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【抜粋】岩井俊二のMOVIEラボ #3 ラブストーリー編 ガンダム 蒼井優 鈴木杏 行定勲

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ガンダムはラブストーリー

蒼井優:「これは」ってラブストーリーが思いつかなくて。人の恋愛に興味がないんですかね。
岩井:「人の恋愛に興味がない」・・キーワードな気がして。
   カップルを追いかけてみたいって思わなくて。
   子供時代、いちばん理解ができなかったのが、男女の恋愛。ドラマも映画も。
   そんな時「機動戦士ガンダム」にやられてしまった。
   自分の場合ラブストーリーとして「なんだこれは」って。カルチャーショック。
   国宝級。アムロ・レイの隣に住むフラウ・ボウ
   フラウボウが途中からフェードアウトしていく。
   アムロはマチルダさんという年上の女性に惹かれていく。
   そこが理解できずピントも来ずスルー。
   アムロララァと数分間しか会ってない。
   全く接点のなかったふたりが、宇宙空間で戦ってるうちに恋に落ちていく。
   普通見てなかった男女間のいろんなものが出てきて
   終わってみたら相当・・なんだったんだろうと。
   振り返ってみるとかなり特異な異色作だったんだな、と。

蒼井優「ロッキー」

蒼井:自分の中で最も恋愛が中心になる作品は「ロッキー」
←相手は内気な女性エイドリアン。
 ラストシーンでロッキーが名を呼ぶシーンが印象的。
岸野:献身的に支えるんですけど、どちらかといえば地味。
蒼井:あれに親しみが。エイドリアンはとっても可愛い女優さん。
   ほかの作品に比べたらファニーフェイス。とっても好き。
岩井:ウディ・アレンダイアン・キートン。←「アニーホール」
蒼井:そうですね。あれ見たあと、ガラスに映った自分の顔見てがっかりするのが嫌 。
   やっぱり恋愛映画って、とっても綺麗な人と
   とっても格好いい人が恋愛してたりすると
   「あぁ(なんだ)やっぱり美男美女か」みたいな気分になって
   劇場を後にする感じが(嫌なんですよね・・

鈴木杏「レオン」

鈴木杏:どうしても、マチルダとレオンの年の差を感じなくなっていく
    マチルダの色気もそうだし、私の中でラブストーリーとして残っていく。

恋愛映画に欠かせない「障壁」

※障壁の設定はギリシャ神話にも見られる。
・戦争が障壁になる「カサブランカ
・身分が障壁になる「ローマの休日
・民族間の争い「ウエストサイド物語」

究極の障壁「ベニスに死す」

樋口尚文:冷静に考えてみたら、恋愛映画には「壁」がある。
     国籍かもしれないし。
     でもこれはコミュニケーション、男同士、最後は死別。
     壁だらけの映画なんです。
岩井:最初から最後まで一方的に壁があって、乗り越えられない。
   何かイリュージョンを見てるような。

花とアリス」はラブストーリーだったのか

蒼井:杏ちゃんが演じた花にとっては、ものすごいラブストーリー。
岩井:父親に対するファザコン的な想いを好きな男の子にぶつけていく。
   四角関係なのかな。変化を欲しているのかっていう。

蒼井優鈴木杏はアニメ「花とアリス殺人事件」で再び共演。
樋口尚文:岩井監督の映画は少女マンガ的って言われるじゃないですか。
     あの辺はどう思いますか?
岩井:ある音楽プロデューサーの友達が昔言ってた
   「男性はラブソングの歌詞をちゃんと聞いてない」
   中島みゆきさんの「わかれうた」って体験は本当にあるの?って。
   歌えるのに歌詞(道に倒れて誰かの名を・・)に気づいてなかった。
   少女漫画読んでても、音楽のように心地よさに触れてるだけだったのかって。
鈴木杏:少女漫画チックとは思わないけど
    「おじさんの中にある、イケナイ少女性」は・・(笑)
    どのおじさんも持ってると思う。
    それって女性から見ても愛おしいもの。
    岩井さんから見たちっちゃい世界の面白さは、女性のお客さんには愛おしく
    男性のお客さんの中にある少女性とも繋がっちゃう。

「Love letter」

行定勲:ベタな話でいいですか?
    失った人間を愛してる人間がひとりいるから、愛が際立つ。
    岩井さんは「失った人間」を見せようとしてるんですよ。覚えてないかもしれないけど。
    雪の谷ぞこで死んでいった藤井樹、大人になって死ぬまで見えないから
    みんなが忘れていた樹の記憶をめぐっていく。
    嫉妬も羨望もあるだろうし、美しさもあるから優れている。
    たにぞこに落ちたシーンのことをずっと言う。そのキャスティングのことを。
    要らない。
樋口:不在が一番感情移入しやすい。
行定勲:「風立ちぬ」にしても、残された人間の思いが気になって仕方ない。

行定勲「情事」

行定:恋愛の実態は、綺麗事じゃない。見苦しいものに惹かれる。
   ひとはよこしまでしょ。不倫とか、正しいとされてないことに燃える。
   抑圧した気持ち、やたら悶々とする方が印象に残る。

ガンダムを恋愛ものとして見たことがなかった。
まだ中学生だったからかな。
30年以上経つと「超時空要塞マクロス」のほうが恋愛的だと思うのは
きっと飯島真理の歌のせい。