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【抜粋】ETV特集 没後50年 知られざる江戸川乱歩 中村文則

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生い立ちと苦悩

大須の風景

少年の頃通った大須の風景。学校には馴染めず休みがち。自分のことを異邦人だと思っていた。周囲の子供達とものの考え方が違っていて、八分にされている気がした。

探偵小説四十年〈1〉 (江戸川乱歩推理文庫)

とにかく恥ずかしいんだね。書いてるものが恥ずかしい。一方 発表したい性質もあるんだよ。両方の性格がある。

小松史生子:乱歩の目にはモダニズムが健全なものではなく、いきなり押し寄せて 惹かれた。癒されないものを見つめ続ける眼差しを持ってる。

乱歩と名古屋―地方都市モダニズムと探偵小説原風景 (東海 風の道文庫)

29歳で時代の寵児に。
江戸川乱歩 - Wikipedia

戦争で乱歩の作品は全て絶版に。
僕はブラックリストに載った。探偵小説はいかんということになったんだ。

幻影城(通称)は第2次世界大戦の戦火にも焼け落ちなかった。自ら集めた二万冊の蔵書は執筆の大事な資料。犯罪史から幽霊の図鑑まで、何度も書き直すタイプの作家だった。
生涯書き続けたのは「怪人二十面相綾辻行人さんも子供の頃ハマった。

江戸川乱歩・少年探偵シリーズ(1) 怪人二十面相(ポプラ文庫クラシック)

点字の暗号を解き明かす「二銭銅貨」日本で初めての本格的なミステリー。

一方、世界で初めてのミステリーはエドガー・ア・ランポー「モルグ街の殺人」番組中いきなりネタバレ。せんでもよろしい。ギャグやん。

乱歩とエログロ

中村文則

非常に変質的ですけど、乱歩自身は主人公にシンパシーを感じながら書いてたと思う。だからあんだけ血肉を持ったキャラクターができた。自分の中にある歪んだものを、ある意味強調して描く。人物になりきる。だからこそあの描写が可能。普通はそういうものははじくんですよ。見てみないふり。断罪するんですよ。乱歩は見つめて書く。人間というものを知りたい好奇心でもあるし、優しさじゃないですか。同時に自分とは何かを考える手段でもあったんですね。

人とうまくやっていけない。そういうときに仮面をかぶる。作家というのは、仮面をかぶっている「奥」を書くんですね。真実を。日常生活で隠している部分が、小説になると自分の本性がバーって出てきてしまう。日常生活で演技してても、小説になると逆に自分の内面がひろがっていく矛盾。
小説家はそういう存在なんです。

社会で生きていくためには
私は本当の自分を隠して
仮面を被って暮らすほかなかった。(探偵小説四十年)

江戸川乱歩賞設立へ

肉声:僕の考え方はアンリアルな考え方で、アンリアルな中のリアル。架空の現実という考え方でね。今の傾向と合わない。だからね、僕はね、創意はもうないですよ。だから他のことで貢献する。
乱歩の目に止まったのは松本清張