警察が多くて怖い問題
ス:これ10回目にして割と「警察が多い」ミュージシャンですねぇ(笑)
マ:そうですよね
ス:気を付けないと。警察というのはね皆さん、すごく細かくて、間違いとか指摘する方々を
警察って言うんですけど。
マ:我々警察の歩みを(笑)半グレ集団みたい。なにやってんだよ
RYDEEN(1980)
わかりやすくて気持ち良い
ス:作曲が高橋幸宏さん。ドラムだったんでコードがあまりできなくて、鼻歌でこれを。
細野晴臣さんははっぴいえんど。僕は「グルーヴの人」「リズムの人」のイメージがあって
坂本龍一はテクニック、東京芸大。このふたりが難しく語られがち。
YMOがポップだったのは高橋幸宏っていうね
マ:幸宏さんから直に聞いた話ですし、細野さんとね、YMOを始めてしばらくたったあとに
地方でも伝わるような音楽を目指しましょうって話をしてましたと。
実際RYDEENが当たったわけですね
ス:わかりやすくて気持ち良くて。
竹の子族がいまして。原宿でこの曲をバックに踊る集団がいたんですよ
マ:竹の子族って言ったらね、はとバスで東京観光するときに、
「あちらをご覧下さい。かの有名な原宿の歩行者天国です。竹の子族でございます」
竹の子族だー!カメラ取り出して
ス:パッパラパッパッパ~ン♪て踊ってたんですよ
マ:タララ~沖田浩之。当時小学生がフォークダンスみたいなやつで踊るの、これ。
ス:アメリカではディスコミュージックでかかったらしいんですけど
※38年後、末代に「だっさww」て言われるなど、当時は全く想像してなかった。
今見ると確かに振り付けが※△✖以下略 我々より3~5歳程度年上の人々。
- YouTube
マ:鼻歌であるとか、四つ打ちのビートであるとか、かなり汎用性が高くて。
ユニバーサルデザインの曲になってるわけですよね。
TIGHTEN UP(1980)
人間的なグルーヴの再現
ス:細野晴臣は、はっぴいえんど仕込、ティン・パン・アレイ仕込。
エレキベースがブンブン唸るこの曲。
細野晴臣さんがエレキベース弾いたらこんだけかっこいいんだっていうね。
原曲よりもグルービーですよ。
Yellow Magic Orchestra - Tighten Up [+ Interview] Soul Train 1980 - YouTube
Archie Bell & The Drells - Tighten Up - YouTube
マ:コンピューターから発動されるリズムが
定期的、規則的になってるモノを聞きながらやってる。
ヒューマンだけでやってたら、よく「リズムが走っちゃってる」って聞いたことある?
あとちょっと遅れちゃったりとかするんだけど、伸びたり縮んだりとかもするし
それが一つのグルーヴになってて、みんなで一体感作ってる。
それから切り離して、規則性のあるリズムに合わせて叩くのが革新的だった。
生演奏+同期がいかに生っぽさを排除するか、でもやってるのは人間だしっていう構造だった。
ス:アブソリュート・エゴダンスは沖縄民謡のズレみたいなものを
当時の貧弱なシーケンサーに入れて、再現したんですね。
マ:面白い実験的なこともやってた。
ス:細野晴臣の、あくなきグルーヴへの追求。
マ:不思議な味わいがありますし、黒人たちがこの曲で踊る現象があった。
ヒップホップカルチャーもYMOと無縁ではない。
今みたいにヒップホップの概念が音楽的に確立される前、曲を繋ぐ間にMCとかで
リズムに乗せて喋ってたのが、ヒップホップのDJスタイルの始まりだから。
いろいろ使われた曲の中にYMOの曲が入ってた。
体操(1981)
坂本龍一の変態性
ス:あのYMOのニューアルバムということで針を落としたら、なんじゃいこれは、と。
マ:いよいよヤンキーが見放したんですよね
ス:私もかなり苦手だった中、唯一唯二ぐらいで好きな曲。坂本龍一の変態性が溢れた曲。
マ:割と好き。構造はやりすぎかなと思うんですけど、やっぱ開脚性というか
体操とかそういうものに対してちょっとメスを入れてるじゃないですか。
坂本龍一さんのやることすべてが僕の中でグサグサ来た。田舎の子なんでね。
だけどこういうのは僕は割と好きだった。東京のイイトコの子女、坊ちゃんが
親の代から、いわゆるサブカルチャーみたいなものの蓄積のある人達がやってるわけですね
ス:山手線の中の音楽ですね
マ:超スノップ、ハイなものですよね。山手線圏内で外から伝わった瞬間に
俺たちもう興味なくすわ、ぐらいの勢いの人たちだと思うんですよ。
で、ヤンキーの兄ちゃん達がやってた(RYDEENで踊ってる)とか、すごくない?
