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【抜粋】SWITCHインタビュー 達人達 西野亮廣×緒方恵美 世界が笑えばいい

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アオイスタジオにて

西野 1回ツイッターでやり取りさしていただきましたよね、あれ、なんの時でしたっけ
緒方 プペル展を無料公開するクラウドファンディングが、私のタイムライン上に流れてきて。知り合いがリツイートしてたんで。それを拝見し。まず最初に絵を見て「なんて綺麗な絵なんだ」と思って支援というかパトロン
西野 うわ~ありがとうございます...僕のパトロンになってくださったんですね
緒方 そうですそうです

ほかの声優に比べ声帯が長いので男性役の低い声を自然に演じられる。瞬時に様々なキャラに変われる。

緒方 物理的に、セリフがかぶっちゃってるところは別に録りますけど、順番にやるときは普通に(切り替える)
西野 うわ~、ごっちゃになんないですか「こっちの声ちゃうど」みたいな
緒方 ならないですね。25年やっていて、ごっちゃになるとヤバいと思いますけどね(笑)
西野 結構そういうことってあるんですか声優さんは
緒方 どうですかね。2役3役やらせられる役者がそんなに多くない。私は音域も広くて差があるので、結構たおやかな金髪のお姫様と青年将校とか、そういう極端な役を振られることも多いです。なんで、二重人格的な感じで、とか。多分同じ作品で2役3役やってる数が多い役者の一人だと思います。
西野 演じ分けってあるんですか
緒方 私たちは年齢とか性別もバラバラのものをやるので、そうすると記憶の再現というか。例えば想像の問題ですけど、お姫様の役とかやらなきゃなんないときに、お姫様とは「上げ膳据え膳でみんなが何かをやってくれる」自分はすっと立っていれば。むしろ立ち方とか所作とかをちゃんとやって、あとは助けてくれる人がたくさんいる、となると自然とだんだん背筋が伸びてきて。笑っているということはウケるということだから、自分から突っこんで行くというよりは、余裕が有る気持ちを持っている。でも12歳だとまだ経験値がない。どういうことで遊んでたかな?と想像すると声が高くなってくる。
西野 なるほどなるほど、おもしろい
緒方 「どうもありがとう」
西野 想像するというか、作っちゃうんですね
緒方 そうです。自分の想像力で、自分の体の中を変えちゃうぐらいな感じ。そうすると、なんか自然と変わってくる
西野 姿勢とかだけじゃなく、声も変わってくるんですね
緒方 変わる変わる。結構声優ってただ立ってるだけと思われるんですけど、いろんな筋肉を使っていて。脳からの指令で動かしていて、だけど、でるのはここ(声)だけ。可愛いっぽい声の人は器用な人ならすぐ出せる。かっこよさっぽい声とか。だけどそれって中身がない。チャラいやつみたいな感じで、本当にみんなが好きだと思うようなかっこいい人とか、すごく知的でいい子っていうのは心が伴ってないとそうなんないじゃないですか。中身が伴った人の声で出してないと説得力がないので。

西野 例えばお笑いだったら「あいつが絶対拾ってくれる」ってあるから、信頼関係で進む。声優さん、チームワークによって作品のクオリティは変わってきたりするもんですか?
緒方 私は変わると思います。空気感は微妙に出ると思うし、でもお芝居単体で言えば我々の仕事は、極論全員が別録りであっても完成することは完成する。ちゃんと顔合わせてるドラマとかのお芝居じゃないので、向こう向いて喋ってるんだけど、隣の人にセリフの語尾を投げっぱなしにすることで委ねるという、職人技なんですけど。意識を相手役に投げる。「ありがとう西野さんこれからもよろしくね」ってセリフがあったとして、語尾が収まらなかろうがなんだろうが気持ちが繋がってる方が、お客さんは繋がってる感じを受けてくれる。

西野 チームワーク超大事じゃないですか
緒方 そうですね。エヴァンゲリオンはガンガン来る人たちばっかりで、会話が面白くなってって。
西野 信頼関係大事ですね。うまそうですね、チーム繋ぐの
緒方 どうかわかんないですけど、始まるまで緊張してる超新人の子多いから、簡単なんですよ、みなさんに差し入れのお菓子を「食え」って持ってって(笑)
西野 その言い方いいですね「食え」
緒方 「アタシタチハチョット...」っていうと「太らせたいわけ私たちを」(笑)「食べな」配ると、緊張が和らいで仕事がうまくできるようになったらいいなと。常にお菓子を配ってるわけじゃないですけど。

