詰めかけて、その中で馬に乗って先頭でゴールを切るのはただ一人のジョッキーだけなので、最高の瞬間なんですよ。騎手しか味わえないし、選ばれた騎手しか味わえない。そこをみんな目指す一番の魅力かもしれない。
郷:だからずっと続けられる。最高の瞬間
武:ケガもあったり、しんどいこともあるんですけど、たまにすごくいいこともあるので、そういうことがすごく励みになるし、自分の中でエネルギーになって続けていけるのかな
郷:それも一緒なんですよね。僕たちも歌ってて、ヒット曲がしょっちゅうあるわけじゃなくて、ポツ ポツ ポツってたまにある。。でもそれがあるからこそ、ずっと続けていられるんだろうなと思うんです。いろんな歯車がかみ合っているんです。いい歌だ、いい詞だ、いいアレンジだ。でも最後に、このちっちゃな、人々が求めてるパーツが組み合わさったときに、ヒットという大きな車輪が動き出す
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(父・邦彦さんは騎手を志すとき)「あぁ」という感じですごく喜んでたんですけど、何も言わない人なので、何か教えられたことは全くなかったんです。勝つ秘訣?あれば知りたいです(笑)