ス:前へならえ!痙攣するとか、おいおい、YMOどこいったんや
マ:(ヤンキーが)よくわかんね、よくわかんねえ(笑)
ス:明らかに大阪の公立中学では引いてました
マ:山梨もそうでした。
ス:横浜銀蝿の方が偉くなりましたからね
マ:アカデミックな教授のセンス。
アカデミックが好きだって言うとインテリの感じになるけど違う。
割とアカデミックな人ってミニマリズムが好きですよね?
ス:80年代前半の否定的な側面と言いましょうか、
当時ニューアカデミズムという言葉がありました。小難しい言葉を言うことが流行った。
僕の大嫌いなブームでしたけど。東京の中でもいい大学を出た良家の子女が
難しい本を読んで難しいことを語るのがかっこよかったとか
そういう分野に我々も入っちゃったんですよね。
「体操」も今聴いたら半笑いするような曲なんですけど、
これがミニマリズムでなんかおしゃれでかっこいい、て感じのね
めっちゃ持ち上げられてたのが僕は苦手でね。
マ:ミニマリズムという言葉を知る以前のことなんでね、なんか気持ちよかった経験が
すごく大きくあります。
※中学の体育祭で流すよう求めたが教師に却下された曲。高校なら良かったかも。
YMO 体操 - YouTube
You May Dream シーナ&ロケッツ(1979)
ス:九州のロックバンド。エルビス・コステロの前座で出てきたのを
高橋幸宏が見ていて、こいつはいい!とYMOに紹介して。細野晴臣は時代の寵児。
九州のロックンロールがこんなピコピコした音になってめっちゃオシャレになった。
マ:ただただ、己の好きなロックンロールやってる人たちに、ちょっと角度をつけて
違う方向性に走らせたりするセンスがね。そのままでいいよと言ってるようにも聞こえるんです
抱えてるエンジンが変わってなくても、載せてる柄が違う。細野印。
ス:スネークマンショー、矢野顕子、大貫妙子。
YMOがいなかったら出てきてない才能はたくさんある。何をやっても流行しちゃう。
かまやつひろし、近田春夫、細野晴臣、その後いとうせいこう、小室哲哉。
イノベーターヒストリーは別にある。松田聖子のガラスの林檎、天国のキッス
奇天烈な変な転調とかね、あと「ピンクのモーツァルト」
シーナ&ロケッツ ユーメイドリーム 1979 【貴重映像アーカイブ】 - YouTube
BEAT THE RAP /スーパーエキセントリックシアター(1984)
スネークマンショーVS三宅裕司問題
ス:三宅裕司とピーターバラカンがラップをしている
マ:全然チェックしてませんでした
ス:公共の電波に流れたの、数十年ぐらいだと思いますよ
マ:当時SETがYMO的なことに絡んでいくの、なんとなくちょっと嫌だった印象があるんですよ
ス:多くの方はそうだと思いますよね
マ:そこには触手を伸ばさないでおこうということでノーマークにしちゃった
ス:同色のスネークマンショーよりもSETが好きだった、多分それはYMOファンの中では少数派で
ニューアカデミズム、難しく言う方がいい、地方ダサい東京カッコいい、
スネークマンショーのシュールな笑いの方がおしゃれってあったじゃないですか。
そこへ堂々と来て、ベタな三宅裕司のラップ。ラジカル・ガジベリビンバ・システム、
若い頃のダウンタウンとかはSET批判、三宅裕司批判をしたんですよ。
でも三宅裕司は今も息づいてる。
マ:三宅裕司さんも山手線の超内側の人ですからね
ス:神田の生まれでね
マ:東京フリーメイソンって呼んでますけどね(笑)
Super Eccentric Theater - Beat The Rap - YouTube
DAY TRIPPER(1980)
マ:今でも聴きますね。こういう解釈は斬新だし、生きてる上でクセになる。
ツボ押ししてくれる。
ス:全く同感ですね
中1の夏休みに友達の家で鑑賞会やったん思い出す。全てはこのアルバムから始まったYMO歴。
DAY TRIPPER - YMO 1979 LIVE at THEATRE LE PALACE - YouTube
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