猫と暮らす
リリー:日本にいらっしゃってる時は、猫はどうしてるんですか?
矢野:キャットシッターの夫婦がいて、猫はそこが自分の別宅だと思ってて
何の遠慮もなくしてます
仲:何匹ぐらい飼われてるんですか
矢野:今は一匹ですけれども、最高4匹おりました。
JAPANESE GIRL(1976)
丘を越えて
リリー:僕のお婆ちゃん世代の人達、そういう人たちがテレビで歌ってると
「なんか昔の人たちが昔の曲を歌ってるな」て感覚だったんだけど
矢野さんのカバーを聴いて、曲は歌う人によってこんなにも違うんだ、と
随分考え方が変わりましたね
矢野:そうでしたか

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SOMEDAY
基本的に自分で歌いたい曲を歌っています
自分が歌うときには自分が気持ちいいものを歌うので
この曲は歌詞が持つストーリーがすごく好きだったので
やっぱりこれは若さの歌
なにがしか、人の言うことなんていいやみたいにしてたのが
希望を持って生きることの大切さってとこに移行していく感じがいいなと
思いますね
矢野顕子 SOMEDAY - YouTube
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リリー:メロディに関しても全然自由に表現されて
歌詞もカバーの時はちょっと変えて
矢野:そうですよね、ひどいですよね(笑)
この歌は男性が作った歌なので、私の時は女性の視点になっちゃうこともあるし
どうしてもこういうのちょっとなぁって思うときは勝手に変えたり
歌わなかったり、ひどい
リリー:一番サビのSOMEDAY、歌ってないですよ(笑)
普通サビ歌わないと、聴いてる方も欲求不満になりそうなんだけど
逆に気がつかないと忘れてますもんね(笑)
仲:なぜですか?やっぱり自分の中で
矢野:この歌の私にとっての要点はSOMEDAY「いつか」っていうことだけだなあってこと
でもいつかはね、いつか、いつかはさ、っていう、それだけでいいかなあ
リリー:佐野さんとは昔から交流があるんですか?
矢野:はい。これも聴いていただいているはずです
カバーはジャズが原点
リリー:矢野さんのカバーの解釈が凄すぎて(笑)
矢野:あのね、結局、どうして人の曲を平気でいじるかというと
あたしジャズが好きで、ジャズは普通に演奏するときスタンダードがあって
テーマに則ってソロ、アドリブ、即興演奏をしていく音楽なので
いつも必ず素材になる音楽があるわけです。
なので私としてはフレーバーというかね、
自分はこの曲でこのように表現したいというのが加味されて。
リリー:SOMEDAYも全く違うものに
矢野:同じ演奏は二度とできないので
仲:ちなみに初めてカバーされた曲、覚えてらっしゃいますか
矢野:もしかしたらね、中学校の時、授業中に..授業がつまんなかったの
それでふ~~ん♫とかやってるうちに、
中田喜直先生の「ちいさい秋みつけた」知ってました?
仲:はい
矢野:あれがあたしは好きで、よく歌ってるんですが、
そのうちすんごくいいアレンジ思いついて、これいいな、と
授業そっちのけで。教科書の横に書き留めたりしてたのが最初かもしんない。
糸井重里
春咲小紅(1981)
カネボウ CM 1981年 「レディ80 ミニ口紅」 曲 矢野顕子 春咲小紅 - YouTube
糸井:昔遊んでもらってたんですけど、いま構ってもらえなくなって(笑)
リリー:当時はCMソングやドラマの主題歌になるとすごい影響力あって
でもその代わりすごい制限もあって、
改めて、春咲小紅の歌詞を見ると、ちっちゃな口紅が出ますよと
ミニミニ 見に来てね 最初はちっちゃいカタカナの「ミニミニ」なんですね
糸井:コマーシャルソングですからね
(当時のインタビューより)
糸井さんが、私を代弁してくれる
糸井さんは私の本質を理解してくれていて、
私だったらこういうだろう、これは使わないだろうと
解析して書いてくれる。
だから「不思議、大好き。」にしても
糸井さんの表現と同時に私の表現でもある。
矢野:すごいですね
糸井:みんなとっちゃうんだよ(笑)なんていうんだろ、いい道具なんだと思う。
僕は嫌な人間じゃなくて、誰かにとっていい道具だと
すごい気持ちいいと思う。だから喜んで道具をやってますよ、案外。
リリー;糸井さんすごい数の作詞をされてますけど
CM的な情報を結構入れなきゃいけない時があるじゃないですか
それって、作詞をするのに、自由に書いていいものとCMと、
自分の中でストレスの違いはあるんですか
糸井:いやっ、こう、まるっきり自由ってあんまり面白くなくって。
やっぱり、ランナーがどこにいるからこういうバッティングをする、みたいな。
リリー:宿題があるから「ミニミニ 見に来てね」とくるわけですもんね
糸井:大滝さんとかそれだけでレコード出してるもんねえ
そのぐらいCMっていうのは、いわゆるニューミュージックの人のメディアとして
すごく活用されてますもんね。
ヒットチャートとは関係ないところに仕事があるんだって嬉しさがあったと思う。
リリー:CMで使われた曲がいきなりベストテンに入って、なおかつそれまでの風景と
変わってしまう破壊力があったりしますよね
ピアノが愛した女
魅力について
糸井:いちおう「ピアノが愛した女」ってキャッチフレーズを僕はつけた
矢野が愛してる、じゃなくて、ピアノが愛してる。
植物を育てる力のある人と同じように、楽器を育てちゃうよね
矢野:まあそうですね。好きだから。
趣味はなんですか?と言われると、ピアノかな。趣味はピアノ。
仕事もピアノ。リラックスするのもピアノ。
リリー:ピアノと相思相愛なんですね。糸井さんが思われる矢野さんの声、魅力は
糸井:必ず落ち着かないんですよ(笑)
これで安定したってものを、僕は矢野顕子については見たことがないですよ
1個だけレコーディングするとしたらどれ?ってときもきっと悩むだろうし
いっつも形が掴めない
矢野:ないからねえ。ないんだよ、かたちが。
糸井:それは、大魅力でしょうね
リリー:聴いてる方も、家でレコード聴いてても、100%のやすらぎじゃないですよね
糸井:ちがう。
リリー:なんかどっかがサラサラとかけ落ちていくようなそわそわ感がある
矢野:あのね、運転してる時のBGMにならないって言われました
糸井:なんない
リリー:なんか変なテンポでブレーキとか踏みそう(笑)
矢野さんが思われる糸井さんの歌詞の魅力、特徴は
矢野:ええとその、さきほど私が過去に書いたか言ったりしたものってのは
あらかた嘘じゃないですよね。
わりと、たとえば、ここに初めての人がいて、
「カレー好き?」「あああたしも」と繋がるのは割と簡単ですよね
だけど「いやそれはちょっと違うよ」「それはいやだな」ってとこが多分一緒なので
そこが一緒ってことはもっと根本的っていうのか
人間の深いところで共通点があるのかなと思いますね。