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サワコの朝 左官職人 久住有生(くすみなおき)ニッポンの匠スペシャル

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手がけた場所

金閣寺茶室、東京国立博物館全館ラウンジ、港区立芝浦小学校大壁、東急プラザ渋谷5階PEPPER PARLOUR...

久住 左官は17、8から。30年になりますね
阿川 文化財的に言えば金閣寺。どこを?
久住 お茶室を。海外から来たVIPの方々がそこでお茶事をされたりするための、新しいお茶室なんですけど
阿川 迎賓館お茶室みたいなもの
久住 そうですね

阿川 区立の小学校を
久住 15mの大きな壁があるんですけど、そこの土壁を。光と風と土をコンセプトに作られた学校なので、本物の土を使おうとか、光を取り込んで、そういう意匠をきれいに見せようとか。

阿川 東急プラザがリニューアルしたんですけども、
久住 5階のペッパーパーラーの壁と、7階にあるエスカレーターから上がって行くところの角いくつか塗らせてもらってます

記憶の中で今もきらめく曲

Oasis/ワンダーウォール


Oasis - Wonderwall - Official Video

久住 阪神淡路大震災の時から地元でも忙しくなって。
阿川 古い壊れた家を左官業の職人としては全部直してやるって
久住 左官屋なので、祖父の代から塗った壁も、いろんなとこが傷んじゃって。震災の時はいろんな壁を直して回りましたね。100軒とかじゃきかないんじゃないかな。朝から夜中までひたすら壁塗ってたんで、ほかの事なんにもしてないんですよ。移動するときとかに落ち着くなあとか思いながら聴いてました。体が痛くて寝れない、でもずっと仕事してましたね。
阿川 ひたすら「壊れた家を直さなきゃいけない」という。腱鞘炎にもヘルニアにもなったけど、ギュウギュウ詰めにした仕事の成果が、自分の技となって
久住 技術にもなったし、経験・知識ですよね。一人じゃ考えつかないことを先代がしてる、壊れはしてるけれども、言葉で教わらなくても何してるかわかるので。いろいろ勉強させてもらったり。

コテ、一般的には10種類以上を使い分けるが久住さんは1000種類持っている。

久住 水を入れたら何分後には塗れますよ、というのをホームセンターでも売ってるし、プロでも使ってるのが多いけど、材料が持ってることしか表現できない。ぼくらは土とか砂とか独自に調合する方法で思った表現、形を作ってます。

左官になるまで

練習、家に大きなパネルがあったんですよ。小学生にあると大きくなっていくんですけど、パネルと土を練ったものを塗りつけてはがすことを毎日しないと、ご飯食べさせてもらえなくて(笑)夏休みは作業してるところへ連れてってもらって。すごい嫌だったんですけど。お手伝いじゃないんですよ。この会場いっぱいになるくらいのすごい山積みの砂が工事現場にあって、ただ毎日ふるうだけとか。押し入れの壁を塗ったり、漆喰の彫刻の型抜きとか。修行と思ってやらしてたんです。父は。お手伝いというよりも。怖かった。厳しかったんです。

阿川 ある時反抗して家出するんですよね
久住 いくつだったかな、2回。小学校の高学年。お金もないし。叔父さんが探してくれて、一緒に謝ってくれた
阿川 ケーキ屋さんになりたかったとか
久住 手先の訓練させられてたから。同じバイトに行った同級生がいたんですけど、僕だけいろいろ作らせてもらえて、オーナーも、ケーキ屋になったらって。専門学校行ってなろうと父親に相談したら「馬鹿になるからダメだ」って言われて。学校行くことが馬鹿になるんじゃなくて、もともと勉強が好きなわけじゃないのに、学校へ行くというのにどうせ遊ぶんじゃないかみたいなことで。それだったら少ない金額ですが、高3の夏休みにヨーロッパ旅してこいと
阿川 旅費を出してくれた
久住 旅費と「この建物見てきたほうがいい」アドバイス。大聖堂とかルーブル美術館とか、名だたるところの建築見てこいよと。サクラダファミリア見たときにすごい感動して。100年たってもまだ作り続けてる、すごいことするなと。その時初めて左官もいいなと。