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メモ代わり。ジャンルも気まぐれ

【感想】プロフェッショナル仕事の流儀 バーテンダー 岸久 カクテルは人生の味。

今回の舞台は、銀座の地下。

13坪、20席の小さなバー

開店前は顔の体操で表情を和らげる。開店15分前、ミーティング中、まだ食べてる。ひとたび客の前に立つと・・
1秒間に5回以上ひねる。インフィニティ・シェイク。液体に含まれる泡を氷が砕く。「やり始めて20年でこんなものかと思った」
Hisashi Kishi / Sidecar - YouTube

ジャック・ローズは生のザクロを搾る。サイドカーは他と違い、空気を多く含み、味もまろやか。マイクロバブルが無数に含まれている。見ているのは、客が酒を口にする瞬間の表情。

一口目ですね。飲んでお口に含んだ時に安心感を見るわけですね。中には目を閉じる方もいらっしゃいますよね。閉じた時のまぶたの動きとか、口元の締まりがある場合はちょっと違和感があるのかもしれないです。それに応じて、さあ次にどうさせて頂いたらいいかって考えます。

ある女性が3杯目に注文したのはジャックローズ。口にした瞬間表情が変わり、半分以上残し、帰ろうとした。ひきとめて、作り直す。たかが一杯、されど、どうなんだろう。もっといいのが作れるんじゃないか。誠心誠意やっていく。蜂蜜少々とザクロを入れて、再び差し出す。「こっちの方が丸みがあっておいしい」

氷へのこだわり

氷は、寿司屋にとってのシャリみたいなもの。開店5時間前に届く氷。氷の持つ最大限の魅力を引き出す。グラスにぴったり合わせた四角い氷。グラスに対しての浮き方や角が大事。これでジントニックを。

お客さんが毎日来てくれて「楽しかった」って言って頂ければそれでいいんです。商売としては。いいんですけど、いいにしちゃったら、プラスはないですよ もう。そこで常に疑ってかからなくちゃいけない。これで本当に良かったんだろうか。

バーにはマニュアルが通用しない。本心、覚悟が必要だと思う。

実は接客が苦手でお客さんにどう受け止められているのかわからない、というのは意外だった。常連客に気後れし、世間話すらろくにできなかった若い頃。「何だその目は」と客に怒られたことも。すごく自分を意識して固くなり「ごめんなさい」を繰り返す。生き残るためには、カクテルの味で勝負するしかない、と決意するも、でもなんで自分のお金をつぎ込んで、一体何の意味があるのだろうと思う日々。

31歳にしてカクテルコンクール優勝。とはいえ、おべっかも冗談もうまく言えず、緊張が抜けないが客には本心で接すると決めた。

アイリッシュコーヒーはクリームを浮かせるのが至難の業。僅かな滲みが、自分の少しの乱れからくるものだと感じたのだそう。初めて飲んだその味を思い出させてくれる店はそうそうない。日本の旅の最後に、一杯のアイリッシュコーヒーを分け合うのが習慣となったご夫婦もいて。でもこの御夫婦、突然2杯目を注文したんだよね。

スタア・バーのカクテルブック (文春新書)

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銀座スタア・バー 岸 久のモヒート50glasses (講談社のお料理BOOK)

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感想

BARにはしばらく行ってない。店も減ったし。今日はこの記事を読んでいた。
anond.hatelabo.jp

岸さんの作るアイリッシュコーヒーはいつも客の前で一発勝負。心の乱れは液体の乱れ。層がくっきりと分かれているのがいい。