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【Eテレ】【抜粋】岩井俊二のMOVIEラボ #4  ホラー編 三輪ひとみ 清水崇

ツィゴイネルワイゼン 80年 日本

岩井:こういう恐怖があるんだっていうか、凍りつく感じ。「どこに連れてこられたんだ我々は」って。生きてんのか死んでんのかすら、わからなくなる。鈴木清順監督の希望論。シンボリズムとか。立ってる女の人が手を隠してて「この人死んでる」みたいな噂を学生同士で語り合った。
清水:突然舞台になったみたいな。舞台演劇を見せるような。「こんな思い切ったことができるんだ」と。映画ってこういうこともできると教えられた。

ホラー映画の恐怖の源、その変遷。

モンスター

岩井:狼男、ドラキュラ、フランケンシュタイン。子供の頃は見ると怖い、怖いけど見る。その連鎖がありましたね。
三輪:ドラキュラって怖い・・ですか?私たち世代、みなさんそうだと思うんですけど、怖い存在じゃなくないですか?
清水:ドラキュラは意外と女性ファンが多いんですよ。色気があってね。
岸野:話を聞くとね、白馬の王子にも来て欲しいんだけど、魔人ドラキュラにも来て欲しいそうです。
清水:フランケン、狼男よりも「人間」の姿であるじゃない?どっか魅力があって。ジェントルマンなのに襲ってくる。色気と男らしさ。「ドラキュラ俳優」を生むくらいの。

生ける屍の城 クリストファー・リー主演 - YouTube

ゾンビ

当時はワシントン大行進などの出来事があった
ゾンビという、オリジナルの恐怖アイコンを生み出した。
清水:元々プードゥー教のゾンビの語源というか由来になってる。生者を夢遊病状態にして、使用人として使う魔術みたいな。決して人肉を食べるとかではない。それを監督が映画用に置き換えて予算がないので、カラー全盛になってきた時にモノクロで繋いだ。
岸野:やっぱりその背景には、アメリカの移民社会があって、プードゥーとかが移民の宗教であって。キリスト教的な考えもあるから。
清水:主人公を黒人の青年にしたりとか、いろんなところで当時の国民的背景を入れてるのがすごい。
岸野:ゾンビは本当に良く出来た映画だと思ってて、ロメロは常に現代文明に関することを取り込んだ。

オカルト

ローズマリーの赤ちゃん

岩井:シャレになんないんですけど、というのが見た時の感想でしたね。次々に裏切られていくというか。
岸野:この映画が作られた当時、ベトナム戦争とかがあって、アメリカも内省的な気持ちになってて、おそれがより表に出てきた。「ローズマリーの赤ちゃん」は、隣人、あるいは自分の夫が怖い。いろんなことが信じられなくなっていくのが、オカルトの大きな分岐点になってると思う。
エクソシスト
岩井:歴代の全映画のベスト5に必ず入る。本当に良く出来た、何とも言えない魅力。
樋口:エクソシストは、悪魔が出てくるんですけど、実際例えば介護しないといけないお母さんや、忙しいお母さんが娘を構ってあげられないやましさの中に、悪魔が入ってくる怖さ。
岩井:悪魔がいなくても成立してるんですよね。ドラマとして進行する中に、悪魔が不思議な位置取りをしていて。これはいろんな面から見れる不思議な映画。
清水:オカルトっていうのがあの映画からすごく流行った。ホラー映画は今みたいな市民権がなく、ゲテモノの一部とみられるフシもあった中、女優さんていう職業の主人公が出てきて、しかも宗教とかに懐疑的。否定から入って、ただただ日常を描くシーンもあるじゃないですか。ああいうリアリズムの中でやられると、信じる信じないじゃなく、起こった事実を見せられてく感覚。だから歴史に残る映画になれたんじゃないかな。
岩井:悪魔払いの時に息が白く出るのは、冷凍室の中にセットを入れて、5分しかできないって設定の中でやった。

樋口:キリスト教を信じてると、あの映画のショックてのはすごく強い。
岸野:アメリカでも失神者が続出した。  

Jホラー

岸野:脚本家・小中千昭のホラー映画論によれば「心霊写真が一番怖い」

小中理論

ファンダメンタルホラー「根源的恐怖」
・恐怖とは段取りである
・幽霊は喋らない
・恐怖する人間の描写こそ恐怖そのもの
不確かな心霊写真のような見え方

わざとらしい見え方を避け、幽霊をぼんやりと見せることで「気配の恐怖」を表現。

樋口:何気ない気配の集積ですもんね。
清水:隅っこから見てるのが一番怖い。

呪怨シリーズは明るく楽しい現場で作るから、清水監督が笑いすぎて困るのだとかwwコントみたいって言われてもww