実感的スポーツ論
強烈なコンプレックス
瀬川昌久(同級生。96歳!):明るい太陽に長くさらされると具合が悪いという。そんなことでみんなでからかったりした。それほど目立つんじゃなくて。今でも覚えているけど体育の頃は端っこの方でたって見学しているのを印象に残っています
20歳で召集令状を受け取ったものの風邪をひき、肺浸潤と診断される。戦地に赴くことはなかった。
私が人に比べて特徴的だったと思ふのは、少年時代からの強烈な肉体的劣等感であつて、私は一度も自分の肉体の繊弱を、好ましく思つたこともなければ、誇らしく思つたこともなかつた。
三島:体に自信のないやつが、体が大切だってこと書いているんじゃね。それは言行不一致だし”よその花は赤い”ということと同じになっちゃう。僕は文学ってそういうもんじゃないと思いだしたし、自分もやれるもんならやってみようと思って。もっとつまらん理由は、昔は締切のたびに胃が痛くて困ったんですよね。こんなことをしていたら30で胃潰瘍になるなって思って。なんか模索しておりましてね
村松さん(ボディビル仲間):とにかく骨格が悪いから、体に筋肉つけたくてしょうがなかったみたい。ヘタクソでどうしょうもない、たいして持ち上がらないし。笑いながらいろいろアドバイスしたんです。
美輪:肩パッドを入れるのがファッションで流行だったんです。肩パッドのたくさん入った背広をお召しになってらして。クラブへ誘われて一緒にダンスをしていた。三島さんと踊って、私が冗談で「あれパッド、パッド、パッド、パッド。三島さんがいなくなっちゃった。パッドだらけ。どこ行っちゃったの、おーい三島さん」なんて言ったら、いつもならポーンとユーモアで返されるんですよ。それがスーッと顔色が変わって「不愉快だ。俺は帰る」お帰りになったんです。
(ボディビルを始めて)半年でとても綺麗なムキムキの体におなりになって、私が絶賛しましたらね、本当に相好を崩して嬉しそうでしたよ。みんなが羨ましいものを何かひとつ持つということは、どんな人でも望みなんじゃないでしょうか。そういった点で、まるで子供のようでした。
ハリー杉山:うちの父が、何回か三島さんの家に招かれたんですけど、挨拶の時かなり高い確率で上半身裸だったそうです(笑)
平野啓一郎:身長164cm、体重50kgぐらいなんですね。40代、晩年。ボクシングで言うとフライ級。内藤さんとほぼ同じぐらいの骨格のはず。写真の撮り方も相当筋肉が誇張されるような。
ハリー杉山:あと毛の存在感。毛のアップもすごいなと(笑)
宮本亜門:ハリーさん良くご存知かも知れない、横尾忠則さんから聞いてません?毛の話。三島さん描いた時に「毛を強調して欲しい」と頼まれて※「毛」ふさふさテロップw 1本1本細かいらしいんですよ
毛一筋のナルシスト....
瀬戸内寂聴:細い、本当に細い 色の白い脚なんだけどね、そこに真っ黒い毛が生えているの※スネ毛。なんちゅう描写
晩年、四十にして惑う
なんのために生きるのか
楯の会元会員 本多さん:もう自分も四十すぎた。ですから文豪として死ぬか、英雄として死ぬか、ちょうどその岐路に来た、と
晩年14年間の担当編集者・小島千加子さん:三島さんと最初に会った時に「僕は政治には関心を持たない。口を出さない。政治にはとにかく関わりたくない」はっきりおっしゃったんです。それがいつの間にかああいうふうになっちゃった。解決したい何かがあるわけで、それがなんだかわかんないんですけど、自分の中に吹っ切れているつもりでも、吹っ切れない何かがあったのか
2/5 声でつづる 昭和 人物史 三島 由紀夫/宗教の時間・現代人と死・1966年7月24日 放送 NHK ラジオアーカイブス
著者の西村繁樹さんは2019年死去。死の直前にまとめた本。息子さんによれば三島の死後語ることは御法度だという雰囲気があったそう。繁樹さんは亡くなる直前、自らの著書を半開きにした状態だった。
- 作者:西村 繁樹
- 発売日: 2019/10/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
アナザーストーリーズの深掘り版。
究極の一冊
宇垣美里 不道徳教育講座
いっぱい持ってきて、かぶらないようにしなきゃと。悩んでます。エッセイがすごく好きで。
皆さんが持っているイメージは「読みにくい」「豪華絢爛だけどわかりにくい」入口にはすごくいいんじゃないかと思ってる一冊。
高校生の時に読んだんですけど。高校生ってナイーブで。社会に対して思うことがたくさんあるときに読むと「いいぞいいぞ、もっとやれ」と言われているような気持ちになって、背中を押された。このまま突っ走ってやろうと思えた。特に好きなのは「教師を内心バカにすべし」
高校生の時にこれを読むとめちゃめちゃ刺さるんですよ。
理解されようとのぞむのは弱さです。先生たちは教育しようとします。訓示を与えます。知識を与えます。理解しようとします。それはそれでいい。それが彼らの職業なのですから。
しかし諸君のほうは、理解されようとねがったり、どうせ理解されないとすねたり、反抗したりするのは、いわば弱さのさせる甘えに過ぎぬ。
私はやりたいことをするけど、お前らに理解されようとも思っていないと思いながら学生時代を過ごせた。学生だけでなく、規範に収まらなければと思う人は読むと解放されるのでは。
- 作者:由紀夫, 三島
- 発売日: 1967/11/17
- メディア: 文庫
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