書く事もすごく大事なんですけど、本が一番の友達。本がないと生きていけない。
スチール製の本棚は事務機器。安心感がすごくある。資料や本は本棚には収まりきれず。
仕事の原点となった本
香港 旅の雑学ノート/山口文憲
1979年刊行。新潮文庫からも出ているがアマゾンで取り寄せようとすると結構高い。図書館の書庫にあるかもしれない。「香港世界」は少し安い。
平松 20代の前半に出会って。大学は社会学だったんですけども。香港の標識一つ、街角の看板一つからこういうふうに歴史と文化を見ていけるんだっていう視点というんですか、視線の深さにびっくりしたんですね
アイデアと工夫でひとをだしぬくことにかけては天才的な香港人が、色彩感覚では突然画一主義者になってしまうのはなぜか。このナゾをとく鍵は、中国の色彩文化の中にある。(中略)看板の色そのものがひとつのメッセージとなるように、きちんと約束事をふまえた色の選び方をしている....
これを読むと、中国の色彩の感覚と文化と歴史の産物なんだとみると、全く違うものに見えてきますよね。物の見方ってそういうことなんだなと教えてもらった本。
フランス料理の源流を訪ねて
ロベールフルソン
1986年刊行/フランス各地の料理、地域の文化。写真と文章が混ざっていって、ひとつの文化を伝えることができるんだというのを学んだ本。料理を書いているというよりも人の営みですね。食べ物を通して「人が生きるとはどういうことか」知りたい、書き表したい気持ちがすごくある。見習いたい一冊
ウイスキーボンボンの丸缶に付箋がたくさん入ってる。見飽きない仕事部屋
何度も繰り返し読みたい本西瓜糖の日々/ブローディガン
西瓜糖の日々/ブローディガン
架空世界での若者達。
21の時に読んで。ガラス細工のような透明感あふれるキラキラした感じがずーっと、めくればここにあるってのがわかってるからまた逢いたいっていうか。そういう感覚。
椿の海の記/石牟礼道子
一番最初、30代で読んだと思うんですね。でもね、わからなかったんですよね。難しいことが書いてあるわけではないのに、」読んでも読んでも自分がほんとに理解できているのだろうか、石牟礼さんが何を書きたくて、言葉が湧き出るように書かれてる、それを果たして自分はわかってるのだろうか。それさえも今ひとつ自信がない。近年読み直したら「あっ」となって。書かれる時に見えてた世界はこういうことだったんだなって。本ってやっぱり待ってくれてる。本はそばに置いておくことが大事。邪魔されない関係。自分だけの世界が確実に手の中にある安心感。一つの存在が自分の中にある。
自伝的物語。4歳の少女の目を通して、失われてしまった水俣の風景が描かれる
春の花々があらかた散り敷いてしまうと、大地の深い匂いがむせてくる。海の香りとそれはせめぎ合い、不知火海沿岸は朝あけの靄が立つ。