終始博多弁で？
松重 研ちゃんさ、こっち側が話を聞いて引き出さないかん
光石 しっとー、俺がそんなことできんっち
松重 できるっちゃないか、たいがい3回もでとるんちゃ、もうだいたいこの流れもわかっとろうもん
※隣県なんでそのように聞こえたが、間違いあらば添削を↑
華丸 いいんですか終始博多弁で
松重 そういう流れで呼ばれとるんちゃなか
華丸 テレビをご覧の皆さん、意外と松重さんとか光石さん、博多弁が意外と新鮮というか
松重 ２人でいるときに標準語はしゃべらないんで
光石 標準語が出るとクスッとなる
松重 なんツヤつけとうとかいな、って
光石 ちょっと恥ずかしい
松重 （光石研は博多っ子純情でデビュー）スターですよ。西日本新聞からなんから。北九の人間がなぁんで博多...ホントの方言しゃべりきらんっちゃ思うてさ（笑）「EUREKA」で「博多っ子純情の光石さんですよね～」
華丸 それが初対面
松重 ずーっとあんとき博多弁しゃべりよったん、役者さんに博多弁教えんといかんかったけん。でんでんさんの筑後弁、通用せんかったけん、それで仲良くなったけん、そいでこっちで仕事するときもだいたい博多弁で。
華丸 僕はドラマに出ていただいて
松重 役者ってのはどういうスタンスでやられるんですか
華丸 スタンスもなんも、そんなんないです。言われたからやる
松重 芸人さんでスタートしたりしてもやっぱりほら、そっちにシフトする人は結構いらっしゃるじゃないですか。華丸さんの中にもそういうココロはあったんですか
華丸 いやいや、まったくないです
松重 ないんやったら、できるわけなかろうもんとか言うでしょ、ね、普通。３回ぐらい断ってしょうがなく出た感じ
華丸 そうなると偉そうになりますけど
光石 それが「めんたいぴりり」
華丸 そうです。しきりません、とんでもないと言いました
松重 富田靖子さん相手に
華丸 緊張するけん無理です、って言いましたけど、漫才みたいな口調で言いなおすから、と言われて。プラス吉本が「断るなんてないからね」もうやらざるを得なかった。
松重 で、こういう大先輩はどういう対応でした？光石さんとか
光石 おれ、緊張して。逆に。だって、ファンやったからね。だからうわあ、って思って
松重 芸人さん、僕らもテレビでしょっちゅう見るから、やっぱ出ていただくとこっちも緊張するんだよね。極力リラックスして「こっちの世界も悪いもんじゃないよ」で帰っていただきたいと思う
華丸 そうですか「なんでこの世界に来たのかな」思われてるかと。片手間に来たみたいな
松重 いやいやいや。だって才能あるのわかってるし、芝居うまいのわかるじゃないですか。漫才見ると。光石さん変なプレッシャーかけんかったですか
華丸 プレッシャーかける役だったから。明太子うまかったんと睨まれる。だから安心しました。垣根を越えることに対して申し訳ないなと
バイプレーヤーズ
松重 興味湧きますよ。M-1とかR-1とか見て。若い頃の自分だったら飛び込める世界かもしれないなと
光石 そういうのありますよね
松重 僕らの頃は芸人になる選択肢はなかったの。福岡の人間て、大阪に行かないじゃないですか。飛び越えて東京に行く。僕らも演劇か音楽なんで。芸人になる選択肢は当時の福岡にはなかった。主役でデビューされてるから下々のことはよくお分かりにならなかったとおもう
光石 僕は主役だから
松重 這い上がるルートに芸人がなかった。だから華丸さんの時代が羨ましいんですよね。文化祭で漫才みたいのやってましたから。僕は映画監督、石井岳龍（聰互）監督がロッカーズとかルースターズとか、ミュージシャンで映画撮って、なおかつパンクロックでカッコイイ。こういう橋の仕方があるっちゃね、っていう先鞭をつけてくれた。憧れて「やっぱ映画監督やね」ってこっちきて。なぜか知らないけど周りが演劇人ばっかりで。演劇も面白かろうね、それからだんだんだんだん役者にシフト。博多弁で何かやるのを全国区にしていただいたおかげで、バイプレーヤーズでも僕と光石さんが博多弁で喋っているのを、遠藤さんが真似して「にせもんだ！」て小ネタが散りばめられるぐらい
華丸 吉田羊さん入ってきて、もっと博多弁に
松重 板谷さんとかも
華丸 あの時は福岡県民スタンディングですよ。こたつ一回はぐって（笑）
博多っ子純情からの
光石 たまたまですよ。友たちに誘われて
松重 だいたい、福岡の街でオーディションやったって情報はすごかったです。うちのクラスでも何人も受けてたし
