ウィッシュリスト
願いを100個書き出す
阿川:引退なさったのは34歳
杉山:そうですね。2009年。
阿川:やっぱり180度変わった?
杉山:ほんとにガラッと生活が変わったので、ある意味心に穴があいた。空けてしまったこの時間が、何か虚しさを感じるようになってしまって。結構スポーツ選手とかあると思うんですけど、こういったことって。
阿川:松岡修造さんとか、伊達公子さんとか、引退経験のある人に相談するとかは?
杉山:相談するってアイデアがほとんどなくて。自分のことなので、自分にしかわからないなってのもあったと思う。
こうなったら、やりたいことを書き出してみよう
TO DOリストはよくあると思うんです。やらなきゃいけないことは置いといて、やりたいこと、ワクワクすることを書こうと、願いを100個書き出して。
もともと書く事がすごく好きで。日記とか。自分の気持ちを整理するのに書く。
ひとつめは結婚(笑)、二番目は出産、三番目はハワイでガーデンウエディング・・大きいこともあればちっちゃいこともある。ちっちゃいこと、例えば身近なほしいものを書いたり、○○のレストランで美味しいものを食べたい、とか、富士登山する、マラソンを完走する・・
阿川:今まで出来なかったことを書いていった?
そうです。テニスでずっと廻ってますので。意外や意外、最初は30~40個ぐらいしか書けなかったんです。この先の人生結構あるのに、これしかやりたいことがないって少ないなと。でも噛み砕いて書いていったらだんだん100個ぐらいに広がっていった。
書くことで自分が浮き彫りになる。
物欲が強い、今は学びたいモードだなとかこういう生活スタイルを望んでるんだな、と気づかされたり。日常そんなに改まって考える時間がない。
阿川:最初に挙げたうちのどれぐらいかなったんですか?
杉山:結婚、出産もですが、30~40個ぐらいは。
阿川:意識して叶った部分がある?
杉山:そうですね。出産も相当エネルギーを使ったので。
阿川:40歳で出産でしょ?
杉山:そうですね
阿川:理想の旦那様と出会ったっていうのが
杉山:引退当時はいなかったですね。2週間後に出会ったんですけど。
阿川:ちゃらり~♪・・なにそれ・・
杉山:書くと色々叶うんですよ。 ゴルフ上手くなりたいからコーチ探して、って言ったら彼が。
阿川:白馬に乗ったような話(笑)
※6年ぐらい前かな、別の雑誌に「やりたいことリスト」の特集があって、 自分も20個ぐらいしか書けなかった。 数打ちゃ当たる方式なのかいくつかは叶った。人間関係の改善にはならなかった。叶うことによって自分が相手に対して無理をするかも知れないと、少しでも思うならその願いは叶わない。あくまでも個人的な感想ですが。
記憶の中で今もきらめく曲
さだまさし/奇跡~大きな愛のように~
選手時代に、母が好きで聴いていた。歌詞がホントに素敵で。大きな愛を表してる曲。音楽からは元気をもらったり励まされたり。テンション上げる時とか落ち着く時とか。(この曲は)試合の前に聴くと落ち着き過ぎて。
今元気になれる曲
ゆず/with You
出産のDVDを主人が作ったんですけど。立ち会い出産で。BGMに使った曲。
母と娘の関係
経験がないぶん母はすごく勉強してました。私にとっては25歳のスランプが大きかったんですけど、シングルスのパフォーマンスがどんどん落ちて、ランキングが50位出てしまう。絶不調になって。打ち方が分からなくなった。
「こんなぐちゃぐちゃになって勝てないから」って母に相談したら「これでやめたら、ほかの事やってもうまくいかないんじゃない?」比較的軽い感じで言われて。随分グサッと言うなって感じでしたけどこっちは(笑)じゃ自分のテニス人生圧倒するために頑張ろうと。「でも自分が何から、どう、一歩前に足を出して行っていいのか全く見えてないんだけど、ママには見える?」「見えるわよ」
阿川:そこまでレベルの高いものを、人に言われると納得できても、親に言われたらいちいちカチンとくるとか、なかったんですか?
当時の私のキャパシティがちっちゃかったので。母が「あなた、大人ってのは、人の話に耳を傾けて自分で理解して咀嚼して、いらないものを吐き出して、そして必要なものをコートで表現するのよ!」そんな感じで言われて((((;゚Д゚))))
若いときに産んでいながら、子供のことを「社会からの預かりもの」と思ったんですって。いずれは社会に返すものだから、それまで自分がお預かりしている、というような。
阿川:社会に還元させる生物体(笑)お母さんと娘の関係は、引き離してるようで、密。
そうみたいなんですね。そうそうそう。距離感がすごく心地よくて。子供の頃から個を尊重してくれてるようで。「あなたはどうしたいの?あなたは何になりたいの?」常に。
勉強しなさいと言われたことはなくて。やらなかったら自分が苦しむことになるじゃないですか。それを体感させるというか。
ピアノはノルマを達成するまで1年間続けた(性に合わなかった)約束は守らせる。
この他にも結構本を出しておられます。これはこれで否定はしないし、うちもかなり近いやり方で育ててきたけど、結果論かな、とも思ってしまう。
リオ五輪の時にも選手の子育てが新聞に載ってたけど。努力は、やり方を間違えると悲惨。
やみくもに信じれば良いというものではないので、それこそ
「あなた、大人ってのは、人の話に耳を傾けて自分で理解して咀嚼して、いらないものを吐き出して、そして必要なものを表現するのよ!」
ここ大事です。テストに出ます。なんでもかんでも感化されて模倣したら単なる毒親。