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岩井俊二のMOVIEラボ シーズン2 #3 恋をする 長澤まさみ 是枝裕和(抜粋)

恋愛モノは難しい

ニーズが高い。
ジュニア:おふたりの関係はどうなんですか?普段からいろいろ
岩井:映画祭なんかでちょいちょいお会いしている・・
是枝:同学年なんですよ。僕なんかは岩井さんがデビューした時テレビのアシスタントをやりながら「うわ、こんな同い年が頑張って、テレビの世界から出てきたんだ」僕らも頑張ろう、と。
ジュニア:是枝さんどうですか「恋」というテーマは
是枝:そんなにやったことないんですよ。自分でやろうとすると恥ずかしくなっちゃう。別に見るのが嫌いなわけじゃないです。恋愛ドラマって難しいですよね。
ジュニア:まさみちゃんどうですか「恋をする」というテーマなんですけど映画においていろんな恋を、ねぇ・・映画の中で
長澤:ありましたよね
ジュニア:え?ありましたよね!!こう見えてね、恋してるんですよ(笑)共演の人と実際もなるって話聞くんですけど全然ならへんかった(笑)どうですか?
長澤:疑似体験できる感じがいいんですよね。映画を見て自分にはない恋に対しての向き合い方が、映画から見えてきて。背伸びしたような作品見ると、こんな恋がしたいなと憧れたり、等身大の恋の作品だとこんなふうに自分もアプローチしたらいいんだって、逆にお手本になるような気がして、恋をするのがいいなあと。

2009年。

四月物語

雨に降られるという受身の状態でする行動と、ここは自分の意思で行こう、という行動と、どっちに行くのかって。そこまでは偶然の連続なんですよ。先輩に傘を借りて、先輩から改めて傘を借りれるという状況。ここは自分の意思で動いて

是枝:「これがいいです」の「が」が大事。前半ずっと引越しのところもサークルに誘われるところも、受身で来た彼女が。あそこで言い直して「これで」じゃなくて「これが」って言ってる。彼女の意思が出てくる。それで前半丁寧に丁寧に行ってたんだなと。このために前半があったんだな。素敵なシーン。
岩井:長澤さん困りません?あまりにも綺麗すぎて普通の日常に入れたいのになかなか・・時々ありますよね。どうなじませるか
絶対あると思います。
長澤:松さんとかはひゃくはち・・360度どこからとっても素晴らしい。私は難しい方だと思う。
ジュニア:よういいますわ(笑)どれだけキュンキュンさすんや!(笑)
飯豊:聞きたいこと・・傘がたくさん壊れてたじゃないですか。それって何で全部(笑)
岩井:僕本屋さんでバイトしてたことがあって、置き忘れていったような傘が裏のスタッフルームとかにあるんですよ。雨降った時お借りしようと思うと、だいたい壊れてる。そのバイト時代の記憶がまずあった。あそこは「ぱっと借りて終わり」にすればそれでよかったんですが彼女の意思じゃないところで止められるわけですよね。壊れてる。そこでまた時間が手に入ってやりとりがあって・・このあと傘を返しに行くんですが、そこで音楽が最高潮になるように作ったりとか嬉しくてしょうがないところだろうとかいう感じで、乙女心を演出した。
ジュニア:計算し尽くされているんですね。


海街diary

上司と訪ねた馴染みの街で、店主から余命が長くないことを告げられる。

ジュニア:「恋をする」感じはあまりしないと思うんですけど。
是枝:そうですね。話題も仕事の話ですからね(笑)
ジュニア:このシーンにこだわられたことは?
是枝:でも恋してるんだよね。彼の背中をこう追って立ち上がって追いかける、そのぐらいしかいってないですけど、この瞬間に仕事仲間から別の存在になったんですみたいなことを、言いましたかね僕
長澤:うん、言ったと思います。
ジュニア:覚えてます?長澤さん?
長澤:・・たぶん・・(笑)
ジュニア:覚えてませんやん!(笑)覚えてませんやんアナタ(笑)
長澤:でも確かに恋するシーンで、いつもなんかこう、頼りない人って、頼りがいある人に見えた瞬間のシーンだから、男の人として意識するきっかけだった。
ジュニア:今動きつけはった言ってたんですけど、セリフとかどういう感じだったんですか
是枝:基本的にはその人の言いやすいように、任せることが多いですし、今みたいなシーンなら間合いをふたりで作ってもらって。
ジュニア:監督の作品ってすごく自然な感じ多いじゃないですか。「ここはこうして」ってあんまり注文つけすぎないから。
是枝:でもね、ほっとけば自然に出来上がるかっていうとそうでもなく、多分自然に見えるところほど手は入れてたり、逆に役者さんがこだわってたり。 

映画監督たちは恋をどう演出するのか

岩井:サイズ感が色々変わってくる。お芝居見ながらさじ加減、カメラマンも含めていちばん考える。
ジュニア:カメラマンの意見も多いでしょ?
是枝:そうですね。ガイドのコンテは書きますけど、お芝居見てみて最終的には現場で決めます。
ジュニア:手持ちもあるでしょうし。
岩井:手持ちも難しいんですけど手持ちの難しさって、カメラマンそこにいるのがある程度わかっちゃう。「撮ってる」ってカメラマンの意思が大事。どうしようかなって思ってると迷いが映っちゃうんですよ。意外と持たない。お芝居進行しなくなっちゃって無駄な動きが映ったり。
是枝:逆に手持ちにしたことで、ある程度説明できる。リハーサルやってるとき、ちょっと先回りして動けちゃう。それ役者さんすごく気になる。
岩井:横で動く。本来人がいちゃいけない位置でカメラマンとしてそこにいるわけじゃないですか。だからそこにいない、役者さん気にしなくていいオーラを醸すのが高等技術で難しい。

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離

是枝監督おすすめ。
アメリカ人男性とフランス人女性が1日過ごすだけの映画。
こういうシンプルなものを撮りたい。

ユー・ガット・メール

長澤まさみおすすめ。
メールだけのやり取りをしていたが会うことになり
片方は気づいたのに、片方は気づかないというシーンがお気に入り。
ふたりがすごく可愛くて。今みたいにインターネットが普及してない時代ですから
メールがくるのが待ちどうしくて、誰かわからないのに恋をして初めて会う。
恋するやりとりがいいなと。

時間の情報量のずらし方がうまい(是枝)

マディソン郡の橋

岩井監督おすすめ。クライマックスが名シーン。

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