30年以上にわたる苦悩
映画の撮影で
音だけ選んでるだけで1日たっちゃうんですよね.。自分を真似てたら前へ行けませんから(妻・阿木耀子の)最近の口癖は あまり芳しくないメロディーが出てきたら彼女は「それでいいの?」って言うんですよ。そのメロディーでいいの?遺作になるかもしれないのよ(笑)厳しいですね
30代の前半ぐらいでしたかね。映画で弾着(だんちゃく)っていうのを着てピストルで撃たれるシーンの撮影で、それがうんと耳に近いところで爆発したのに耳栓を入れてなかった。「カット」監督の声で立ち上がったら地面が揺れたんですよね。そのあと高温の耳鳴りがずーっとしてて。医者に診てもらったら、右耳の3本あるうちの聴神経の何かが1本倒れてる。「病名を書いてください」って言ったことがあるんですよ。そしたらね、それ病名じゃなかったんですね...内耳破損って書いてあったんです。
※戦国自衛隊の落武者じゃないな、違うかな?
補聴器と音楽
それで、ああ、難聴になっちゃったんだ。ある周波数が聞こえない。高い音です。うちの奥さんの阿木耀子はしゃべり声がファルセット。裏声。周波数が高い。なので何か言っているのはわかるけど、補聴器入れなければ何しゃべってんのかわかんない。
当時使っていたものは様々なノイズが大きく耳に伝わってしまい、すぐにやめた。難聴を放置したことでさらに症状が悪化。
音楽じゃなくインタビューを受けてる時、アナウンサーの方から聞かれた質問の内容がわからなくて。しかもそれが生番組。とんちんかんなことをしゃべっちゃったらしい。マネージャーが終わってから「あんとき何かおかしなことを言ってましたね。質問と答えが全然違ってましたね」やっぱりそうかと思って。だからそういう時だけ補聴器入れて何とかしのごうと。(今日のインタビューは)入れてます。もっと小さいのが今出来てるらしい。これは3~4年前に作ったもの。自分の耳の穴に粘土を入れて密着するような。
ドミソでスタートする曲がドミソで聞こえてこない時がある。お客さんが変な顔をしたことがある。演奏と違ってんじゃないの?って。でも僕はそのまま歌っちゃう。「頭の音がキャッチできなかったんですかねぇ」ミュージシャンが言ってくれるので「え~!」自分のギターでもう一度確認すると、1秒か2秒で取り戻せるんだけど。最大の課題。どうやったら避けられるか。メドレーはやらずに1曲1曲確認するか。そこまでしてもまだお前は歌いたいのか。
例えば20代で作った作品が、そんとき聞いてる人、そんとき歌ってる僕と、70になってからその作品を歌ってみると全然違う感覚
違う歌に聞こえる時がある。人生経験がその歌に乗っかってくる。そういう瞬間があると、やっぱり歌をやめられないんですね。
聞き返すときはまだいいんですよ。聞こえたふりして聞いていないっていう、だんだん人の話を聞かなくなっていくんですね。聞かなくなっていく 自分の心のキャパシティが狭くなっていくことがすごく嫌なんですね。別に補聴器をしてることが恥ずかしいとか そんなことは思いませんでしたが。
でも世間ではどうなんでしょうね。補聴器って言葉のイメージは。メガネには抵抗ないけど、補聴器するってことは抵抗持ってらっしゃる方、結構いるみたいですね
山田アナ:子供さんでも、補聴器をつけるということがいじめの対象になるんじゃないかと思ってつけない判断をする人がいるんですけど。でもつけることでスムーズに会話もできますし、伝えていかなくてはいけない。
竜堂:喉のことでかかってる先生が「補聴器をつけるといいんだよってことを、あなたの口からいろんなところでちゃんとカミングアウトじゃないけどしてください」機会があるごとに新聞で取材を受けたり。決して難聴であることに引け目を感じないで今、ひとから見ても気づかれないようなものも出来てますから、不自由を強いないで使うといいなと思います。
※2017.3.18放送Eテレ「ろう・難聴を生きる」より。
いまむかし
大学生だったいとこが持ってた雑誌から。75年頃。「シラケ時代のブギーなやつら」って見出しはどうなん。
雑誌をめくると芸能人の半分ぐらいは既に亡くなっており、40年以上経ったと実感。
またライブに行きたい。昔「白昼の死角」で流れてた「欲望の街」も好きな曲。