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【抜粋】SWITCHインタビュー達人達 松坂桃李×写真家・映像作家 奥山由之

お互いの印象、撮影エピソード

偶然手に取ったファッション誌に宮沢りえ。カレンダー撮影を依頼

僕も普通って言われることが多くていまいちよくわかんない。あんなに素敵な写真を撮られるカメラマンさんだから、きっと何かすごい、すっとした格好をして「どうも奥山です」みたいな勝手なイメージがあった。そこのイメージとはお会いしたら違う。衝撃具合とか。

奥山:今日着る服とか聞いたんですけど「特に色かぶりとか気にされないで大丈夫」ガッツリかぶってる。まさか紺じゃないよなって※ふたりとも黒。

奥山:スタジオの外で僕がシャボン玉やってて「シャボン玉楽しそうですね」話しかけて来てくださって、そこで撮影終了なんですね。もう大丈夫なんです。あとはお話しながら撮ってくだけなんで。そういうのありません? 
松坂:いい意味で、かつ、言葉を恐れずに言うと、自分と同じような普通な感じがした。
奥山:全く同じような感じがした・・そっくりそのまま返します。僕も、めっちゃそれが第一印象なんですよ。スッて入っていけたんですよ。
松坂:なんかわかんないけど奥山さんが「あっ あっ」みたいなこと言ったんですよ。「あっ」て言われた瞬間に「あっ なんかわかった」って。
奥山:「あそこに行ってください」と言わなくても動いていた。すごくびっくりしましたね。その呼吸感っていうのが
松坂:呼吸感 すごく合いますね
奥山:お芝居とかされてて、そういうのすごく大事
松坂:呼吸が合う 温度差が合うっていうのが普通っていうのか、日々巡らせているアンテナなのか わからないんですけど

奥山:人って固定概念があるじゃないですか。勝手に思い込んでることがたくさんある。雑誌の写真はこういうものだとか、お芝居というものはこういうものとか、   (思い込みの)感覚というのは常によく見ておきたい。常識として通っているけど、実はちょっと角度を変えてみるとすごい新鮮に見える。同じ球体であっても、面を変えると反射が違うのと一緒。水だと思って飲んだらすごく酸っぱい時「おぉ~」ってなるじゃないですか。あの感じを 見ている方に感じてもらいたい。

松坂:作品を作ってる最中は、楽しいとか幸せとか一度も思ったことはなくて、歯車になったっていう感覚があると「出れて良かった」というか、泳いでる感覚。
奥山:僕も。ロケハンめっちゃするタイプなんですよ。友達を撮ってるわけじゃない。プロとしてのチューニングをするためには準備が必要。撮るときは波の感じだけを見てたい。お会いした時の「おっ」という感じは、剣道、柔道、レスリングの感じ。カメラ好きじゃないんです。できれば持っていたくない。最終的に目がカメラだったら最高。使い捨てカメラは瞬発性がすごくある。僕ら10代20代って、平面の奥に平面があると思い込んでる。鏡の反射も、ある意味平面の奥に平面。2つのレイヤーが同時に実写に取り組まれている。違った視点で見ると、世の中が面白くなる。

後半 舞台稽古

奥村:内容をしっかり把握してるわけじゃなかったのでいきなりおっぱじまったぞ、みたいな
松坂:いわゆる濡れ場が結構な数ある。10回ぐらいかな。お客さんもだんだん麻痺してくると思う。麻痺してからが始まり。2回3回4回となると普通に見られるようになる。男女の交わりの中で出てくる感情を違う視点で見られるようになる。
奥村;役が自分と近い時と遠い時、やりやすさは変わりますか?
松坂:近ければ共感できるポイントを探りながら撮っていく。大きく分けると2パターン。今回遠い。僕、娼夫やったことないんで。彼の抱えてるものはわからんでもないな、っていうのは原作を読んで。そこをヒントに探っていく。映像は瞬発性。一瞬の閃き。偶然の産物を活かせる。舞台は同じことを続けていかなければいけない。明確に感情の流れやどういうことを表現するか稽古の積み重ねで発見し、完璧に作り上げたものを提示する。本番中に一瞬のひらめきや偶然の産物は通用しない。