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あさイチ プレミアムトーク 川上未映子「夏物語」

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夏物語

人が人を生むことは善なのか悪なのか

前半は、大阪で暮らす夏子を、姉の巻子とめいの緑子が訪ねてくる3日間。後半は8年後、38歳になった夏子が作家デビュー。そこそこ安定したため、自分の子供に出会いたいと思うように。ただ夏子には恋人もいない。

夏子 わたしらみたいな独り身の女が子供作るのに、精子バンクゆうのがあるねん。巻ちゃんは知らんやろうけど、こっちではスタンダードになってるねん。

※いやいやいや、あらすじいうか、内容言いすぎやろ。

大吉 こんなトーンで、語るかどうか
近江 今回ちょっと声優さんにお願いして※誰や
大吉 関西弁で。これじゃまるでじゃりん子チエだ(笑)
近江 じゃりん子チエがお好きで
川上 好きですね
大吉 作家さんが主人公じゃないですか。やっぱどうしても、ご自身を投影されてるのかなって
川上 そうですね。書いてると出てくる時がありますね

近江 今回、生まれてくることとか生むことを主題にした理由ってなんですか
川上 なんかね、小説書く時っていうのはいろんな気持ちや動機があるんですけど。文学って、関心事もなんですけど、どうやって生きるか、どうやって死ぬかがすごく重要なテーマじゃないですか。それと同じように、どうやって生まれてくるか、どうやって家族って作るのか、出来てるのかについても一度しっかり書いてみたいなと思ったんです

近江 いつごろから構想は
川上 割と長く、この小説については考えていて。「乳と卵」を書いた時から、これはもしかしたら物語になるかもしれないなと思ってました。

夏子よりも善百合子の描き方がすごい。

ねえ、子どもを生む人はさ、みんなほんとに自分のことしか考えないの。子供のことを考えて、子供を生んだ親なんて、この世界にひとりもいないんだよ。
(中略)生まれてみなければわからないっていう賭けは、いったい誰のための賭けなの?

近江 自分の子供が絶対に苦しまずに済む唯一の方法っていうのは、その子を存在させないことなんじゃないの?という言葉が出てくるんですが

川上 改めて読むと結構重い言葉ですよね。なんか、今若い人たちとか、この先どうやって生きて言っていいのかわからない実感を持ってる人がたくさんいるんですおね。もちろん年齢関係なくなんですけど。そもそも生まれてこなければ、みたいな考え方を持つ人もいるし、これはほんとにネガティブにも見えるんですけど、考えるべき問題でもあるんですよね。私の考えっていうよりは、こういう考え方も持ってる人もいるし、そういう登場人物の意見ですよね。いいことも悪いことも感じる主体がそもそもなかったのだからって考え方は、昔から哲学者は言ったりしてるんですけど。

華丸 逆に言うと、ものすごく幸せを運んでくれることもあるじゃないですか。表裏一体してるのも、ね。いいほうに考えるのも。
川上 新しくいのちを産むこととかについて、みんながいろんな事を話す小説なんですよ。百合子さんの意見は割と極論。うまくやれたひとはいいけど、毎日確かめながら生きてる女性がたくさんいますね。

最後らへんに緑子が卵を自分にぶつけるシーン、実際に風呂場でやってみたらしい。ぐしゃわ。卵はぶつけた時に泡立つんです。知らなかった。

夏物語

夏物語 (文春文庫)

母親になって初めて、私の母の子供になれた ←たしかに