新じゃがのそぼろ煮
じゃがいもに話しかけたかった
土井:包丁でできるだけ薄くむくんですよ。
廣瀬:ついついピーラー使います
土井:5つぐらいのことですからねぇ、このくらいやったらね、包丁を使いたいと思うようなったんですよ。便利ばっかりじゃなくてじゃがいもと仲良くなれるじゃないですか。
土井:おう、ひさしぶりやなあ(笑)
廣瀬:いまじゃがいもに話しかけました
土井:そんな感じですよね「元気にしてた?」
廣瀬:新じゃがだから
土井:こんにちは!はじめまして!みたいな感じですよ。お料理って季節と戯れるというか、季節を思い出させてくれますからね。
土井:気になる人は水にくぐらして。このぐらいでええやろ(半分に切る)。
廣瀬:くわっ
土井:ひとつずつ違うわ。切るのが楽しい。大きいのは3つぐらいに切って。2つでも大丈夫。いずれ柔らかくなるんです
鍋にじゃがいも、鶏ひき肉100g(ちょっと塊が残ってる方が良いまだらのほうがおいしい)、水カップ2を入れて火にかけ、あくを取って10分ほど煮る。
砂糖大さじ3を入れ、落し蓋をして5分間ほど煮る。あとからしょうゆを大さじ2投入※調味料を時間差で入れると味が煮含まる。砂糖の分子は大きいので、一緒に入れない。砂糖だけ先にゆっくり入ってもらう。
塩適量を加えた熱湯で茹でたえんどう豆100gを投入
廣瀬:我が家では「片栗粉問題」があるんですよ
土井:この頃はとろみのつかないのもあるんですが、昔ながらのものを。買う時はとろみのつくものを。
一旦火を止めて鍋を外し、水溶き片栗粉を回し入れる←鍋をゆすりながら
再び火にかけ、ぐらぐら煮立ちましたら出来上がり。大きめの器に盛りはったら。
べーじゃが
煮ている間に手紙を書く
新じゃがいも(小)400gは皮付きのままサラダ油で焼きつける
土井:むいてられへん
廣瀬:ピーラーだったら指切っちゃう
土井:しっかり焼くと青臭みがなくなる
ベーコン(塊)切る。にんにく2かけはたたいてつぶす。水カップ2+1/2、酒カップ1/2、砂糖、しょうゆ各大さじ1入れる。
廣瀬:分子がけんかしないんですか?
土井:みたらしのあんみたいなもんです。じゃがいものまわりにまとわりつくんですわ。
落し蓋をして、煮汁がほとんどなくなるまで25分間煮る。
仕上げにしょうゆ大さじ1をからめる。←返すたびに色が変わる。最後に醤油をくわえると香りがいい
わたしがいちばんしあわせ。地球の引力を感じる
土井:長く感じるけど、段取りを考えたら1日が結構楽しくいけます
廣瀬:どうしますか?25分
土井:25分あったらね、何しょうかと思うでしょ。私もう絶対ね、ワクワクして。まぁそうやね、ええカッコ言うようやけどちょっと手紙を書いて
廣瀬:うわはぁ、おしゃれ
土井:ま、そういうこと
廣瀬:ひと仕事じゃないですけど
土井:ちょっと、気になることあります。そんなことをこの間にやったりして。そやけども気分が変わるしね。お互いが楽しくなりますよね
廣瀬:煮物に向き合う気持ちがね
土井:煮物はほっといてもできますから。
さやいんげんのごまよごし
「ごまよごし」とは
廣瀬:手紙を書きたいところですが、きょうはもう一品、教えていただきます
土井:ちょっとめちゃええ格好言うたねぇ、ホンマかいなって
きれいにゆがく。つきっきりで。茹ですぎないように。茹で方大事。味見しながら。生産者の人の採れたてなら50秒ぐらいで十分かもわかんない。我々がスーパーで買うのは時間が経ってる。
ごまよごし、ごまをする。あらずりでいいです。
べーじゃががあったら、しょうゆはうすくていいなと。ちょびっとだけ。場合によっては塩だけ。
廣瀬:ごまよごしというのは、昔から
土井:きれいじゃないですか
廣瀬:いんげんが
土井:そうそうそう。これをごまで「あ、よごすのごめんやで。よごしてしもた、ごめんやで」さやいんげんに、ちょっと悪いな言う気持ちです。わたしはわるいことしてんねんいうことを、ちゃんとわかってる。よごしてしもてごめんやでいうのがごまよごし。
廣瀬:素材に対する敬意ですよね