金縛りは霊体験なのか
なぜ起きるのか、科学で解明。
上田 金縛りでお悩みということなんですけど、どんなことが金縛りとして起きるんですか?
又吉 幽霊の悪口をよく言ってた。死者を冒涜するつもりは絶対ないけど。でも仮にもかつて人間やった霊的な存在が、法律も知ってたはずやし、自分にどんな感情があるか知らんけど、僕が攻撃したわけでもないのに無抵抗な人間に対して霊的な暴力を振るう、っていうのは、最低な行為やから(笑)そんなヤツに怯える方がアホらしい、ほんとにしょうもない魂ですねとライブで言うてたんですね。そのタイミングで金縛りにあったんですよ。もう僕なんか強気になってたから「はいはい、面白くない奴がきましたね。そうやって、無抵抗な人を苦しめて」言ってたら苦しくなって、息できんようなって「すんませんでした!」謝った(笑)そしたらなくなったんですよ。先生は金縛りも研究されてるんですか?
上田 金縛りそのものではないんです。実は金縛りは、睡眠を深く深く理解していくと、その謎が解け始めていくんですよね。
金縛りの正体は睡眠麻痺
頭の状態は3つに分かれる
覚醒、ノンレム睡眠、レム睡眠。
体は寝てるのに頭は起きてる状態。夢の中は突拍子もないことが起こるので、体を動かさないように脳がブレーキをかけている。その時にたまたま起きてしまうから動かない。実は金縛りは普通だったらレム睡眠のところが、たまたまちょっと向こう側に行っちゃって起きちゃった、体はまだ起ききってない。睡眠麻痺
半分寝てて半分起きてる状態なので。意識あって起きてるけど夢が見れてる状態。
胸が苦しい状態になる理由
上田おそらくですね、激しく呼吸をしたり体を動かすのが難しいので、苦しくなるのではないか。呼吸が止まってしまうわけではないので、リラックスしておけば。起きない人はいないので。幽霊に文句を言うよりは科学で解明したほうが。
自分とは何かという問い
上田 小学校4~5年の時なんですけど「自分ってひとりぼっちなんだ」つながりがあるように見えて、実は一人なんだって気づいてすごく不安に思ったことがあって。
自分の意味とか、自分とは何かということに強烈に惹かれて行ったんですね。
又吉 僕もそんなことばっかり子供の頃から思ってましたね。聞く相手は親しかいない。びっくりするほど雑でした。「僕がなぜおるんや」「おとうさんとおかあさんがおるから」どんどん上に行って、一番最初は、みたいな。進化論とかそういう話に、割と早い段階で「6代ぐらい上には神様がいて」(笑)もう神様?(笑)僕の場合は割とそれをお話にするというか、素材でこうじゃないかこうじゃないか、自分の身に起こることを物語に吸収さしていくんですよ。
上田 なるほど。なんとか自分に近づきたい、近づくためには取り出さないといけないんじゃないかなあと思い始めたんです。人や自分は対象にはなかなかできない。人とは違っているけれども、睡眠は共通のマウスと相対してみて、この全部を一応見てみる。なんとか自分を取り出したい、そんな感覚でやってきましたね。
又吉 自分とは何かを知るために、自分を取り出して研究する、観察するということですね
上田 はい。なかなか太刀打ちできない難しい問題なので。一人だけではなくチームで、あるいは世界の他の研究者の人とちょっとずつ積み上げる科学だと、なんとか一歩ずつ前に進めるのが科学かなと。で、今こんなことをやってるんですけど。
感想
金縛りの正体は睡眠麻痺であるということ、リラックスすることがだいじ。どこかで読んだっけ。中学生の時も産後も金縛りにはよく遭った。霊体験よりは霊夢を見てるんだろうか。いや?お告げとかじゃなくてもっと怖い夢だが。解明されない方が良かったかな。おどろおどろしい霊体験として、胸にしまっとくほうが面白かったかもしらん。でもふたりの語り口は穏やかでいいなと思う。テーマは睡眠。
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