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SWITCHインタビュー達人達 フジコ・ヘミング×田川啓二 ビーズ刺繍

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田川啓二

作っている時のワクワクする楽しみと、葛藤と

色を変えていく作業は人間の手じゃないとできない。金属の刺繍はモールで立体的につくる。インドで、独学で技術を学んだ。フジコヘミングは10代の頃、自分で作った財布を今も持っていて見せた。

フジコ こんなに綺麗なものいっぱい作ると、死ぬのが嫌でしょ。天国にはあなたの作ったもの置いてあると思うけど
田川 おっしゃられる通り。自分の手を離れた瞬間に、多分それ二度と見られなくなるなあと思うと、全部自分のそばに置いておきたいという思いが強いですけど。フジコさんいろんなもの集めますか?
フジコ ダイアモンドなんかはあまり好きじゃなくて、安っぽいって悪口言う人がいるけど、そういうものがすごい好きです。
田川 でも安っぽいって言ってもアンティークのもあるし。
フジコ 今日のもパリで買った100年ぐらい前の古いレース。犬連れて、毎日パリの珈琲店の表に座るんです。人を眺めるのがすごい好きで。そしたら向こうに割と粋な男がいて。その人が私に「まるで昔のパリジェンヌのようだ」褒めたんですけど「私はおばあさんです」と言った。すごく粋な男だったから、すごい嬉しかった。

田川 物を作っていくときに頭の中でデザインしていくんですね。たとえば海の、穏やかな波の景色を夕方なんかに見てると、夕陽が当たると本当にキラキラ波が輝いているように見える。ちょっと職業病的な感じなんですけど、すべてが頭の中でビーズに変換されていくんですね。波のこの部分は竹ビーズで刺して、とか。長いと1年ぐらい頭の中にあって、変換して、これだ!と思った瞬間にデザインが紙に出て。それでどんどん作品を作っていく感じ。そのうち、刺繍で家を作るんじゃないかっていうぐらい。でも壁を刺繍で作ったら素敵なんじゃないかと。

性格がわからないとつくるのは難しいので、お客様とは30分から1時間ぐらい話す。美しいものが人間の心を豊かにする。
着物にビーズ刺繍をしていいか悪いか葛藤もあった。どんどん着物を着る人がいなくなっているので、どういう形であれ、なにか土俵に上げたほうが、いいにしろ悪いにしろ、みなさんがどういうふうに思って下さるかを考えて、つくり始めた。展示したら、女性の方の「これだったら着たい」という意見がすごく多かった。

フジコ 目立つじゃない。あたし、本当はすごく着物を着たいんですよ。

誰か先生についたら、きっとこの仕事を選んでなかった。自分で自由に学べたことがこの仕事につながった。

フジコ・ヘミング

※ところで「フジコ」「フジ子」どちらだろう。予測変換では「フジ子」と出る。
フジコ 新聞批評に、色彩があることがいっぱい書かれた。ベルリンの音楽学校で弾いてた時、先生が「絵を描きなさい」と言った。ピアノで絵を描けといった。絵と音楽は通じていると思いますね。
田川 今回生の演奏を見させていただいたらば、フジコさんのアートワールドを拝見させていただいたなという気になりましたね。

フジコ 未だにおしゃれしてる人を見るのが好きだわ。人形とファッションの絵を描くのが好きでした。ほんとに私の値打ちを認める人間はどこにでもいるんですよ。勇気が出て、私はやめるべきではないと。

ラ・カンパネラは特別な思いがある曲。