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SWITCHインタビュー達人達 バレエ団芸術監督 吉田都 X 宇佐見りん「かか」の表現

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吉田都

手紙

宇佐見りん:小さい頃からバレエを習ってたんですけど、小学生の頃番組(←スーパーバレエレッスン、2009)で拝見してからずっと好きなバレエダンサー。番組決まってからずっと緊張しっぱなし。

都さんの踊りを見ていると「表現」と「技術」が両輪であるということに気づきます。圧倒的な気品にみちています。それも、固く冷たい品ではなく、柔らかな品格。「雰囲気」「オーラ」などという曖昧なものではなく、高い技術、意識によって表出させているものです。

吉田:読ませていただいて、本当に感激しました。私自身も教えるときに伝えたかったことを、的確な文章で示してくださった。額に入れて飾りたい感じ。

英国留学からのバレエ人生

吉田:日々緊張して生きてたな。中の仕事がどういうものなのか、様子が全くわからなくて。英語もちょっと怪しかった

宇佐見:そうですね、今はネットとか情報も

吉田:今はなんでもわかるけれども。全然比べられない。わりと周りが個性的で、キャラの濃いスーパースターが多かったから。なんとなく自分の居場所が見つけられない。ここで私は踊っていていいんだろうか、と。現地に住んでらっしゃる日本人が、私がそこで踊っていることに勇気づけられたと言ってくださる方が多かった。バレエ関係者じゃなくても。やっぱり海外で生きていくって、なかなか厳しい。もちろん自分が好きで踊ってるのもあるけど、喜んでいただけるのは力になった。

宇佐見:ロイヤルバレエ団のDVDを持ってて。オンディーヌがすごく好きです
吉田:あぁ~ありがとう。見てくれてるなんて嬉しい

ジンクスを持たない

宇佐見:本で「ジンクスを持たないようにしてる」ルーティンみたいなのを持たないようにしてるとあって、目からウロコで。私結構神社とかに委ねてしまうので
吉田:私も神社に(笑)でもね、周りの人は十字架にとか、右から執着とか。最初は私もお守りみたいなのを持ってたけど、それを忘れた時の動揺が嫌で。そういうの一切嫌でやめた。身一つで行くぐらいの気持ちで

宇佐見:ストイックさって、習いたての頃からずっとあったんですか
吉田:向こうでプロとして始めた時に、踊りだけに集中できるような環境を自分で整えていったというか。意識して変えていった

宇佐見:プロとしての自覚が、今の私にも響くところがありますね

吉田:プリンシパルになったのが22の時。いま21?
宇佐見:22になるんですけど
吉田:いまそうやって注目されて、いろいろ起こってると思うんだけど、あまり影響を受けないで欲しいなと思う。自分のやるべきことをやっていれば大丈夫

スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都 (NHKシリーズ)

バレリーナ 踊り続ける理由 (河出文庫)

宇佐見りん

かか

宇佐見:1作めの時に、幼さを幼さのまま書いていきたいということを、どこかの、助手の言葉だったかな。高校生の時、周りはどんどん進んでいくのに、なんで自分は大人になれないんだろうとか、立ち止まった時期があって。躍起になるよりは自分の内面を正確に写そう、向き合っていくことで前に進もうとして、文学に触れたり書いたりした。

幼少の時分、うーちゃんは湯船に一疋(いっぴき)の金魚を飼っていたことがあるんです。

いんや、縁日ですくいとったんでも、誰かからゆずり受けたものでもないんよ。

そいはただ湯船にぽっかし浮かんでいました。

吉田 ああいう文体にしようと思ったのは?ひらがな。方言?

宇佐見:そうですね。家庭内における架空の方言という感じですよね。もともとあれは、内容だけ決めて、標準語で書こうとしてた。一人称、うーちゃんなんですけど、それも「わたしは」で書いてたんですよ。書いてるうちに「私こういうのが書きたいんだっけ?」みたいな。もうちょっと幼い部分があるんじゃないか、実際にあの言葉が家庭内で使われてるわけじゃないんですけど「まいみーすもーす」(おやすみなさい)、「ありがとさんすん」(笑)外の視線で見てみたら割と面白いんじゃないか、書き起こしてみたら面白いんじゃないかと、前編あれで通してみた(笑)家庭内とか血縁について書くとき、借り物ではなく真実味のある「肉のある言葉」にしたいと思って。物語が言語によって大人びて、人物が普通に言わない言葉で面白く進みだした。

かか

ボクらの時代 川井郁子×仲道郁代×吉田都 華やかな舞台の裏側 - .net.amigoココログ跡地2007~