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徹子の部屋 岸惠子 89歳 娘の戸籍とカード詐欺の話

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服の話

岸 着物を着ると日本がズシンとくる。なんとなくしとやかっぽくなる。芯まではどうかわからないけど。
わたしあげちゃうくせがあるんですよ。洋服も。欲しいと思ったら買っちゃって、着ないとあげちゃったりするので、
人が訪ねてきて「あぁら、それ素敵ね」「貸して」つまり、あふれちゃうわけ。徹子さんもそうでしょ?
徹子 また着るってこともあるから
岸 私はあふれかえっちゃうのが嫌で。

徹子 私はバザーとかで、身寄りのない人に、子供たちのおうちのためにさしあげたり
岸 でも着てらっしゃるのがあまりにも素敵で
徹子 あげたりすると、お嬢さんが「あげないで」
岸 1回しか着なかったりするともったいないので、ついあげたりしちゃうの。
徹子 お嬢さんは着物は着てらっしゃるの
岸 結婚式で着たりしたんですけど、見ていられないの。電信柱に着せてるみたい。

しわと花粉症

徹子 派手な着物でも良くお似合い。かわいい
岸  もう、かわいいって...すごいの。シワシワで
徹子 どうして。全然しわしわじゃないわよ
岸 今お化粧してるからじゃない?普段すっぴんなんですよ。久しぶりに化粧したらすごいの。シワで。口紅でもなんでもすぅっと引けないの。山あり谷ありでひどく。
徹子 でも全然そんな風に見えない
岸 そうぉ?遠いからよ
徹子 でもこんな近いでしょ
岸 だから映像に映るのが嫌で。今度舞台をやるんですけど、舞台だったら今度は声が心配。花粉症でノドまでやられて大変なんですよ。緊張してると止まってくれる
徹子 涙も出る
岸 ポロポロ出るの。大変よ

戸籍の話

徹子 たった一人の家族なのに、日本の戸籍謄本に載ってない
岸 載ってないの。それを最近知って。父が亡くなった時に母の持分を娘に相続してくれて。その時に戸籍抄本見せられた。結婚は記載されてるのに、離婚も娘の出生も書かれてないんです。そうすると困っちゃうわけ。パリの日本大使館に行って、フランスの出生届と家族手帳見せて、しかるべきところへ。もうややこしいの。すごいの。

徹子 で、結局お嬢さんはあなたの子供になったの?
岸 なってないの。去年行ったんですよ。11月に。行った途端に黄色いベスト運動が始まって。大使もたいへんよくしていただいて。だけれど日本の領事部は「日本の法律で生後3ヶ月以内にパリの領事館に出生届を出していなかったからあげられません」結局入っていないんですよ。あたしなんか悪いこともしてないのに。あたしやつれ果てて。娘が「ママ、法律がなんといってもあたしはママの娘なんだから、手数はかかるかもしれないけど落ち込まないでゆっくりやって」のんきな子なんです。くるりときびすを返して、フランスの、日本語のわからない家庭に帰る。私は日本に。東と西に親子ふたりが別れて。なんだかすごい切なくなった。舞台が終わったら娘の戸籍を記載するところに入れてもらうためになんかしなくちゃと思って。
私一人っ子で娘も主人だった人も一人っ子。身内がいないんですよ(孫ができたことは)良かったと思う。

カード詐欺に遭いかけた

「愛のかたち」を出した時に編集の人と待ち合わせたのね。うちに迎えに来てくれることになってて、その時間に電話がきて「もう出来てるわよ支度」言ったら女の人が「岸惠子さんですね。カードを無くされました?最近」聞かれて「どうしてそんな事お聞きになるの?」「今、有名な百貨店の時計売り場にいるんですけど、あなたのカードで時計を買おうとしてる人がいます」言うから「そんなことあるわけ無いでしょ、同姓同名じゃないですか」「身分証明書を出さないから、カード会社に調べたら、これは岸惠子さんのカードですと言われてお電話してるんです」あたしそういうのはスグ胡散臭いと思う。声がなんとなく変だったから「時計売り場とおっしゃったけど全然物音が聞こえませんね」瞬間黙って。怪しいな、と思ったら「いえ、私は責任者ですので別の部屋にその人と一緒にいます」「その方なんていう名前?」「あたしは一店員にしか過ぎないので警官がくるのを待ってます」変なことがあるなと思って切って。実に頃合よく電話がかかって、実に警官らしい声で「岸惠子さんですね。カードをお失くしになったことないんですか?」「あるんですけども、その方名前言わないんですよ」「警察ともあろうものが、詐欺犯人だとおっしゃりながら名前も聞けないんですか」「いや、これから調べてすぐお電話します」「私はこれから出かけますから電話しないで」「じゃ、明日電話します」
私編集者の人と百貨店の時計売り場まで行ったんですよ。確かめようと思って。まあすごく綺麗な30代の女性が「私が責任者です」私がきいた声はダミ声だったの。「今朝から四件ありました、カード詐欺が」ビックリしちゃって。戸部警察の木村です、それがいかにも本当らしいの。詐欺か本当か五分五分だったの。三十万の時計だって言うのね。結構安く踏まれたと思って憤慨しちゃって(笑)

もうひとつは電話かかって「ご注文の品を30分でお運びします。二万九千円」私代引きでサプリメントとか買うんですよ。お手伝いさんが頼んでくれたと思って「何?」とたんに声が変わって「食料品で~す」変だと思って「私食料品なんか頼まないわよ」「確かに頼みましたよ。忘れちゃったんですか」「頼まないわよ」「じゃあボケちゃったんですか」「そうかもしれないわね年だものね。どんなボケ方をしたか見に来る?私も人数集めて待ってるわ」がちゃんと切ったの。そういう電話が2、3回あったの。買い換えたいけど機械に疎いんですよ.。夜かかるとパリの娘かと思ってとっちゃうんですよ。この頃は「お忙しいのにすみません」て言うと切っちゃうの

若さの秘訣は孤独

私たったひとりで生きてるんですね。横浜の家、両親の実家に住んでますし、もう古いんで直すこともないんですね。パリのおうちは400年経ってるから二階が下に落っこったりして(笑)裁判をやってる最中で工事費が大変だった。建物とか底が抜けたとかセーヌ川が氾濫して壁が剥がれたとか、手が抜けないほどすっごくストレスが溜まってるの。シワなんか作ってる暇ないの。ホントはいっぱいあるんですけどね。つまりある種の見えとハッタリ。綺麗じゃないです。歳なりの顔になりましたけど。今の人間に将来のことは知りません、医学とか発達して、今現在の人間に100までたったひとりで生きてく力は、あたし、無いと思うんです。自分のやりたいことをやって人の役にも立たなくなって、希望がなくなったらさっさと死にたい。孤独は道連れに、取り込んでしまえばいいんですよ。孤独は宝物。ポケットに入れて身にまとって。それしかないんですよ。(娘が)結婚した人が英語だから、本当に疲れます。全部身にまとって立ち上がれる。5月から舞台をやるのに、忘れっぽくて、昨日読んだ内容も忘れる。これほど私に力があるのかというくらい頑張りましたねえ。

土曜スタジオパークで「君の名は」プロデューサーに「風船ゴリラ」とあだ名をつけた話などを(2019.8.3放送)