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【抜粋・感想】SWITCH インタビュー達人達 宇多丸×畑中章宏 ヒップホップと民俗学。

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日本人の「雨」観

畑中 日本人が苦労してきたことは、概ね水に関わることっていうのは確かなんですよ。日照りが続くと雨が降るように、雨が続くと止む様に祈る。祈雨(きう)と止雨(しう)。丹生川上神社という大和の社に、祈雨には黒馬を、止雨には白馬、赤馬を朝廷が献上してお祈りをした。実際の馬だったら、馬も可愛そうだし、大変だっていうので、絵馬にして捧げる。
宇多丸 なぁるほど!そもそも、実際の雨に対して気を揉んでるこの状況がすごく、
畑中 あんまり降りすぎると困る。自然に振り回されるけれども、自然に対してわがまま。ずうっとそう。
宇多丸 まさに僕ですよね。フェスの日は、カンカン照りだとちょっと辛すぎるけど、ちょっとぐらいのお湿りはクールダウンにいいんですが、ちょっと降りすぎかなぁ→降りすぎかなぁ→降りすぎだよ!みたいな。

宇多丸、振り返る

畑中 最初にのめり込まれたのはどういうたぐい?
宇多丸 記憶ではっきり、音楽で好きになったのは、ピンクレディーですね(笑)ディスコ大ブームで、踊れる音楽が好きだなっていうのは、割と早い段階から意識としてありました。保育園で残ってる時に、そういうレコードをかけてみんなで騒ぐのをみんなでやってて、保母さんがうるさいからやめなさいって言うのを、聞かないから音量を上げたりして問題になったりとか(笑)
畑中 ヒップホップに最初に出会われたのはいくつの時?どういうふうな体験で?
宇多丸 RUN-DMCですね。歴史の中でここで初めて、ラップそのものが主役になる。ラップはあくまでも歌唱法。ヒップホップは包括的な文化のあり方。70年代のブロンクスという地域で生まれた文化で、ラップがあってDJがいて、ブレイクダンス。あと、グラフィティアートを加える場合もありますけど。ヒップホップ文化ではブレイクダンスに焦点が当たりやすかったんですけど、ここで初めて、ラップミュージックそのものが焦点化されてる。ロックだったら、美女たちが着飾ってカリスマティックにやって装ってやってる。決して美男とは言い難い男達が、ましてジャージを着てですね、カッコつけてるわけですよ。
畑中 ジャージ着たあんちゃんみたいのがカッコいいと
宇多丸 これなら、俺にも希望があると。
畑中 ロックとかは聞かれてたりしたんですか
宇多丸 ロック的なのが飽和状態で。僕の世代は汗を流しながらロックというのが割と下火になって。あんまりイケてない。長髪になってそっちというのはあんまり役がない。僕がキャーキャー言われるとしたら、万が一の可能性はラップだって感じ。

メッセージの伝え方

単純なジェスチャーとも違うんですけど、言葉を視覚的にも体で伝えようとしている時の動き。だから、直立不動でラップはなかなかできない(笑)それこそ、伝わりづらいと思います。

建築的にライム(韻を踏む)を構築していくのが、ラップの面白み。
自分がどのような環境にいるのか、名前を曲の中で名乗る。自分の立場をベースに自分の言葉で。たとえ貧しかろうとそれを恥じることなく「僕はここから出てきたんだ」と話をすることがかっこいい。僕は日本でこういう環境で、というのを何一つ恥じることはない。恥じてどうするんだ。

遠野物語

畑中 人里を中心にした、こちらが死者の世界。あちらが老いの世界。近いようで遠いし、遠いようで近い。
宇多丸 三点の地形が人間の一生を表しているんですね。無時間性。日本の土着的な死生観、僕も持っているようなものに合う。地形そのものにジオラマのようにできているのが、さすが遠野たる所以があるなと、めちゃめちゃ改めてわかりました。

善明寺の供養絵画

畑中 亡くなった方を供養するために絵に描く。その方が最も充実してた時期を描いて、あの世でも充実した時間を過ごして欲しいという願いを込めたもの。僕の好きな絵、一人酒がこの人にとって最も充実した時間だった(笑)狼という説もある、それに「一献、お前も一杯やれや」と勧めている。
宇多丸 それすごいですね
畑中 僕らにとっては、同じような眉、目鼻立ち。そんな特徴は感じられないけど、仕草とか来ているものとか、いかにもこういうことをしそうだ。昔の人にとってはそっくりそのまま。
宇多丸 当時の日本人の「人」の捉え方の話

さいごに

2018.7.2、歌丸さんが亡くなり、7/7は豪雨災害でブラタモリチコちゃんに叱られるが放送休止になった。SWITCHやってる同時間帯、日テレは「THE MUSIC DAY」で桑田佳祐→嵐へとエンディングに向かっていた。そんな中で録画して良かった。何度でも見る回のひとつ。