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SWITCHインタビュー達人達 石川さゆり X 日本画家 千住博 昭和33年生まれ

石川さゆり:NYはすごく躍動的で、好き。海を越えて人に会いに行くってなかなかないけど、会いに来ました。滝の絵は、千住さんの心に映ってる滝なのか。
千住博:僕は演歌が大好きで、カラオケでも「津軽海峡冬景色」を歌うんですね。石川さんは実は演歌歌手ではなく、すべての歌を歌うことができる歌手。とても尊敬している。

二人は昭和33年1月生まれという共通点がある。

石川:私はそこに音楽を感じるんです。千住さんの滝を見ていると。
千住:そばで描いていて、また離れてを繰り返すんですよ。
石川:水とか滝とかは形ないこと。
千住:イメージを練ることがとても大切。荘厳な滝が描きたいというイメージを持つと、半分は描けたようなもの。
石川:どこでもドアのような入口。
千住:静かさ、希望、生きる力のようなものを描きたい。


軽井沢千住博美術館 西沢立衛設計 - YouTube

スプレーかけて「飛沫」を表現したり。絵の具をたらして滝の流れを表現したり。千住:筆も、ちょっとは使いますよ。自然との共同作業。自然に作品を任せる。

石川さゆりは陶芸を20年来やっている。今回は滝を描くことに挑戦。

千住:毎回自然が非常に劇的なプレゼントをしてくれる。作品との対話をしながら、指の力、ちょっとしたためらいも、その人の個性。
石川:人間性とかも
千住:もちろんです。全部出ます。手に負えない自然、吹き付けたら自分の予想と違う。それが現代人にとって大切。なんでもコントロールできることがそもそも違う。
石川:3Dな感じで、うわ~っと迫ってくる
千住:一体感みたいなものね。
石川:隙間って勇気いるんですよね。
千住:自分と同じ未完成な部分に、人間は感情が入りやすい。朝見る崖と夕方見る崖は全然違って見える。朝頭が冴えてアトリエに行くと、夕方見たのと違って「なんだこれ」
石川:寝る寸前とか、お風呂場に持ってって自分の声を聴いたりすると「ああここ濃すぎちゃった」とか
千住:全く同じです。

シワの入った和紙に絵の具をのせると、崖のような立体感を出し始める。

事件や事故も現代の画家として描きたいと、傷ついた和紙から見える崖に救いを見出した。芸術とは「私はこの世界に生きてる」という自己表現であり、自分を消す作業でもある。歌も、言の葉が自分の体を通過するときにどう表現するかだと。

千住:ネットもホームページもツイッターもない。ゴッホダ・ヴィンチが生きてたらどうHPを作っただろう。僕らの20代30代も世界に出て行くしかなかった。 それがニューヨークだった。

石川:日本画の巨匠は正直言って自分と同じ空気感ではなかった。でも千住さんは同じ空気感を感じるのはなぜだろう
千住:喜びも悲しみも噛み砕いて生きている。それを記録として残したい。実際に起こった出来事のほうが生々しいけど、芸術は別の形に昇華させて提案していく。代弁者として何かを語ることが大事。絵だけは「これがなかったら僕は生きていけない」と思ってた。弟のように演奏しなくても生きていけるが、絵だけは自分が描かないと生きていけない。出会った以上は突き詰めていきたい。

千住:石川さんは、たぶん、多分ですよ。ストイックな人生だと思う。

レコーディング中の「空を見上げる時」生歌、千住さんの前で披露。

石川:15から歌を歌ってて、なかにし礼先生とかに後ろから「行け!行け」って背中を押していただいて。阿久悠先生も三木たかし先生も逝ってしまって途方に暮れたことがあったんです。若いアーティスト、作家の皆さんと出会うことでこういう音、こういう世界があるんだって

千住:「津軽海峡冬景色」の時大学二浪してて。これは僕の歌だと。カラオケで千回ぐらい歌いました。「ウイスキーがお好きでしょ」の頃はようやく世間で認められた頃。

ウイスキーが、お好きでしょ W78-2 - YouTube

石川:レコーディングは裸になる場所。どんな格好でもいいけど、ここで作ったものをステージに持ってった時「これっていいと思わない?」っていう感じで人に届けに行く。私は自分の歌が本当に好きなんです。惚れ込まないと歌えない。「いいのぉ?」ってのは出しちゃいけない。
千住:自分が部屋に拡散されていなくなってしまうのが理想。
石川:よくわかります。
千住:ストレスっておありになるんですか?
石川:あるんですよ。ストレスフリーに見えるみたいですが。誰にも言ってないけど、一度自分の中で引いた(引退)したことがあります。娘が生まれた時。男と女の違いは、自分の中に心臓の音を二つ聞けること。
千住:母は「褒め上手」絵を描いて見せて褒められる繰り返し。
石川:私は元々がアイドル出身なんです。出しても出してもヒットしない。デビューしたのはオイルショックの前で、売れないレコードは廃盤。うちの母が「絹ちゃんの歌はすごいのよ、私大好き。どうしてみんなわかんないのかしら」って褒めてくれました。
千住:演歌ってなんて外国の人に説明したらいいんですか
石川:デビューした頃は演歌もポップスもジャンル分けがなかった。私たちは流れゆく歌なんです。いろんな出来事がある中、みんなの生活にフゥっと入っていったり、よっしゃ!と踏ん張れるような感謝の中で生まれ出るものでいいんじゃないですか。
千住:人って分けたがる。変なジャンルというものが外側から作られても、それを破るのが我々の仕事。
石川:日本人って恥ずかしがり屋。ニューヨークに行くとすぐ話しかけてくださるけど、日本の人は、話さないくせに気になる。言葉にしないで交流するのが、すごく日本人なのかな、と。

ウイスキーがお好きでしょ やっぱこの人のバージョンが一番だなぁ。この人に惚れる中高年男子が多いのってなんかわかる。千住さんは自分に向かって絵を描くのだそうな。

暗夜の心中立て (Cタイプ)

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昭和33年生まれ