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SWITCHインタビュー達人達 水谷豊×小曽根真 相棒はピアニスト(抜粋)

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おそらくですけどね、小曽根さんは、きっと向こうの世界を知ってらっしゃる。自分を例えに出すと、芝居をする時 たどり着きたい世界がある。ここにはない いつも向こうの方にある感覚的なことなんですけどね。何度も何度もたどり着いた方 小曽根さんは。

小曽根:「相棒」で、ピアニストが調律師を殺しちゃう。あの時ブルースを弾いてらっしゃった...
水谷:ええ、弾きました。
小曽根:ピアノ、やってらっしゃったんですか?
水谷:かつて天才ピアニストの役をやったことがあったんですね。20代。その後にピアニストの役を舞台(陽のあたる教室:00年、音楽教師役)でやった。5~6曲弾くんですね。舞台ですからテープを流せばいいんですけど、弾こうと。2ヶ月間...   絶対無理だと最初は思いましたね。
小曽根:元々子供の頃から弾いてらしたわけではない?
水谷:そうですね
小曽根:そりゃぁすごい
水谷:舞台で弾けるようになるんですね。ギリギリまでドラマの撮影で地方ロケに行ってた。気がついたら夜中浴衣のまま、宴会のためのピアノが置いてある、そこへフラフラ行って、音を小さくして朝までずっと弾いてる。何もなかったようにまた撮影現場へ。それを続けていた。舞台が終わったら全く弾けないんですよ。だから「ピアノの神様が降りてきてる」と...あの期間だけ僕にちっちゃな神様が降りてきてたんだなと。今全然ダメですね。だからピアノの大変さ、すごさ、奥深さがなんとなくわかる。小曽根さんの演奏見てると...。ニューヨーク・フィルとの「ラプソディ・イン・ブルー」観てましてね、ほんとにドキドキしますね。どうしてこんなにドキドキするんだろうと。後ろの方からそ〜っと入ってきて弾いたり、妙な感動するものですね。
小曽根:ありがとうございます。本人もどこ行くかわからないで弾いてる。
水谷:ここまでってのは決まってるもんですか?
小曽根:いや、瞬間にアドリブで物語を紡いでいく。彼らが入ってくる前に戻らないと。8小説前ぐらいのところに着陸する。オーケストラで即興するとき、離陸は楽なんですけど着陸は難しい。なかなか着陸できないで上空で3回ぐらい回って・・(笑)
水谷:頭の中どうなってんだろうと思う。自分で思っていたのと全く違うことが起きたり
小曽根:ありますね。ジャズは即興で演奏するから、誰も知らない音をこれから弾く。間違って引いたとしても何回か弾くと、その音が合法になる。非常にずるい音楽(笑)あたかも台詞にそう書いてあったかのように、何度も何度も刷り込んでいく。例えば途中で終わられると「ちょっ待ってよ」この残尿感みたいなの。誰でも途中で止められると気持ちが悪い。違う音に行くのが即興。複雑な音を弾いたとしても、自分の中にあるボキャブラリを弾いてしまったら僕がハラハラしない。するとお客さんもハラハラしない。僕が崖から落ちちゃう時もあるんですけど、そうなったら帰ってくる。
    

小曽根真さん(Pf)_ラプソディ・イン・ブルー(1/3) - YouTube

水谷:好きな色ってありますか?
小曽根:ブルー系
水谷:脈絡もなく頭に浮かんだことを聞こうと決めてきた(笑)音楽家になってなかったらなりたかったものはありますか?
小曽根:お医者さんになりたかった。それか電車の運転手。レールの継ぎ目の音が大好き。ガード下にいると1日幸せ(笑)神戸の高架下商店街に行くとなかなか帰らない。電車のスピードの音で「貨物が通った」「快速」なくなっちゃったんですけど阪急電車、ダイヤモンドクロッシングってのがあったんですよ。2つの線路と2つの線路が交差するポイント。そこを通る時のリズムがむちゃくちゃ複雑。父(小曽根実)が「今から通る時のリズムを鉛筆で書いてみ」って言うんです。僕は楽譜が読めなかった。今でもあまり得意ではない。「門前の小僧、習わぬ経を読む」子供の頃から非常に恵まれた環境だった。
水谷:僕も12歳の頃からやってますけど、支える普通の感覚が全くないまま育つ。
小曽根:こわいですよね。
水谷:2010年、ポーランド政府からショパンパスポート・・
小曽根:ドイツのバッハ生誕300周年記念コンサートがありまして。バッハは即興の天才なのでジャズピアニストとして参加したんですね。プロモーターの方が「バッハは何を弾きますか?」「いや、バッハは弾かないです」「弾いてもらわないと具合悪い」バッハのインベンション、譜面買ってきて練習したけど3箇所ぐらい間違って。それも明らかに小学生が発表会で間違うような間違い方。冒涜ですよね、バッハに対する。次の年からヨーロッパでの仕事が3分の1に減って。

WIZARD OF OZONE?小曽根真ベスト・セレクション

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11PM~ハモンド・オルガンの魅力

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自作の詩に即興演奏

私はどこから来たのだろう
いやここに立ってるのは確かに私に違いない
ひゅっと風が耳をかすめてゆくのだから
ひャらひャらと木の葉たちが耳をかすめていくのだから・・

後半はアトリエ

水谷:いつかコメディー映画をやりたいと、浅田次郎さんが自分の作品の中で「これだけは絶対に映像化できないと」困難なことは多いけれどもうまくいったら面白い。
小曽根:演じてる役がまた「右京さん」
水谷:偶然、おんなじ。

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