挫折ポイント
ジョバンニの学校生活は、地味に嫌なことがたくさん起こる。タイトルに惹かれて読み始めても、途中で投げ出す人がいる。
同級生に父親の仕事をいじられる
父が遠洋漁業に出ているため、ザネリに「ラッコの上着」とからかわれる。ラッコは乱獲されて激減したため、猟を禁止される。そのため「お前の父ちゃん密猟者」の意味でからかわれた
放課後、活字拾いのバイト生活がきつい
小さい文字を彫り込んだ金属製のハンコを一字ずつ拾う。いわゆる活版印刷。あだなは「虫めがね君」
お母さんが病で寝たきり
寝たきりの母に「牛乳持ってきて」ところが牛乳が配達されていない。ジョバンニは牛乳屋に出向くが「担当者不在なので明日来てください」と言われる。
今日は今日で飲みたいでしょ?明日2本来てみなさい。お母さん腹パンパンですよ(笑)
帰り道、ザネリ一味と遭遇
「やーいラッコの上着」案の定いじられる。カムパネルラに近づきたいがザネリがいて無理。
そんな日に限ってお祭りである。なんて日だ! あまりにも辛いから横になり
目が覚めたら列車の中
憧れのカムパネルラがそこにいて「ザネリはもう帰ったよ」「お母さんは許してくれるだろうか」
銀河鉄道の路線図
最大の魅力は宇宙旅行じゃない。草花が生え、鳥が飛んでいるが現実の岩手ではない。天の川の輝きと岩手の美しい風景の間。宮沢賢治オリジナルの世界。岩手県には北上川が有り、岩手軽便鉄道がある。賢治の書いた文章で読むと最高に美しい。

- 作者:賢治, 宮沢
- 発売日: 1969/07/19
- メディア: 文庫
鷲の停車場~結末
多くの人が乗ってくる「私たちの乗った船は氷山にぶつかり座礁してしまいました」←賢治16歳の時に起きたタイタニック号事件を作品に盛り込む
とある音楽が流れてくる※下校の音楽って全国共通かよ
終点である南十字星には十字架が。すべての乗客はハレルヤと言いながら十字架へ向かう。ジョバンニとカムパネルラだけが残される。「ねえ、カムパネルラ、ずっと一緒にいようね」ふと見るといない。ジョバンニは涙が溢れ「カムパネルラ!」と叫ぶ。気が付くと丘の上で寝ていた。「子供が川に落ちたんだよ」←落ちたザネリは助かったが、救おうとしたカムパネルラは45分経過しており助からなかった。
カムパネルラの死、銀河鉄道の美しさ。「雨ニモマケズ」の一節「そういうものに私はなりたい」がカムパネルラではないかと中田敦彦。作品を通して「人のために生きるのが本当の幸せ」と言いたかったのでは。
雨ニモマケズは、死を目前にした賢治が自分だけのために書き残したもの。銀河鉄道の夜も未発表だったが、死後発見され世に出た。
夫が昔、途中で読むのをやめた作品。タイトルに惹かれて読み始めたがだんだん辛くなり、銀河鉄道に乗る前に嫌気がさして投げ出したのだそう。