声優ブーム

緒方 デビューが幽遊白書。次がセーラームーン。2本がめちゃめちゃバズって人気になって、そこから声優ブームみたいなものが起きたんですけど。私はデビューが(ブームの)一番最初だったんですよ。最初ナメてたんですね(笑)声優の仕事を。舞台で、宝塚じゃないんですけど、男性に混じって少年役をやっていたので、やれると思ってた。声優って舞台の本読みみたいな仕事でしょ?て最初は思ってた。簡単じゃないかと思って入ったんですけど、始めたら「ヤバイっ」ひどいとすぐ直前で台本貰うので、初見で出来るわけない。舞台で1ヶ月かけて作る役を一瞬で作らねばならない仕事なんだと気づいたときに戦慄来ちゃって。やべぇ~(笑)精進しなくては、と。デビューしたらグラビア誌が立ち上がる。その波にいきなり乗せられた。それまでの先輩たちはアニメ、洋画、CM、ナレーションで生きるのが声優の道だと言われてきたのにアニメしかかぶってなくて。
西野 それに対しての先輩のやっかみもあっただろうし「なんで声優がグラビアなんかやるんだ」という声も
緒方 私も「何故、写真集を私が?27歳なんですけど」みたいな。全然そんな顔でもないんですけど、需要があってそうなっていった。整備。お願いします、みたいな
西野 スタートからむちゃくちゃやったんですね
緒方 みなさんが求めることをやろう、と思って。自分が作りたい音楽を作るというよりは「こういう声の歌が聴きたいんじゃないかな」「こういうストーリー性のあるものが聞きたいんじゃないか」最初の頃はそう思ってたんで、演ずるような気持ちでアルバムを出してたんですよ。でも途中で疲れちゃって。音楽は自分の言葉で伝えたいものを本当は作りたいレコード会社の社長が「緒方くんはそろそろ自分で全部やったほうがいいよ。曲と詞を作って、バンとスタッフを貸してあげるから行くといいよ」バンに乗って全国ツアー。30代半ばになってから始めたんですよ。初めてバンド小僧みたいな体験もして、やりたい音楽、ブレないものが決まった。
西野 自分のやりたいことをやると決めた時に、たぶん離れていった人もいるでしょ
緒方 最初「や~めた」って言った時点で離れていった人もいるし。でもやっぱりこういうのが本当にやりたいんだって思って。その時は小さなライブハウスだったのが今だんだん大きくなってって。

西野の場合

西野 自分の話して申し訳ないんですけど、はねるのトビラが20歳の時にスタートして。25歳で番組がゴールデンタイムに上がって、やったやった!思って、そんときに「アレ?俺これやりたかったっけ?」って仕事が何個かあったわけ。中には。これ、ダメだと思って。テレビでただただ露出しているだけで、1個も本音で喋ってないと気がついたんですよ。
緒方 ああ~もう、なんかすごいわかる(笑)
西野 やめて、相方呼んで、マネージャー呼んで、吉本の偉い人みんな呼んで、25の時に「僕は辞める」という話をして。そっからです。テレビのひな壇、グルメ番組出てないん。全部やめた。26ぐらいの時に50人の小屋から再スタートをきった。
緒方 その時に入ったお客さんのぶんだけみんなで山分けしたんですか(笑)
西野 つい先月までは、すごくキラキラした世界の中にいたのに、僕、気ぃ付いたら、ホームセンターに行って安い美術セットとも呼べないような中古のやつを買って、みんなで運んで立て込んで、文化祭みたいなことやってたんですけど。それをちょっと思い出しました。でもやってよかったっていう。やっぱ、演じるところもあっていいと思うし、本音で喋るところもないと、僕は気持ちが持たないですね。
緒方 わかります
西野 それが音楽だったんですね

クラウドファンディング

緒方 自分にとっては。日本で作ってるアルバムとかDVDは、海外でアニメが好きという人たちになかなか正規品が届かない。どうやったら届けられるだろうかとずっと考えていたんですけど「あれ?これ、海外のクラウドファンディングで、パトロンになっていただいて、支援ということになれば、関税もなにも関係なく送れるのではないか」と。国同士で問題になってる手続きとか、関税なしに、支援のリターンだから送りますといえば、全世界で同時に渡せるのではないかということに思い当たったんです。
西野 僕5年ほどやっているので、その苦労はわかるんですけど、緒方さんのって、すごい集まったじゃないですか。
緒方 なんかいろいろ死にそうでした(笑)集まるんだろうかって、すごいドキドキし始めて。慣れてないし。いろんなことを考えたんです。25周年、このままクラウドファンディングをやめたとなれば、普通にレコード会社が出してくれる。大してお金集められなくて、あいつなんなの?って言われるんじゃないかとか。企画が流れるってことなんで「クラウドファンディングに失敗したから、御社が出してください」って言えないじゃないですか。25周年のアルバムがなくなるってこと、これは人生のものすごい賭けになるんじゃないかと。怖くて途中で血吐いて。マネージャーと二人、どうするどうするって。結果的に90分で目標額を達成。いろんなとこにお届けすることができて。
西野 意味のある挑戦でしたね。声優業界において。25年ってちょっと守りに入りそうな感じなのに
緒方 ずっと25年間攻めてきた。動かないと、止まってると、そこで終わりだから。現状維持って後退だから。昨日と同じことをやっていっても周りの人達は進むわけだから。変わっていくことを怖がらないで行かないとダメと、歌詞に書くためにも自分はやらなきゃ(笑)

後半

西野 今のお客さんって自分も参加したい、発信したい側に回りたい人が増えてきた。すると参加できる余白が上手にデザインできている作品やライブがクオリティ高い
緒方 ビアサーバーがお客さん参加型?(笑)
西野 昔はお客さん黙って見てるだっけだったんですけど、今は参加したいどころか作り手側に回りたい。スナックに近いよねって。そこに集まったらあいつもこいつもいるよねって、待ち合わせ場所になってる。エンタメの未来ってスナック的な感じ。その話が盛り上がって実際にスナック作っちゃった。

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