子育て
後藤 エレナはとにかく日本に住みたいと。
阿川 今別々ですか
後藤 そうですね。今までもロンドンで一人暮らししてたので。彼女は大丈夫です。独立心旺盛な女の子で、もうたぶん、14歳15歳ぐらいで独立したかったんだと思います。でもそれは無理な話じゃないですか。だから親元においておくのが大変だったので
阿川 ３人いらっしゃる
後藤 はい。うちは20歳の長男（ジュリアーノ）がレースしてるんですけど。（写真を見て）なんか変な顔してる（笑）
阿川 親子でレーサー
後藤 元レーサーのパパも、息子のレースに夢中だから。たぶんジュリアーノは、しらっとレースをこなしてるんだと思う。ジャンの方がドキドキドキドキしてると思いますね。
阿川 お子さんたちは、お母さんがゴクミとして日本で大変な人気だったことをご存知だったんですか
後藤 う～ん、どうなんでしょうね。一番よく知ってるのはエレナじゃないかな。男の子達は別に。あんまり興味ない
阿川 エレナさんなにかおっしゃってます？
後藤 前からなにげに母の仕事には興味あったんじゃないですか。こそこそ調べあげてたんだと思う「ママはあの時のドラマどうだったの」ポロっと聞いてきたりしてるので「あら、あなたそんなの見たの」
阿川 あれだけ日常でスター的に扱われて、嫌になる気持ちもわかるけども、一転して家族だけのために毎日「ハンカチ持った？」そういう生活が始まるわけでしょ。異国だし、美しいおうちで
後藤 いやいや、子育てはどこでしても大変だと思います。まずゴミ箱扱いですしね
阿川 ゴミ箱？
後藤 だって食べて「はいママ」ゴミ箱があったら捨てるかもしれないけど、自分のポケットに入れて持ち帰って家のゴミ箱に捨てるなんて子供います？まずゴミ箱扱いですよ。３人目が7～8歳になった時に「はいママ」って言われた時にさすがに怒りました「あたしゴミ箱じゃないのよ！」（笑）「ゴミはゴミ箱でしょ！ここにゴミ箱ないんだったら自分で家に持って帰って捨ててちょうだい」やっと言えるようになりました。上２人に関しては当たり前という感じで「あ、はいはい」
記憶の中で今もきらめく曲
Prince/ Little Red Corvette
Prince - Little Red Corvette (Official Music Video)
阿川 いつごろ好きだったんですか
後藤 小学校3～4年の時だったと思います。この曲が出たのが。６歳上の姉が居るので。当時小林克也さんのベストヒットUSAって、外国の曲のプロモーションビデオずっと流してる番組があって、姉の影響で見ていて。この曲が出たときにかっこいい、日本で生活していたらお会いできないような。心に染み入る、なんだろ、リズムだったのかな。一目惚れですね。多分自分の好みが、幼い頃からわかっていたんだと思います。だから今でも大好きな曲だし
生い立ち
阿川 3年生でプリンスを聴いたり。デビューする前？
後藤 そうですね。子供モデルをし始めたかその前か。元々子供モデルをしていまして。母がたまたま見つけた子供モデル募集、オスカープロモーションに写真を送って入ったんです。
阿川 お父様は
後藤 父は嫌がってました。なんだかよくわからないから、理解できないから。出てる写真を見ると嬉しいんですけど、でもなんかちょっと嫌だなって感じだったんだと思います。みんなお父さんってそうじゃないですか。娘が芸能界に入るって
阿川 末娘でしょ
後藤 顔ソックリな、可愛い可愛い娘だから
阿川 お父さんゴクミみたいな顔してんの？
後藤 もっと色黒いです（笑）
ゴクミブーム
阿川 大河は12歳。どんどん仕事が増えてって
後藤 忙しくて忙しくて。学校と仕事、そのうち高校受験があったり
阿川 普通の学校に通ってらしたんですか
後藤 はい。だってねえ、仕事をしてるので学校に行ってまで芸能人と出会うって考えられなかったので。私生活は私生活と思っていたので。仕事は仕事。自分を見失ってはいけないと思っていた。
阿川 嫌なこともいっぱいありました？
後藤 もちろんありました。
阿川 どんなこと？
後藤 え～...多分ね、嫌なこととか嫌いなこと、嫌いな人、嫌いだったことって、忘れられるように人間て出来てるじゃないですか。いつまでも怒ってるのって、それはもう故意に無理矢理怒り続けてるから怒ってるんだって。だからね、思い出せない。
阿川 抹殺しましたな
後藤 そうかもしれない。顔見たり名前聞いたりしたら思い出すかも知れないけど（笑）
21歳で結婚
第一印象
後藤 この人なら信頼できる。家族にも会って。素敵な方たちだと確信し。そうか、この人と家族を作るのかと思いました。
阿川 この人なら信頼できると思ったのはどこで
後藤 第一印象じゃないですか。いつも人に会うと感じるじゃないですか。阿川さんなんていつもたくさんの方にお会いになって、はじめまして、となった時に何か感じません？
阿川 感じ悪いとか（笑）
後藤 私受け入れないです
阿川 はい？
後藤 はじめまして、と会った瞬間から「この人とは二度と会わないだろう」とか「私の人生には要らない人だ」すぐ削除していく。狭いんですよ。
阿川 へえ。きっぱり見えるの？
後藤 大きくみんなを受け入れて、というキャパがないんだと思いますね
阿川 自分の感覚が鋭いんじゃないですか
後藤 それが私に合ってる感覚というだけで。善し悪しだと思いますけどね
渡仏
後藤 仕事の方はね、オスカーの社長さんにも大変な思いをさせちゃった。いえ、怒られないですけど。笑い飛ばしてましたけど。「いえ、家族を作ろうと思ってるんです」「そうか、わかった。社長が何とかするからまかせとき～」みたいな感じ
阿川 懐の大きい社長さんで。いよいよお嫁に行って、お父さんはどうだったんですか
後藤 言わないでいっちゃったの。１ヶ月後ぐらいにジャンの両親と私の両親で交流を持ちましょうということで呼んで、そこで「実はパパ、おじいちゃんになるのよ」ニコニコしてたけど大汗かいてたかも。その前、東京にいるときに、真剣に付き合ってる人がいるんだと。だから受け入れて欲しいという話はしてましたけどね
復帰まで
阿川 仕事に復帰したいと思われたことはないんですか
後藤 たぶん、こう、なんだろうな、テレビなんかつけてたり、見てて「ここに私の居場所はないな」って思うこともありますし。
阿川 日本の番組を見てて
後藤 そうなのかなあ。もともと出たがりじゃないんですよ。だからこういう人生を歩んでいると思う。カメラ周りの仕事じゃなくていいんじゃないかなと思ったりしていて。自分にはほかにも何か出来ることがあるんじゃないかと、探していたんだと思います。
阿川 女優という仕事じゃなく
後藤 はい。
阿川 日本に帰りたいと思うことは
後藤 ないですね。親きょうだいと時間を過ごしたいと思いますね。彼らがヨーロッパに来てくれるならそれもよし
阿川 じゃ、日本に対するホームシックとかはない
後藤 まだないですね。親きょうだい、友人、食べ物。日本で恋しくなるのは。一つ挙げるのは難しいです。好きなものはたくさんある。ふぐ。あれは冬に帰ってこないと頂けないので。今回フグ食べる時間とってなかったな。
※あ、ラストナンバーがない。寅さんに関しては横尾忠則さんが怒ってたりいろいろあるよね。