光石 高校卒業して、都内の大学入ってすぐやめて、一応松竹デビューだったから、寅さん出してくれたの。夢のシーンとかタイトルバックとか。ちょっと出たの。そしたら当時の博多っ子純情のスタッフがそれ見とって「あらっ！光やん東京に出てきとる」探し出してくれたの。今度俺たちがやる青春もんのドラマがあるから、そこに入れてやる、って言って
松重 トントン拍子ですよ。光石さん、人望厚いし、スタッフに愛される。飲み会でも、スタッフの女の子の輪に入る。「おっ近くじゃない？おいしいパン屋教えてあげる」おいしいパン屋マップを手書きであげて、絶品！みたいの。女子のスタッフが光石さん、キュン！とする
光石 寒気するわ（笑）
ネタ合わせ
博多弁を入れた理由
松重 ネタを合わせる時間は、今のお忙しいスパンの中でどこで作られてるんですか
華丸 直前です。2～3時間前に無理やり入れます
松重 ２、3時間で？
華丸 ２時間もないです。遊んでんです、相棒が。ギリギリまで俺に渡さない。転がされてんですよね。
松重 おもしろいな～
華丸 手塚治虫と編集長みたいなもんです「せんせいはやく！」「いやいや」
松重 じゃ、大吉さんはその辺の構造は入ってる
華丸 いやいや、その辺のはわからないです。とにかく１時間半か２時間前に「できた！」
松重 それを完璧に噛まずに
華丸 そこを褒めて欲しいです（笑）僕が練習派なんです。アドリブより台本があるほうが
松重 役者向きですね
華丸 （大吉は）僕が自主トレするのが嫌、らしいんですよ。漫才てやっぱ、その場の雰囲気でやるのが本来の形。ネタに聞こえない方が漫才だと思う。台本が用意されてない。だから俺が一人で練習するのを避けるために直前に渡す、と。後日談ですけど
光石 博多弁入れたのは
華丸 陣内孝則さんです。愛し合ってるかいてドラマで。いつも陣内さんの自宅って設定で招くんですよ先生たちを。博多から明太子が届いとるけん食うばい、って言って。それに憧れました。いつか東京のテレビで博多弁喋りたいって。武田鉄矢さんから言われました「線路は俺が引いた」（笑）「お前たちは後ろ」
学生時代
松重 面白いこと言う奴って、今のクラスのヒエラルキーで行くと上の方に行くかもしれないけど、頭いいやつ、運動できるやつ、面白いやつで言ったら、三番手四番手で低い。俺大柄だけど地味な大きいやつやった。ひとり学級新聞とか書いたっちゃ。そういう地味な存在
華丸 学校の先生のものまねとかも、予選会とかさせられてましたけど、スポーツ坊喜ばすための道化みたいなもんでしたから
光石 全く俺もそう。学校の先生のものまねしとった
華丸 手ぇ叩いて喜んどるのは部活の全国大会出とるような人達
松重 山笠とかどんたくとか、見せる側の、ステージ側がメイン。でも観客か向こう側かって言ったら演者がいい発想。敷居が低い土壌がある。圧倒的な人気者になれない苦痛があるじゃないですか。運動神経、学力。そこで勝てなかったら演者になる。大阪に行かずに東京に行って一旗揚げる先輩が居る。NHKがたまに福岡発ドラマやるんですけど、テアトル博多とか、僕の劇団の人いっぱい来るんですけど、本読みやったら、みんな標準語に変えとるんですよ。ちょっとまって、博多弁で言わなわからんね。俺一人で博多弁
大杉漣さん
松重 率先してリーダーで有り続けたんで。やっぱり大杉さんって指標があったからこの世界で。あの人が正当に評価されて賞もらえるような世の中じゃないと信じてやれないな、って思ったから。トントン拍子に世間が大杉さんに注目して、突っ走ってくれたんで。僕にとってはレールを引いてくれた人は大杉さん。舞台から演劇に入って、カバンの中台本何冊も入って。そうやっていろんなことやって、自分の仕事のバランスを取って。割と仕事を詰めてやってたんですよね。止まっちゃうと終わるかなという気はする。常に全力で皆様の要求に応えられるようにしたいなと思ってますね
仕事のない時期の話
華丸 僕らも仕事が減ると不安になる。役者さんもやっぱり不安になるんですか
光石 不安になる
華丸 ここまでの仕事が終わった、次の映画までに長めの休暇がある.というイメージ
松重 いいや。重なってないと不安ですよ。一時期やめてましたから。
光石 職人さん
松重 25から27まで。２年ぐらいかな。給料もらってましたから。
華丸 相棒は吉本と揉めて、ひとりで休んでました。僕はラジオとかひとりでやってました
光石 仕事ない時期、バイトやって、奥さんちょっと働いたりして。30ぐらいですね
