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趣味どきっ 本の道しるべ  穂村弘 大島弓子「綿の国星」

別世界に導いてくれる本

武井武雄

強い作家だと思うんですよ。強烈にこっちに訴えてくる。20代、プログラマーとして働いていた頃、休憩はたった30分。走って本屋に行っていた。こんなうっとりするものがこの世にあるんだと思ったんですね。いま自分がいる現実世界ではないところに行きたい。持ち運びできる別世界ですよね。

10代の頃も学校へ行くのが苦しくて。本の中にあるもうひとつの別世界を見つけない限り、生きていけない。それを読めば、今の苦しみや悩みが、全て霧が晴れて、自分が別人のようになれる、そんな本があると思ったんですね。

レイモンド・チャンドラー/長いお別れ

高校生の時に出会った。言うのも恥ずかしいんですけど、フリップ・マーロウに理想的な人間のカッコよさを見た。マーロウは常に失敗し続けていて。カッコイイんですよ

さよならを言うのは、わずかのあいだ死ぬことだ。

白土三平/サスケ

穂村さん朗読

光あるところに影がある まこと栄光の陰に 数知れぬ忍者の姿があった
命をかけて歴史を作った影の男たち だが人は 名を問うなかれ
闇に生まれ 闇に消える それが忍者のさだめなのだ
サスケ、おまえを斬る!

奥さまは魔女

こちらも穂村さんが朗読。中村正さんも亡くなってしまいました

1966 奥さまは魔女OP
日本版にしかないところもいいなってね。誰かすごくセンスのある人が、これ(ナレーション)をつけたほうがいいって

生きる力をくれた本

大島弓子/綿の国星

あまりの素晴らしさに愕然として。単に優しくデフォルメしたのではない、この世の恐ろしさや残酷さがここには確かにある。大島さんのお話は必ず主人公が追い詰められますね。この世に居場所がないという。その時その人がどんなふうに扉を開くのかが毎回描かれる。自分は本が扉だと思ってて。だけど見つけられなかった。わらをもつかむみたいにハマりましたね

綿の国星 1 (白泉社文庫)

綿の国星 1 (白泉社文庫)

綿の国星 漫画文庫 全4巻 完結セット (白泉社文庫)

綿の国星 漫画文庫 全4巻 完結セット (白泉社文庫)

  • 作者:大島 弓子
  • 発売日: 2011/08/11
  • メディア: コミック

穂村さんは歌集を持って大島さんの自宅へ。推薦文を書いて欲しかった。
郵便受けに「大島」と書かれた封筒が入ってて。大島さんが書いたんだ、と思って。切手も何も貼ってないそれを入れて逃げて。いたずらだと思われても仕方ないですね。でも引き受けてくれたんですね大島さんは。全ての運をここで使ったな、みたいな。これで生きていけると思いましたね

シンジケート

シンジケート

  • 作者:穂村 弘
  • 発売日: 2006/12/01
  • メディア: 単行本

誰かにとっての決定的な一冊になるもの、それとは別にどこかにある奇跡の一冊に出会う。綿の国星を引き当てたみたいに、もう一度そういうことがあればいいな